2023年版 MAZDA CX-3 レビュー総覧
- 2023年版 MAZDA CX-3 : 1ヶ月&1000㎞レビュー【総論】
- 2023年版 MAZDA CX-3 レビュー【各論・エクステリア編】
- 2023年版 MAZDA CX-3 レビュー【各論・インテリア編】→ イマココ
- 2023年版 MAZDA CX-3 レビュー【各論・乗り心地と走り編】
※ 2024年1月14日追記
2023年後半に、走行1万㎞突破記念のCX-3再レビュー記事を公開しました。見方が多少変わったところもありますので、そちらも合わせてご覧いただくことをお薦めします。
CX-3 走行1万㎞突破記念再レビュー記事一覧
はじめに
どうもこんにちは。
やりたい放題のCX-3レビュー記事も中盤。今回はインテリア編をお送りします。
CX-3のインテリアに関して、単独で見た場合には軒並み高評価ですが、MAZDA2(旧デミオ)と似ているということを根拠に低く評価する人が多いのも事実です。これについては総論でも書きましたが、MAZDA2のインテリアがコンパクトカー離れした上質なものだというだけなんですよね。そのあたりの詳細はレビュー総論記事の「インテリアも素晴らしい」の項をご覧ください。
このようにインテリアの全体的な感想は総論記事にも書いておりますので、今回はより細かくインテリア各部を見ていきたいと思います。
※ なお、特に記載がない限り、写真も文も15STouring(セーフティパッケージ有り)についての内容となっています。ベースグレードである15S・XDはインテリアの材質がこの記事の内容に比べてグレードの低いものになっていることも多々ありますのでご注意ください。グレードに関してはコチラの記事を参考にしてください。
運転席まわり概観
黒を基調とした内装になっていて、造形のスポーティさとよくマッチしています。しばしば「包まれ感がある」「コクピット的」と言われますが、これは適切なドライビングポジションをとってフイット感の高いシートに座ると感じることができるものの他に、旧型の戦闘機のコクピットを想起させるメーター部を覆うフードや、ジェットエンジンを思わせる丸形のエアコンルーバーなどのデザイン、そしてヘッドアップディスプレイ(HUD)やセンターコンソールのコマンダースイッチを主とする多くの装置類が、運転から注意をそらさずに操作や情報の確認が行えるような、ドライバー中心の配置となっていることなどから総合的に感じられる印象ではないかと思います。
※ HUDも15STouringではセーフティパッケージに含まれるオプションです。15S・XDは追加不可です。
ハンドル・メーター部
ハンドルは本革巻で、スイッチまわりや6時スポークのメッキ加工などもあり全体的に高級なイメージです。スイッチ類の配置に関しても右手がMRCC(クルコン)関係、左手が電話・音楽・情報系と明快で使いやすいです。
メーター部については、かなりシンプルな印象です。特に最近のクルマはここをデジタルでキラキラにしてナニカをアピールする傾向にありますので、地味に感じるかも知れません。でも、スポーティな走りを楽しむ時、特にマニュアルモードを駆使する時に大活躍のタコメーターは、このアナログさがとてもしっくりきます。スピード表示はタコメーターの右下に表示されるデジタル数字となっていて、瞬間的な確認のしやすさはそれほど良好ではありませんが、HUDに速度が表示されていてこちらはあまり見ないので、個人的には問題ありません。
タコメーターの両サイドについては、右は温度計・燃料計・燃費等表示、左はトリップメーターとシフト位置表示となっています。シンプルなだけに見やすいですね。あと、買う前にはまったく想像していませんでしたが、このシフト位置表示がとても重要です。マニュアルモードでギアチェンジする時には、シフトレバーの位置では判断できませんから、ここは頻繁に確認しています。
ちなみに、レビューなんかでよく「位置がわかりにくい」と酷評されているエンジンスイッチがこちらです。メーターの左下で、ハンドルがあるため見えにくいです。
でも……他人に運転させるならともかく、自分のクルマとして運転するならすぐに慣れて何の問題もなくなります。
「ここにある」ということだけ覚えてしまえば、特に使いにくいわけでもなく「別にイイじゃん」って感じです。評論家気質の人っていうのはどうしても悪いところを見つけないと気が済まないのでしょうね。ちなみに、ワタシは評論家気質ではないつもりです。ただのCX-3大好きっ子です。
