知識ゼロからの車載動画・評の章 - AKASO EK7000Proをひと通り使ってみた感想

どうもこんにちは。

知識ゼロの状態から車載動画を撮るべく続けてきたこの企画。一番初めは……「スマホで撮ろうかな?」→「スマホをクルマに固定したらスマホが使えないじゃん!」という基本以前のところからのスタートでした。

そんな感じで当初はどうなるかと思ったこの企画ですが、アクションカメラの存在すら知らなかった状態から、動画撮影 → 編集 → YouTubeアップまで一応こなせるようになりました。

というわけで、このあたりでワタシが今使っているAKASO EK7000Proのレビューを行いたいと思います。今までの記事で書いたとおり、あくまでも「ちょっと良い入門機」ですからはなっから過度な期待はしないでいただきたいですが、GoProなんかだといきなり高額になってしまいますから、ワタシのようにちょっとやってみたいなぁという層の方だと、廉価な機種を検討されることも多いでしょう。ただ、安いのはいいけど、安すぎてそもそも使い物になるのか? というところで悩んでしまいがちでもありますので、そういう方の参考になれば幸いです。

ファーストインプレッション

思ったより小さくて軽かったです。でも造りはそれほどちゃちでもなく、意外にしっかりした感じでした。自分のスマホ(iPhone14Pro)と比べると小さいのはもちろんですが重量感が全く違って軽いので、ある程度大胆な使い方が出来そうだと感じました。

できることとできないこと

できる○

  • 手ぶれ補正(オン・オフ)
  • 露出調整(0.0 ~ 2.0まで 7段階)
  • 画角調整(ウルトラワイド ~ ナロー 4段階)
  • ループ録画(オフ・1・3・5分)
  • タイムプラス録画・写真(動画は1・3・5・10・30・60秒、写真はやや異なる)
  • Wi-Fiでのスマホへのデータ転送
  • スマホでのプレビューおよびコントロール

できない×

  • ズーム
  • スロー撮影

ちなみにタイムプラス動画はこんなのですよ。

こうして見ると、アクションカメラに求められる機能は一通り揃っている感じですね。スロー撮影に対応していないので用途によっては要注意ですね。車載動画を撮影する分にはまったく問題なしですが……。

あと、ズーム機能がないのはアクションカメラならそれほど珍しくはないかな? また、ズーム機能がついていてもデジタルズームであることが多いので拡大した分画質は落ちますし、自分の身体なんかにカメラを固定して使うのが主要な用途であるアクションカメラにとっては重要度は低いと思います。(編集段階で部分的にズームすることもできますし)

ただ、普通の風景や景観をじっくり撮影する時などはズーム機能が欲しいところ。使い勝手の項でも書きますが、正直そういう場合はスマホで撮影するのが正解だと思います。

画質・音質は実用的?

4K撮れるってスゴくね?

解像度は4K 30fps / 2.7K 30fps / 1080P 60fps / 1080P 30fps / 720P 120fps / 720P 60fpsが選択できます。ワタシが今までに公開した動画は1080P 60fpsで撮影したものです。

せっかくだから高画質で撮ればいいのにと思われるかもしれませんが、サイズがね……。

1080P 60fpsで撮っていても10分で1GB超になりますので、車載動画などで多少尺が長い動画を撮ることを考えると、とても4Kなどで撮っていられません。それに、正直言って、4Kで撮ってもそのサイズに見合ったキレイさにはなりません。以下、動画からのキャプチャです。

どれも同位置から撮って、27インチモニターで全画面再生したものをキャプチャーしました。よかったら拡大して比べていただければと思いますが、ホントに大した違いがありませんね。(「金鳥」も文字の潰れ方でほんの少し判断できなくもない)

実際、動画で見ていても、ノイズの流れ方がちょっと違うかな? と思うくらいで、どっちが高画質なんだかすら判別できません。それにしてもノイズが多いのは、あまり明るくない室内で撮影したせいもあるかもしれません。

この辺、昔からデジカメの画質を語る際に言われている「画質は解像度だけじゃないよ」ということなのでしょうね。4K、1080Pなどという解像度は確かに画像の細かさではあるのですが、そもそも画像を捉えるレンズやセンサーの能力が低ければいくら解像度が高くても意味がありません。わかりやすく言うと、例えばセンサーが1000×1000でしか認識していないものを4K(3840×2160)の上に乗っけても画質が上がるわけがないと言うことです。ピンボケの写真をいくら拡大しても鮮明にはなりませんよね。それと同じです。

ぶっちゃけ4Kは対応してなくても問題なさそうです。

はっきり言いますけど、動画の画質という点ではiPhone14Proの方が遙かに上ですね。上の動画の中でも、お寺動画のような、場所や風景をじっくり撮るという用途ならEK7000Proを使うよりiPhoneの方が、画質も良いし、明るさ・暗さへの対応の上手さ、ズームを調整しながら撮れることからも使いやすいでしょう。それでも、アクロバティックな方法や角度で撮りやすいアクションカメラの出番もあるとは思いますが。

