2025年8月 MAZDA CX-3の現在地 - モデルチェンジ展望編

どうもこんにちは。

モデル末期といわれて久しい我らがCX-3の現状と今後の展望を整理・分析するシリーズ第二回です。

第一回は以下の記事をご覧ください。

今回は次第に現実味を帯びてきたCX-3フルモデルチェンジの現状やそれを取り巻く噂などを整理、分析したいと思います。

まず、これまでの当サイト上のモデルチェンジ関連の記事をまとめておきます。当サイトでは2023年あたりからモデルチェンジの噂を取り上げつつ独自の考察も進めて参りました。

とまあこんな感じですが、当初はほとんど妄想です。ディーラーの担当さんにも「CX-3モデルチェンジ? ないですよwww」と一笑に付された悲しい思い出が……。そう考えると妄想から希望、そして具体的な予想へと、ずいぶん進歩したものです。そんなわけで、現時点でどのくらい現実的な話になってきているのか、というお話です。

そもそもホントにフルモデルチェンジされるの?

早速残念なお知らせですが、「CX-3をフルモデルチェンジする」とは誰も言っていません。

なのに最近、現状国内外問わずNEW CX-3のニュースが多く見られるようになってきました。なぜか。

ニュースソース

今年に入ってから下のふたつのニュースがあったのが決定的なきっかけですね。

マツダの毛籠勝弘社長は6日、広島市内で年頭会見し、2025年を「持続可能な未来へ、変革を加速させる年」と位置づけた。次期スポーツ多目的車(SUV)「CX―5」の世界市場への導入を見据えるほか、日本・アジア向け新型小型SUVの開発に取り組む。

マツダがこれまでタイで培ってきた現地サプライチェーンの強みを生かし、50億バーツを投資して、タイの生産拠点であるオートアライアンス(タイランド)Co., Ltd.を年間10万台の新型小型SUV生産ハブとして整備することを発表しました。

上記記事より一部抜粋 ①

おお、「新型小型SUV」ですよ! さらに……

加えて2025年から2027年にかけて、バッテリーEV 2車種、プラグインハイブリッドモデル 1車種、ハイブリッドモデル2車種の計5車種を導入する計画とし、電動化が進展するタイにおいて、より多くのお客さまに選んでいただけるよう、電動化商品ラインアップを拡充していきます。

上記記事より一部抜粋 ②

で、この発表で映し出されたのが以下の映像です。

向かって右から2番目に注目だ!

とりあえず細かいところは省きますが、上の画像の向かって右から2番目、すなわち2027年に投入されるHEVが「新型小型SUV」だとみられています。ちなみにHEVとはHybrid Electric Vehicle、要するにハイブリッド車です。

これは本当にCX-3の後継車なの?

なるほど。「2027年に新型小型SUV」がリリースされる予定であることは確かなようです。でもこれってホントにCX-3の後継車なんでしょうか? なんならCX-30だって小型SUVですしね。

ただ、開発されるのが「日本・アジア向け新型小型SUV」となっていることから、ワタシはCX-30がらみではなく、現状アジア・オセアニア向け車種となっているCX-3の後継車であると考えます。CX-30の後継車を出すのに「日本・アジア向け」に開発するとは言わないですよね。

また、前回の記事でも書いたとおり、CX-3はアジア・オセアニア市場で好調です。特にオーストラリアでは今も最も売れているコンパクトSUVという地位を堅守しており、台数的にも日本よりも売れています。世界戦略車ならともかく、アジア・オセアニア向けでリリースするのにこのシェアを捨てるのは単純にもったいないですね。

というわけで、以下は新型小型SUVがCX-3の後継車であるという前提で、現状を分析してみましょう。(勝手に新型CX-3ということで書きます)

名前は? CX-3? それとも……?

名前についてはCX-20が有力視されていますね。まあ、新型のCXシリーズが二桁ナンバーになり、車格順にすればCX-20になってもおかしくないのですが、個人的にはCX-3のままでも良いと思いますし、もっと革新的なネーミングでも良いと思っています。

エクステリアは?