話を戻して、エンジンスイッチですが、ワタシはよく運転席に乗り込む前に外から片脚だけ入れて軽くブレーキを踏みつつ、エンジンスイッチを押して始動させておくことがあります。ハンドルの上側からスイッチに普通に手が届きますので、そんな操作も無理なくこなせますよ。
センターコンソールまわり
CX-3のセンターコンソール部分は、他メーカーのコンパクトカーやコンパクトSUV等と比べてとても上質だと思います。それなりに色んなクルマに乗りますが、やはり大型のディスプレイと、それのスイッチ類をこれ見よがしに並べ立てて全体的な質感不足をごまかしているようなものが多い印象です。(すべてではありませんし、そもそもコンパクトクラスのお話しだということをご理解くださいね)
そこへ行くと、CX-3のディスプレイは今となっては大きいとは言えない8インチ(改良前は7インチ)ですし、そもそもダッシュボードの上に乗っかっているスタイルですから、センターコンソールの質感向上にはあまり関与できないのです。
ですから正味のデザインと材質勝負になってしまうわけですが、基本的に奇をてらったような派手なデザインはありません。
オートエアコンの三連コントローラーも抜群の使いやすさではありますが、デザイン的には伝統的というかレトロなたたずまい。
その下にはCD・DVDプレイヤーもありますが、こちらもそろそろ時代の最後尾になりそうな気がします。
そんな感じですが、シフトノブまわりがステキなんですよね。シフトグリップは見た目も触感も重厚感があり、それに加えてピアノブラックなシフトパネルと本革のシフトブーツが上質感を際立たせます。このシフトまわりの造形は、単に上質感が高いと言うだけではなく、ドライバーが中心であること、運転の楽しさが大切であることを主張してやみません。さらに機能的かつスタイリッシュなコマンダースイッチ類と電動パーキング、オートホールドスイッチが、CX-3の都会的な魅力を引き立てているようです。
コマンダースイッチについては上の方でも書きましたが、本当に使いやすいんです。マツコネ自体タッチ操作に対応していますが、駐車中以外でタッチ操作をすることはほぼ皆無です。駐車中でもほとんどしませんが、文字入力する時くらいかなぁ……。その文字入力もコマンダースイッチでやることの方が多いですけど……。要するに、タッチ操作に対応しているのは良いことですが、ぶっちゃけコマンダーのみだったとしても問題ないくらい、このコマンダースイッチが優れているということです。
あえてひと言付け加えるなら、(CX-3搭載の初代)マツコネ自体の性能的な問題で、画面遷移に多少のラグを感じますが、これはコマンダースイッチの問題ではありませんからね。
アームレスト部
そのセンターコンソール部に、商品改良で追加されたのがステキアームレストです。コンパクトという名がつくクルマにはアームレストがない、もしくはあってもかなり無理矢理な後付け感満載のものだったりすることが多いです。例えばヤリスク□スの場合、基本的にアームレストはなく、オプションで付けることができますが……コレな↓
ちょっとあまりにあんまりな見た目にショックを受け、やり玉に挙げてみましたが、日産キックスでも低すぎて使い物にならないとか色々酷評を受けています。やっぱりコンパクトな車格にきちんとしたアームレストを配置するって意外と難しいのかも知れませんね。
さすがのCX-3もコンパクトであることに加え、デミオとの共通規格で開発された部分が大きいこともあり、当初はデミオと同じくアームレストなしのスタイルでした。しかし、内外の高級感故にアームレストを要望する声も多かったようで、商品改良によって全車標準装備となったのです。
でも、ここがマツダのスゴいところですが、単に無理矢理アームレストらしきものをくっつけただけじゃないのですね。
電動パーキングを採用することで、手動のサイドブレーキを無くし、コンソールデザイン自体を刷新し、満を持してのアームレスト登場でした。
冷静に見てこれは結構大きな改良です。パーキングブレーキの手動と電動って単にそこの部品を変えれば良いというものではないでしょうし、この変更によってデミオとさらに大きく異なるインテリアになるわけで、コスト面や効率面でも各所を説得するパワーも必要だったはずです。
もっとも、その労力の甲斐あって、CX-3はデミオとは違う、CX-3らしい上質なインテリアを新たに手にすることになったのです。