……ここまで通して見るととにかく画質悪いのね、と思われるかもしれませんが、じゃあ使えない画質かと言うと、意外とそうでもありません。

EK7000Proでイケる場面とイケない場面

おヒマなら、今まで公開したこの映像をご覧いただきつつ、読んでいただくとわかりやすいかもしれません。

これらの動画をご覧いただくとわかりますが、明るい場所ならそれなりにキレイです。デスクトップPCで使っている27インチモニターで全画面表示してもそれなりに見られます。ただ、暗い場所になると一気に画質が落ちる傾向があります。露出調整である程度対応できるかもしれませんが、ちょっと実用的だとは言い難いですね。明るい太陽の下で撮影するのが、この機種の正しい使い方だと言っても差し支えないような気がします。

あと、コントラストが弱いのか、色彩のメリハリが弱いように思います。見栄えの良い映像にするためにはやはり色彩の編集が欠かせないように思います。ただ、逆に考えると、編集によって充分見栄えの良い映像に仕上げることができるということは、根本的な画質そのものは使えるレベルにあると言えそうです。(上のお寺の動画、大提灯アップの場面とか、結構鮮やかでしょ?)

あと、明るい場面での使用に向いていると書きましたが、明るすぎての白飛びも結構気になるところです。

総じて言うとこんな感じ。

  • 基本的には記録動画なら充分使えるレベル
  • アーティスティックに見せたいならは編集必須(逆に言うと編集でなんとかなる)
  • 夜間撮影は苦手(個人的には「使えない」と言ってもいいんじゃないかと思ってる)

音はどうなん?

外部マイクを接続することもできますが、ワタシは未購入です。一応内蔵マイクがあってそれで音も録ることができます。上の動画では、ドライブ編の方は元の音を残しています。

エンジンの音を拾いたかったのですが、CX-3は元が静かながらアクセルを踏み込んだときの音は結構ちゃんと拾ってくれています。ロードノイズも拾いますが、拾いすぎと言うほどではありません。動画を見ていただくとわかりますが、ナビの音声なども結構クリアに入っていて車載動画なら内蔵マイクでも問題はないかなと思いました。

ただ、別シーンで野外の撮影をしていると、風の音などもかなり細かく拾ってしまうので、これはノイズキャンセラなどがちゃんと機能する外部マイクが欲しいかな、と思いました。

手ぶれ補正機能は?

アクションカメラには欠かせない、手ぶれ補正機能ですが。

上の動画は両方とも補正をオンにしています。大きな揺れは拾いますが、なかなか良い感じ。

ドライブ動画の方、冒頭を見ていただくと、いかにも自動車専用道といった道をスイスイ走っておりますが、これは大阪の新御堂筋、建設から50年以上経つ結構老朽化した道で、細かい振動や路面のつなぎ目のギャップなど実際はそれなりの揺れがあるにもかかわらず、映像ではかなりスムーズですよね。あと、その他の道も広い割に舗装の荒れも多く、細かい振動は常にあると言ってもいいレベルながら、映像ではかなりなめらかになっています。

ただ、この手ぶれ補正機能はソフトウェア的に処理するタイプのものですので、揺れていないように映像を調整しているんですよね。ですから周辺部をある程度切り取る必要があり、少々視野角が狭くなってしまいます。これは残念なところですが、仕方がないところでもあります。アクションカメラ本来の動きもっての撮影をするなら手ぶれ補正はマストでしょう。これは高級機でも同じことです。

ちなみに手ぶれ補正なしで車載動画を撮ってみたこともありますが、大きな揺れよりも細かい振動を映像が拾ってしまうため、ちょっと見てられない感じになってしまいましたw

色々書きましたが、本体1万円程度のアクションカメラだと思うと文句ないですね。充分だと思います。長年の愛機にするには弱すぎるけど、まずは安めのカメラで試してみたいというニーズなら良いチョイスだと思います。

使い勝手は?

