こんにちは、営業部長兼製本係長のFLIPPYです。
さて、本屋の再開準備を進めている最近ですが、せっかくなら過去作品の改訂もやってから製本作業を再開しようとのんびり作業をしております。
しかし一度ついたサボり癖は簡単に抜けるものではなく、どうしたものかと思案しておりましたところ、目に飛び込んできたのは「第21回倭国大行商 in Britain」のニュースでした。
ちょうど他鯖への出店を目論んでいたところでしたが、サボり癖を矯正するにはやはり期限のあるマーケットへの行商参加ではなかろうかと思い、行商参加の準備を始めました。(当日の朝に……)
ずいぶんと古い作品になってしまいますが、やはりLicht&FLIP BOOKSHOPといえば、探偵Lichtシリーズですのでまずは第一巻からの販売とすることに決定。早速倭国用の原版作成に取りかかります。表記ミスや気に入らない表現を最低限修正して原版を作成。まえがきやあとがきなどにも倭国向けの内容を追記します。
それにしても、愛にはあふれているものの、やはり古い作品です。Naominの処女作ですから、今読み返すと、読みにくいこと読みにくいこと……。いっそのこと彼女に全編書き直しのオーダーを出そうかと思いましたが、まあ稚拙なのも歴史ですし、そもそもそんなこと始めたらいつまでたってもお店の本格再開が出来なくなりそうなので、今回は見送りました。
倭国のFLIPPYはまだ書写も見習い段階で、製本用の100Pガゴ本の製作にも苦労する有様だったり、インク定着用の赤い葉っぱがまったくなくて途方に暮れたりと、かなりてんやわんやの製本作業となりましたが……いやぁ、なかなか楽しい。
やはりワタシは本屋さんなのだと改めて実感。
そして夜になり、ギリギリで会場に作品を搬入、ついに倭国大行商が始まりました!
ワタシの桜での行商スタイルと言えば、マーケットの喧噪から少し離れた場所でひっそりと開く「ひみつショップ」ですが、出だしの人通りがそれほど多くなかったことと、倭国本格出店の足がかりの場であることを考慮し、ほんの少し中央から離れた場所で素直に開店することにするという何とも弱気なスタートとなりました。
さあ、お客さん……来るかな?
キター!
第一号のお客様!?
「おいくらですか?」
「3000gpです」
「高い……」
「ごめんなさい」
とてもとても買ってほしかったのですが、桜でも決して割引販売をしなかったことを思いだし、泣く泣くお見送り。
まあ、分量があるとは言え、高いのは昔からわかっています。でも、この価格で勝負できなければ、本屋としての生活が立ちゆかないことも桜での経験からわかっていること。そう、ワタシは製本係長兼営業部長。利潤を追求しなくてはならないのです。
そうして悲壮な覚悟を固めたその時、次のお客様が。
「推理小説?」
「はいそうです」
「本格?」
「……だったらいいなぁというレベルです」
「ふぅん……で、おいくらですか?」
「……3000gpです……スミマセン」
二連敗の予感。
「分量は?」
……!
そうだ。
うちの本は(質はともかく)量では自信を持って3000gpいただける商品じゃないか! ワタシは胸を張って答えます。
「本編は100ページガゴ本3冊になります!」
緊張の一瞬が過ぎ。
「じゃあ、いただきます」
こうして、倭国での最初のお客様に無事商品を手渡すことが出来ました。やはり嬉しいものですね。
それが呼び水になったのでしょう。お客様が列をなして下さいます。多めに準備した在庫も残りわずか。大繁盛です!
ワタシが市民として在籍する、ニューマジンシアのぽん太郎首長もその本来のおタヌキ姿で並んで下さいます! これからも市民として貢献いたしますよ!
そして大行商も終わりが近付く頃……怪しげな本が会場にばらまかれました。
この本にはこうも書いてありました。
「銀行北の絵画工房地下に集結せよ」
これは本屋として、潜入取材しないわけには参りません。早速檄文に指定されている場所へ向かいます。
そして……
―――――一部報道規制―――――
気がついた時には、ワタシは閉会式の会場で……。
なぜか倭国新党なる怪しげな組織の一員として、閉会式に殴り込みをかけていたのでした……。
評議会の面々のやり方に異を唱え、倭国の隆盛のため「なにか」を起こそうとしているらしいこの団体。これからもイベントなどで賛同者を募ってしてゆくようで、目が離せません。
こんなアクシデントもありつつ盛りだくさんだった倭国大行商、運営、出店、ご参加の皆さま、おつかれさま&ありがとうございました!
ワタシFLIPPYもこれをきっかけに本屋さん活動を加速してゆきたいと思います!
p.s.
その後、メゾンタヌジェラ第五回コンテスト「ヴェスパーゆるキャラコンテスト」開会式にお邪魔しました。
毎回のことですが、すごい出来映えです。
ここではあえて詳しくは触れませんが、ぜひとも皆さま直接ご覧になって、投票を!
某G首長さまの作品には、BPAでこれほど笑ったことがないと言うくらい大笑いさせられたことは、ここだけの話です。
うーん。
倭国、ステキです。
Licht&FLIP BOOKSHOP 店長
営業部長兼製本係長
FLIPPY