そんなアームレストの使い心地は上々で、クッションも安物感はありません。そして上述の通りセンターコンソールの刷新に合わせて設置されただけあって、アームレストに肘を預けつつのコマンダースイッチの操作が実に自然な使い心地です。
コマンダースイッチの有用性は既に書いたとおりですが、アームレストとの連携が優れているから、より「いつでも」「安定した」使い心地を実現できているように思います。
また、細かいことですが、上の写真で見ると、アームレストに肘を置いた状態だとシフトレバーまではちょっと遠いように感じますが、これが走行中のポジションになると、レバーが手前に引かれていますので自然に手が届く位置になります。普通にドライブモードで走っている時にはどうでも良いことなのですが、マニュアルモードで走る時には(パドルシフトも使いますが)MT車と同じようにシフトレバーを(前後のみですが)操作しますので、アームレストがあると快適なのです。
あと、アームレストにつきものな、その下の収納ですが、これについては他の収納と併せて後述しますね。
運転席まわり・その他
サンバイザーは普通ですが、サンバイザーを下げるとETC機器が現れます。
ワンタッチで車載器のカード挿入口が下がりますのでカードの抜き差しはとてもスムーズです。ちなみにワタシは純正の2.0車載器をオプションで注文しましたが、別途購入された時にここに設置されるのかはわかりません。
ルームランプは見た目すっきりしていてスマートな感じ。特に目を引くこともないように思います。
ランプはLEDではありませんね。ワタシは別にこだわりはありませんし、むしろ夜に車内を照らす灯りはこんな感じの方が温かみがあって良いように思います。でも、確かに明るさ的には少々頼りない感じもいたしますし、気になる人はあとで交換してはいかがでしょうか?
余談ですが、以前のクルマでも同じようなランプでしたが、昔は結構暗くなってから書類を見たりメモを取ったりで、もう少し明るかったら良いのになと感じたことも多かったように思いますが、ここ数年は本当にクルマの中で紙ベースの書類を見たり、メモを取ったりということがなくなったなと実感します。メモもiPhoneでとったり、手書きでもiPadでメモできたりしますし、書類もクラウド経由でPDFで見ることが圧倒的に多くなりました。明らかに時代が進歩し続けているということですが、おかげでルームランプは昔ながらのヤツで事足りるということにもなりそうですね。
また、メガネケースがついています。内部の素材や開閉の感じも安っぽくはありませんので使う人にとってはうれしい装備です。ワタシは使わないのですが、それでなくても収納が少ないCX-3です。なにか活用方法はないかなぁと今も検討中です。とりあえず棒状のもの(ペンや綿棒など)なら開けた時に落ちてくることはなさそうです。
フロントシート
CX-3のフロントシート……良いですよ?
よく宣伝文句として使われるのは「骨盤を立たせる」シートという言葉ですが、みなさんイメージわきますかね?
ワタシ的には舞踊をしていた時の経験から、この考え方はとてもしっくりきます。もちろん舞踊と言ってもとても動きが少なく閑かな和の舞から情熱のタンゴみたいな激しい踊りまで様々ですが、腰がしっかり座って安定しているということは、共通して最重要な要素です。
腰が入っている、きまっているという言い方をすることもありますが、これが出来ていると、前後左右に身体が揺らされても体幹がぶれず、安定した舞を続けることが出来るのです。ドライビングで言うと、コーナリングや、急な左右の動きにもぶれずに安定した運転を続けることが出来るといったところでしょうか。
もっとも、身体を鍛えて実現する舞における腰入れと、シートで自然に実現させてしまう骨盤立たせシートはまったく同じではあり得ません。でも目指す方向性はとても似ているようにワタシは思います。……スッゴく独自的な分析ですけど。
まあ、妙にややこしいことを言いましたが、普通のシートに比べて明らかに腰の座りが良いです。普通のシートならシートを寝かせば楽になる、要はリクライニングシートみたいな感じ。でもその楽さは偽りで長持ちしません。腰を曲げた状態になるので腰への負担が大きくなるのですね。(この感想は、最近コンパクトカー数種類でCX-3との比較を意識して、いろんなシート位置や角度を実際に試してみた結果です。控えめに言ってCX-3は別格過ぎました)
CX-3のシートは、深く腰掛けて、お腹が苦しくない程度にシートを立ててやるのが最もしっかりハマり、そして長時間の運転でも疲労が少なくてすむ座り方です。