基本性能も大切ですが、いかに手軽に、気軽に使えるかというのも、飽きずに続けるためには重要な要素です。

使い勝手が良いポイント

  1. バックスクリーンがタッチ操作可能
  2. スマホアプリでデータ転送や本体の操作、データ再生ができる
  3. Wi-Fiをオンにするのにサイドボタン長押しのみでOK
  4. USB-Cに対応になったので外部接続・充電の自由度が大きく広がった
  5. バッテリーがふたつついている
  6. 本体内でも、バッテリーケースでもどちらでも充電可能
  7. 付属のマウント類もちゃんと使えますw
  8. マウント類はGoPro規格なので別売り品で色んなタイプのものを使える

使い勝手が悪いポイント

  1. 前面にはモニターはついていない
  2. Wi-Fiの転送が遅い
  3. スマホ側のWi-Fi接続にひと手間かかる
  4. 本体モニターでの再生時、送り・戻しなどの操作ができない
  5. バッテリーの入れ替えにモタつくと、日付設定がクリアされる

1.は必須だとは言いませんが、タッチ操作可能だとやはり快適ですね。それほどスムーズではありませんが、値段を考えるとあるだけで合格です。また、以下の画像の通り、ちゃんと日本語ですからご安心くださいw

2,3はスマホアプリ関連のことになりますが、まあアプリがあってデータのやり取りだけではなく、スマホ側でカメラが捉えている映像をリアルタイムに見ることができるのも良い点ですね。アクションカメラは身体に装着したりして、普通にモニターをのぞき込めない状況で撮影することが多いですから、アングルをスマホから確認できるというのは実は大きなメリットなのです。

ただ、B、Cのことがあるので使い勝手的にはひと手間かかる、というイメージは拭えません。また、Bのように転送速度が遅いので、長めの動画を撮ったときは本来本体側で中身を確認したいものなのですが、本体側では再生と停止しかできないのでちょっとこれは使い勝手が悪いです。もっともスマホアプリ側で転送(ダウンロード)せずに、本体内の動画を再生することができます。それなら場面送り・戻しなどもできますが、リアルタイムでWi-Fiでデータをやり取りするためラグが気になります。

前面のモニターはこの価格でついている方がおかしいレベルなので文句はありませんが、自撮りメインの方だとこれの有無でだいぶん使い勝手が変わってくると思います。

5にあるように、バッテリーが標準でふたつ付属しています。これは嬉しいですね。特に車載動画のように長めの動画を撮るのなら、カメラを回している間にもうひとつのバッテリーを車内で充電できるというのは、安定した運用のために重要なポイントです。

あと、マウントがGoPro規格なのはもうアクションカメラ界の常識なので特筆することはありません。ワタシは既にマウント50点セットを入手いたしましたとも。これな? ↓

これ、今Amazonでの売値が3,000円少々なのですが、細かいマウントはもちろん、リストバンドタイプ、二輪車装着用、フロントガラスなどに装着できるもの、ミニ三脚、チェストマウント、自撮り棒などなど実用的なものが山盛りです。しかもキャリングケースまで付いてますぜ……。

山盛り過ぎてまだほとんど手つかずw

元々付いていたマウントだけでも結構事足りていたので、まだあまり使えていませんが、自撮り棒と写真真ん中らへんにある曲がった棒のようなヤツ、これだけはガンガン活用中です。

自撮り棒は別に自撮りをするわけではなくて、伸ばした棒の先にカメラをつけておくと、高い位置からの撮影や逆に地面を這うような撮影なども思いのまま。想像以上に便利です。もちろん同じようなことはスマホでも可能ですが、結構重量もありますし、どこかにぶつけたら一発アウトですからねぇ。ぐるんぐるん振り回しながらの撮影をする気になれませんので、これはアクションカメラを買って良かったところです。

で、もうひとつ曲がった棒のようなヤツですが、これはもともとはヘルメットの上から前方に伸ばすような用途で使うマウントですが、これを車載動画を録るための固定マウントに加えました。

「もう少しカメラを前に出したい」と感じていましたが、これで解決です。上下にも動かせるようになったので、ベストの位置をより模索できそうです。

今回のまとめ

ほめたりけなしたり忙しい記事になりましたが……入門機としてなら自信を持ってオススメできます。もっと高い機種を悩んで悩んで買う時期を遅らせるくらいなら、さっさとこのくらいの機種を買って色々試してみるべきです。

特筆すべきは、これだけ安価にもかかわらず大したセールスポイントにもならない使い勝手の部分もかなり充実していることです。タッチパネルだったり、バッテリー二個だったり、USBがMicroからType-Cにバージョンアップしたり、実際に使う上で使いやすいように、真面目にこだわって造られているように思います。

あと、以前の記事でも書きましたが、日本語対応もしっかりしていてマニュアルもファームウェアバージョンごとにちゃんと日本語版がありますし、サポート対応も日本語でOKです。(日本語ネイティブが対応する部門と、翻訳で対応する部門がある感じ)

実は一度、付属のマウントで多少の「反り(変形)」が気になるものがあったので、メールで連絡したのですが、迅速な対応で交換していただけました。(有無を言わせずさっさと交換品を送ってきて下さいましたw 不良品の返送は求められませんでした)

そんなわけで、ワタシはメーカーとしてもAKASOがお気に入りです。このまま飽きなかったらまた買い換えるでしょうが、その時もAKASOの上位機種にしようかなって思っています。

さあ、みなさんも車載動画、始めてみませんか?

それではまた。

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