CX-3と往く巡礼の旅 その3 - 洛陽二十七番 平等寺(因幡堂)

どうもこんにちは。

今回もCX-3で向かってい……ません!

今回も洛陽三十三所、京都市内中心部ですのでワタシ的には職場から歩いた方が早いのです。

でも、今回の平等寺さんは、大通りからほんの少し大通りから入ってゆくのですが、普通に歩く通りから微妙に隠れていて知らない人は知らなかったり、毎日のようにすぐ近くを歩いていても行ったことはないという人が意外と多いような気がします。いや、有名ではあるのですけど……絶妙に隠れていると言いますか……。まあ、またそれは後述。

とてもステキなお寺さんでしたよ!

平等寺ってこんなお寺さん

その他公式サイト記載の参加霊場

  • 日本三如来
  • 京都十三佛霊場 第七番札所
  • 京都十二薬師霊場 第一番札所

平等寺(びょうどうじ)は、京都市下京区因幡堂町にある真言宗智山派の寺院。山号は福聚山。本尊は薬師如来。因幡堂、因幡薬師の名で親しまれている。観音堂(本尊・十一面観音)は洛陽三十三所観音霊場第27番札所。

Wikipedia contributors. (2023, September 23). 平等寺 (京都市下京区). In Wikipedia. Retrieved 23:07, April 21, 2024

天竺(インド)から漂着したと伝わる薬師如来像を御本尊とし、長保5年(1003年)の創建から1000年以上の歴史を重ねてきたお寺です。この薬師如来像は、長野善光寺の阿弥陀如来、京都嵯峨清涼寺の釈迦如来と並んで日本三如来のひとつとされています。

また、六角堂と同じく町堂(辻堂 / 町民達の憩いの場的なもの)として町衆の信仰を集めてきた、とても親しみ深いお寺さんです。

詳しくは以下のサイトをご覧ください

ロケーション&CX-3的オススメ度

住所 : 京都市下京区松原通烏丸東入る上る因幡堂町728
(下の地図の27番です。拡大してご覧ください。左上のでインデックスが表示されます)

CX-3で訪問オススメ指数 : 50%

洛陽三十三所第一番札所である六角堂と同じく、京都屈指のビジネス街の大通り近くにありますので、単発で伺うならクルマでも良いかもしれませんが、基本的に公共交通機関の方が便利です。専用駐車場はなく、コインパーキングも高い地域ですし。

公共交通機関を使うなら

もし公共交通機関で訪問されるなら、上の地図上の六角堂から仲源寺へ至る徒歩ルートの始めに平等寺を追加してしまっても良いでしょう。ちなみに平等寺から六角堂までは徒歩15分程度です。

ちなみに公共交通機関を使う場合、阪急京都線の烏丸駅、およびJR京都駅から乗換えることができる地下鉄烏丸線の四条駅(烏丸駅と連絡しています)が便利でしょう。

市バスなら「四条烏丸」とか「烏丸五条」あたりを通る路線を。直近の停留所は「烏丸松原」ですが、そこにこだわると路線が少なくなります。上記ふたつの停留所からでも歩いて10分かかりませんし。

もしタクシーに乗るなら、基本的にお寺の名前で大丈夫だと思いますが、運転手さんに「烏丸高辻(からすまたかつじ)に行ってちょうだい」と伝えればOKです。

訪問記

異次元の存在感の謎

平等寺は烏丸高辻、もしくは烏丸松原から徒歩1分程度の場所にあるにもかかわらず、いわゆる「碁盤の目」を形作るどの通りからも少し入らないといけないロケーションにありますので、大通り沿いにのぼりは出されているものの、イメージとしては隠れ家的スポットのような感じがします。

ええ、ワタシもこんなところに有名なお寺があるとは知りませんでした。数限りなく大通りに出されたのぼりは目にしているはずなんですけどね。

そんなロケーションですから、いかにも大通りから入った路地裏にひっそりと……というイメージを持って伺ったのですが、ずいぶん印象が違いました。

位置的には路地裏と呼んでも差し支えないはずなのですが、なぜかムダに広々としていますw

ムダに広い平等寺前

広場の中にお寺があるような印象ですね。びっしり建物が並ぶこの地域で、町がどう変わろうがオレはこの場所から一歩も動かんしな? といわんばかりの存在感です。

その妙な存在感の正体はお寺と京都の歴史をひもとくことで、自分なりにしっくりきました。

まず、このお寺は創建1,000年以上とうたっていますが、そういうお寺って結構多いです。もちろんそれらがウソということではないのですが、よく調べてみるとその長い歴史の中で場所を移しているケースが多いことがわかります。(むしろその方が普通かな?)その点平等寺は少将・橘行平が烏丸高辻の自分の屋敷に薬師像を祀ったのが起源とされており、それ以来ずっとこの場所で1,000年の時を経てきたということです。(建物などは当時のものではないでしょうけど)