上の写真をご覧ください。普段の運転でのワタシのシートポジションです。背もたれ、かなり立ってますでしょ? 無理してはいませんよ? これが一番ワタシにとって疲れない角度ですし、コーナリングでも身体がぶれないフィット感抜群のポジションです。
こういうコンセプト、設計で作られたシートは高級車やスポーツタイプのクルマだと珍しくはないと思いますが、コンパクトでSUVなこのあたりの車種にも採用するのがマツダというメーカーですね。そういうところがスキです。
ちなみに15S Touringだとシートの位置調整は手動です。仕事中の小休止やお食事でシートを一気に下げることも多いので、電動のパワーシートはまどろっこしくて元々欲しくはありませんでした。しかし、最適なドライビングポジションを求める過程で、シートの前端があとほんの少しだけ下げたいと感じることがあり、そのあたりの微調整が(説明書を読む限りでは)パワーシートの方がやりやすそうだったので、少しだけ欲しいなと思わないでもありません。
ただ、手動でも上下の座面調整は出来ますし、これも単にシート全体が水平に上下するものではないので、最高のポジションを求めて今も奮闘中です。(気が向いたら、また別記事で特集します)
シート前端のことだけではなく、最高のポジションと言っても、時間帯や自分のコンディションや疲労のたまり具合などによっても微妙に変わってきますから、なかなか奥が深いですね。でも座っていてワクワクするし、運転していて楽しいから、もっと楽しく、快適に、という想いでついつい追究してしまうのです。
なお、助手席も運転席と同じタイプのシートですが、当然ながら上で書いたような上下の座面調整はできません。でも、ヨメがいつもとても快適そうに座っているということを付け加えておきます。助手席ですから後ろに人が乗っていない限りは好きに後ろに下げていいわけですが、それとは別の話として、足下がゆったりしてるとも言っていました。運転席側において最適なペダルポジションを実現するためにタイヤを前に出して空間を作って……という話がありますが、その恩恵は単なる広さとして助手席側にも及んでいるようですね。
助手席まわり
うん。すっきりしてますねw。特に助手席の人が遊べるようなものはありません。ダッシュボードもほとんど平らな部分がないので
中央部から一体的に配置されたインパネデコレーションが革製で、ステッチもきちんと入っているのでとても高級感があります。全体的にスポーティなイメージのインテリアながらも。要所要所で質感のある素材を上手く使っており、高級感も併せ持たせることに成功しています。
前席ドア
このドアは、なかなかの逸品ですよ。もちろん200万円当たりから買える車ですから、コストの制限はあります。しかし、立体的で重厚感があるデザインに、素材もハンドル部分のシルバーや各種ウインドウスイッチの上のドアトリム部分が合成皮革になっており、こちらも要所を高級素材でキメることで全体的な質感と高級感をアップさせることに成功しているようです。
ちなみに、特別仕様車などはドアアームレスト部分なども皮革製になりますので、もう完全に高級車ですよね。
また、ドアが逸品だと言ったのはデザインだけが理由ではありません。実際に開閉した時の重厚感や閉める時の堅牢感(バチッと閉まる感じ)は本当にこのクラスの車だとは思えません。開発時から静粛性にはとてもこだわったという記事を読んだことがありますが、明らかにこのドアはその静粛性に大きく寄与しているでしょうね。(乗り心地などのレビューで書くつもりですが、CX-3は静粛性も素晴らしいです)
もうね。開け閉めするのが楽しいんですよw
あと、下部にドリンクホルダーにもなる収納がありますが、ぱっと見よりもサイズあります。500mlの牛乳パックも無理なく入ります。(入るように設計したんでしょうね。ジャストフィットです)
まあ、この位置のドリンクホルダーは足元に近いので、飲み物を置くのに抵抗がある人もいらっしゃるかも知れませんね。でもサイズがありますから収納として工夫次第で色々使えそうですよ。
後席
さて、とかく狭いと噂の後席です……けど、こんなものじゃないかなぁ? もちろん広いとは言いませんけど、コンパクトカーやコンパクトSUVだったらこんなものだと思います。
まあ、文句を言っても仕方ありませんので、インテリア的観点からCX-3の後席を改めて眺めてみましょう。
まずは空間です。運転席側について言うと、ドライバーが例えばワタシ、175センチのちょいデブですが、そんなワタシがいつものドライビングポジションをとった時、後席にもワタシが乗ったとしても普通に余裕があります。(下の画像でご確認ください)
あと、前席の後ろ側、膝があたるところがフワフワなので、もし膝がもう少しギリギリになったとしても、以外に窮屈ではありません。もし、ドライバーも後席の人も180センチ以上だったりすると、さすがに厳しくなってくるように思いますが、そんなメンツでコンパクト車でドライブすんなって思います。
あと、特に指摘しておくべきは足元と目線です。
足元は前席のシート下にすっぽり足が入るので、窮屈さは緩和されます。しかし、その足が入るスペースの「幅」があまり広くありません。両脚をしっかり揃える必要はありませんが、肩幅以上にするのは無理ですね。もちろんシートの下に足を突っ込まなくてはいけないわけじゃありませんので、あまり大柄な人でなければ、それなりに楽なスタイルで乗っていられると思います。また、後席シートはリクライニングせず、比較的立ち気味ですから、それと合わせて考えると、ガバッと股を広げて偉そうにふんぞり返るおっさんスタイルで乗るのは難しいでしょうね。むしろそんな輩には乗ってほしくないからそれでいいです。
目線については以前の記事でも触れたことがありますが、目線が高めでなおかつ、着座位置が前席と比べて少し中央側にオフセットしているため、前方の視野が意外に開けていて、また前席の乗員とのコミュニケーションも取りやすいようになっているようです。後席の乗車時の目線で撮った写真を再掲しますね。
特に頭を中央に寄せているわけでもないのに、前席がよく見通せていますよね。(前席ハンドルが見えていることにも注目)
後席の窓は小さめなのですが、このように前方の視界が開けていますので、あまり閉塞感はないと思います。
というわけで、後席のスペース的なことをまとめてみますと……。
- 平均的な体格の人たちで乗るなら必要十分の広さ
- だらっと乗るより、一緒にドライブを楽しむ意識でそれなりにちゃんとした姿勢で乗るのに適している
- 広さが売りではないが、前席とのコンタクトや前の景色へのアクセスに優れているので、仲の良い人同士での楽しいドライブに向いている
- お偉いさんを後ろに乗っけて接待するには向いてない
まあ、こんな感じかな?w
あと、シート自体を見ておきましょうか。
手前のシートに変なフックが付いているのは気にしないでください。それはともかく、シートの内部的な構造(骨盤を立たせるとか)は当然前席とは異なるでしょうけど、表面的なデザインや質感は前席と遜色ありませんので手抜き感はありません。
後席のアームレストも前席アームレストと同じく商品改良で追加になりました。質感も申し分なく、二人分のドリンクホルダーも付いています。これで名実ともにCX-3は4人乗りのクルマになったとワタシは勝手に思っています。元々5人で乗るもんじゃないです。乗っても違法じゃないよってだけの話です。
後席ドア
ドアのデザインや質感は前席と変わらず。これはシートも同じで手抜き感はありません。後席の乗車にも必要十分に対応できているとは言え、どちらかというと前席中心の思想で作られているであろうCX-3ですが、ここの開発陣は手を抜くことを知らなかったようです。ホントにきちんと作られています。あえて言うなら、ドアの長さがフロントに比べて短いからなのか、何か内部構造が違うのか、閉めた時の感触はフロントに比べて少し軽めの印象を受けます。まあ、フロントの質感が高級車レベルなので、特に悪いというべきものではありません。
あと、専門的なことはわかりませんが、乗り降りがしやすいです。開口部がぱっと見より広いのか、ドアの開く角度が大きいからなのか、着座位置が高いからなのか、もしくはすべての要素が混ざってなのか断言はできませんが、とにかく乗り降りしやすいです。
収納まとめ
まずは収納をまとめてみましょう。
- 前席アームレスト下収納
- しきりの着脱により三分割もしくは二分割
- ドリンクホルダー × 1 or 2 + 小物入れ
- ドリンクホルダーは小物入れとして使うことも可能
- フロントドア ドリンクホルダー +α × 2(左右各1)
- リアドア ドリンクホルダー × 2(左右各1)
- 助手席前グローブボックス
- センターコンソール前端 小物置き
- 後席アームレスト ドリンクホルダー(二人分)
ふむ。ドリンクホルダーは十分足りてますね。ただ、上でも書きましたが、フロント・リアのドアに付いているドリンクホルダーは、人によっては飲み物を置くのに抵抗があるかも知れませんね。それでも、フロント・リア共にアームレスト部に二人分ずつドリンクホルダーを用意しているのでやはり問題ないように思えます。