街中のお寺ならある程度町並みの変化に合わせて位置をずらしたり移転させられたりして変わってゆくことも多いと思いますが、このお寺のどの大通りからも離れている路地裏にある広場のようなスペースをみていると、なんだかそういう時代の流れを超越してこの地に在り続けているような、そんな錯覚を覚えたのでした。これがワタシの感じた存在感の正体であるような気がします。

でもこういう話なら……特に京都ならありふれた話じゃないの? と思われそうですが、実はそうでもありません。

都としての長い歴史の中で、何度も焼けたり壊れたりであっちこっちに移転しまくるというのは普通の話ですし、平安京では当時、新たな寺院の建立が禁止されていたようで、平安遷都以来、官寺の東寺・西寺以外の民間の寺院建立はできなかったということです。(その規制が緩んだのがいつ頃かは知りません)

ただし貴族による持仏堂(日常的に信仰する仏像などを祀るお堂)や六角堂のような町堂は例外的に認められたということで、平等寺はその起源からも持仏堂として創建され、その後町堂として栄えてきた珍しい存在なのだと思います。

このようにそもそも移転なんて当たり前ということと、京都の中心部ではそもそも実はお寺が少ないということから、なかなかこのあたりでこういう「平安の昔からこの場所はオレのもんだからな?」という雰囲気を持ったお寺さんって思い浮かばないのでしょうねぇ……。

Googleマップで平安京中心部あたりでお寺を探してみても、やっぱりほとんど見当たりません。(……知らんかった)あったと思ったら鎌倉・室町以降のものだったりします。東西本願寺もこの地に来たのは豊臣秀吉の時代らしいですね。また清水寺など有名な古いお寺は、大概平安京の外なのです。

以上は自分なりに調べた上での結論ですが、勝手な妄想を多分に含んでおりますので、信用しないように!

そんな1,000年の歴史を持つ由緒正しき平等寺ですが、一歩足を踏み入れると……そこは楽しいワンダーランドでした。

ガン封じのお寺として有名ですが、無病(六猫)御守​という猫の御守りをはじめとした動物御守りでもなぜか有名です。「なぜか」とは書きましたが、猫の御守りが作られたのにはちゃんとした理由があるのです。

境内にはそんなかわいらしい御守りが並ぶ、にぎやかな雰囲気の売店、境内には馬頭観音像や閻魔天をはじめとして色んな仏像達が所狭しと鎮座しています。そんな境内は地元の人、観光客が入り交じって縁日のよう。町堂として長らく民衆の憩いの場として在り続けてきただけのことはあります。そういう空気感ができあがっているのです。

でもその空気感が現代に伝わっているのは、やはりお寺の方の努力や創意工夫あってのものなのでしょう。そうでなかったら、単なる古くて由緒正しい寺院になってしまっていたのかもしれません。

毎月8日に境内で行われている手作り市も、戦後急速に失われていった賑やかさを取り戻そうと企画されたものだそうで、もう20年以上続いているとのことですよ。

とてもステキなお寺さんでした。また手作り市の日にでもお参りしたいと思います!

御朱印

上述の通り、御本尊は薬師如来像ですので、洛陽三十三所巡拝の場合は観音堂へのお参りもすませてから御朱印をいただきましょうね。

洛陽三十三所第二十七番札所 平等寺 因幡堂 御朱印
洛陽三十三所第二十七番札所 平等寺 因幡堂 御朱印

さいごに

まあ、ステキなお寺だということは充分伝わったと思いますのでそれは置いといて。

以前にも書いたのですが、ワタシは結構寺社巡りは好きなのですが、旅行先でなければ、たまたま見つけたところに突撃するのが好きなので、どうしてもパッと目に付かないメジャーどころは行きそびれている(というか知らないままになってる)ことが多いのです。

この平等寺さんも同じで、毎日……というほどではありませんが、毎週のようにすぐそばを歩いたりクルマで通り過ぎたりしていましたが……知りませんでした。

洛陽三十三所は京都市内ばかりですから、場所的にはどこもよく知っているはずなのに半分くらいは知らなかったお寺さんですし、行ったことがあるお寺は三分の一くらいです。(しかもその三分の一のうち五カ所は清水寺内だという反則技)

確かに、この洛陽三十三所は京都市でも比較的中心地と言える場所場所ばかりで、観音霊場を33カ所並べていますので、有名どころではないお寺も多いように思います。でも、知らないからこそ参拝と合わせてその歴史などを辿ると意外なことがわかったりするもの楽しいですね。

今回も、平安京内に平安遷都の頃から続くお寺なんてほとんどないなんて、全く知りませんでしたから、個人的には大発見です。(ちょっと歴史に詳しければ常識レベルですよね。わかってるってばw)

このまま続けていくと、三十三所を満願する頃には「京都検定を受けよう!」とか言い出してるかもしれません。そんな人生の広がりもCX-3との出会いあってこそ。スゴいぞCX-3。……今回も徒歩だけどね。

それではまた。

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