そうすると、ドアのドリンクホルダーが結構有能な収納になります。これも前述しましたが牛乳パックでも入るなかなかの容量ですから、掃除用のクロスやスプレーその他工夫次第で色々入れることができそうですね。
しかし、ここまでのところ、ひとつだけ落とし穴があります。
アームレスト下の「ドリンクホルダー」です。
確かになかなかのアイデア商品です。
基本的に三つの収納スペース。うち、前の二つはドリンクホルダーとして使えますし、ボトル固定用の羽根をたたんで単なる収納としても使えます。また、後ろ側のしきりを外すことで大きめの収納スペースにすることも可能で、全体的に限られた空間を極力ドライバーの用途に合わせて柔軟に使えるように工夫されている逸品だと思います。
ただ、ドライバー、助手席の乗員の二人用にこのアームレストドリンクホルダーを使おうとするとどうなるか……。アームレストを下ろしてみましょう。
後ろ側のドリンクホルダーが隠れてしまいました。
実際のところ、手は届くのですが(写真でも入れているモノがチラッと見えてますよね)、このままでドリンクの出し入れするのはちょっと無理です。だから現実的には、助手席に人を乗せる場合、どちらかはドア横のドリンクホルダーを使うことになりそうです。
そこで市販のドリンクホルダーの出番……だと言いたいところですが、こちらも無理ではありませんが、CX-3は少しハードルが高いです。ドリンクホルダーで一番多いのがエアコン吹き出し口に取り付けるタイプだと思いますが、CX-3のエアコン吹き出し口は横長のものも、丸形のものもちょっと特殊で、かなりモノを選びます。
また、付けられるとしても、せっかくのダッシュボード全体のデザイン性を損なうことは覚悟しないといけません。ワタシはそれが嫌で、今のところは何も付けていません。(特に困ってないからというのもありますがw)
ならばダッシュボード上にくっつけるタイプならどうかというと、CX-3のダッシュボードは平らになっているタイプではありませんので、これもモノを選びますし、見た目の安定感的に難ありな気がします。
この辺りは、どちらかがドア横のドリンクホルダーを使えばすっきり解決なのですが、人によってはそれなりに大問題になるのかも知れませんね。
あと、収納全体を見ると、やっぱり多くはないものの、ドリンクホルダーと言いつつも普通の収納をして使える部分も多く、工夫次第ではそれほど問題ないように思います。ただひとつだけ難点を挙げるとするならば……コンソール前端の小物置きに、スマホが置けたならカンペキだったのに! ということです。
上の画像の黄色で囲っているところですが……スマホ置けません。結構小さいヤツでも厳しいんじゃないでしょうか? せいぜいガラケーかな……。まあ2015年発売のクルマだしね。
そんなわけで、収納はそれなりに使えはするものの、余裕はないというのが正直なところですね。ワタシなんかはそこを色々工夫するのも楽しいのですが、子ども用のあれやこれやも色々クルマに積まなくちゃ……という場合は、もう無理ですね。色々収納用品を取り付けてガンバってください。
ちなみに、ほんの少し収納スペースを増やして楽しんでいる記録はコチラの記事をご覧くださいね。
インテリア総括
いやあ、記事的には総括とか書いた方が良いと思ったんですが、もういいですかね?w
とにかくCX-3のインテリアは、コストの制限のギリギリを攻めた上質さ、手抜きのなさ、運転の楽しさ・人馬一体と言った考え方に沿った設計になっている点など、すべてが相まってとても素晴らしいできばえだと思います。
通常グレードの15STouringでこれなのですから、特別仕様車の方は好みにさえ合えば完全に高級車レベルの上質さを感じることができるでしょう。事実、ワタシは購入前のSuper Edgy試乗でそう感じました。
ただその反面、ベースグレードの15S・XDは、走行性能についてはあまり変わらないのですが、その分インテリアに関しては大幅にグレードダウンしていますから、最高のエクステリアとのバランスという点で個人的にはオススメはいたしません。(所有者の方ゴメンナサイ)
冒頭にも書きましたが、インテリアについての全体的な感想は「レビュー総論」に書いたので、この記事は細かいところを列挙することを目的としています。よかったらあらためて総論記事の方もご覧くださいね。
それではまた。
4 thoughts on “2023年版 MAZDA CX-3 レビュー【各論・インテリア編】”