上述のタイへの投資の記事で発表されたコンセプトアートを拡大すると……

AUTOLIFE THAILAND.TV記事より

最新の魂動デザインを継承してSUVらしい雰囲気を残しつつも、かなりスポーティ寄りなイメージですね。サイドウインドウの小ささはCX-3っぽいですw。

このスポーティさは全高を低く抑えたルーフとそこからつながるかなり傾斜がついたリアウインドウのイメージから生まれているように見えますが、このあたりも比べてみると現行CX-3と似ています。でもそれ以外のボディ側面やフロント部分などはむしろCX-5などの正統派SUV寄りであるようにも見えます。

現行CX-3と比較してみましょう

デザイン的に個人的には現行CX-3を踏襲していただけるのは嬉しいところですが、弱点としてよく指摘される荷室や後席の狭さを克服してくるのかどうか。ワタシはこの点が新型CX-3のデザインにとってとても重要なポイントになると思います。

このコンセプトアートのイメージを崩さずに荷室や後席のスペースを広げるならキャビンをもう少し前寄りに、つまりノーズを少し短くする必要があると思われますが、そうするとデザイン的な美しさを保つのはなかなか難しそうです。コンセプトアートの下の絵を見ると、現行車より心もちノーズが短く、その代わりにフロント部分の厚みを増して迫力を維持しているようにも感じられます。……個人的にCX-3にはそうなってほしくはないんですけどw

もっとも、全長をもう少し長くすれば良いのですが、そうするとCX-30との棲み分けがますます困難になります。マツダ公式のSUV比較ページを使ってCX-3とCX-30のサイズを視覚的に比較してみましょう。

ほぼ隠れている後ろの赤いヤツがCX-30

いかがでしょうか?

全長を伸ばすとほぼ同じサイズになってしまいますねw。やりたいことを全部詰め込もうとするなら大きくすれば良いのですが、そうすると他のSUVとの違いがより見えにくくもなりそう。

先日発表された新型CX-5は後室を含めたキャビンの快適さなど、無難に正常進化した格好になっています。確かに一般ウケを優先するならこれは(特に日本では)大切なことではあります。そんな動きから考えると、新型CX-3もノーズを短くしたり全長を伸ばしたりしてそのあたりの弱点を修正してくることも十分に考えられますが、CX-5はマツダとして「絶対に失敗できない」車種だからそういう部分を最優先に持ってきたんじゃないかと個人的に思っていますし、サイズ的にも快適性とスタイルを両立できますからね。

もちろん、新型CX-3も売れなきゃいけないのですが、元々CX-3は居住性などが多少犠牲になることは承知の上で、その分カッコよさと美しさにこだわり抜いて造られたクルマです。そうすると新型を開発するにあたってはそのあたりの結果を受けて方向性を検討することになりそうです。素人ながらちょっと考えてみましょうか。

現行CX-3はカッコいいけど売れてない……というイメージがありますが、スタートダッシュに失敗しただけで堅実に売れてはいるんですよね。さらにアジア・オセアニア向けとして考えると、10年以上のモデルライフを経てなお好調な売り上げを上げているとも言えます。

そして日本でのスタートダッシュの失敗についても、どちらかというと要因は初期モデルの乗り心地の問題とディーゼルのみという攻めすぎた設定にあったように思います。広さ問題についても影響がなかったとは言いませんが、SUV=広いというイメージに引っ張られるままになってしまい、1人から2~3人向けのクルマだとはっきり打ち出さなかったマツダのミスだと思います。

このように考えてみると、新型CX-3を売る上で、プロポーションを犠牲にしてでも荷室や後室の広さを優先すべき……とまでは言えないような気がします。もちろん広いに越したことはないのですが、ちょっと広くなってカッコ悪くなったCX-3……ワタシなら買わないなぁw。

余談ですが、最近ホンダフィットに乗りまして改めて後席と荷室をしっかり眺めてみると……確かに広いwww。ワタシの用途だとCX-3でまったくOKですが、コンパクト車でこれだけ広いならCX-3が狭いといわれるのはわからなくもありません。でもやっぱりフィットには悪いけど寸胴で全くカッコよくないし、ときめかない。っていうか、居住性などの実用性に振ったクルマはいくらでもあるんだから、やっぱりCX-3はCX-3らしく、で良いんじゃないかなぁと思いました。

さて、国内外で多くの予想CGなどが出てきておりますね。予想CGは最近のマツダ車に似せたものだったり、タイで発表されたコンセプトアートを焼き直したりしたものだったりで、正直なところ、まだ信憑性どうこうという以前の話だと思いますので、しばらくは静観です。

個人的には機械式パーキングに入る今の車高は死守していただきたい! そうでないと困るのですっ!!

インテリアは?

これは全くワカリマセンね。

その代わり、気になるポイントははっきりしています。(欧州向け)CX-5で廃止されたコマンダースイッチ、やたらデカくなったディスプレイ、エアコン制御含めた物理スイッチ激減。コレです。

個別に考えるとどれもこれも不安に感じるところです。ディスプレイサイズについてはデカくなったら嬉しいという人も多そうですが、これは運転中の視線移動を少なくするためにできるだけ奥の方(ダッシュボード上)に配置しつつ、かつ視線を妨げないように高さを抑えた結果、現行新世代マツコネのような横長タイプになっているということを忘れてはいけません。(初代マツコネは横長ではありませんが、小型で視線を邪魔しない高さに抑えられていた点で同じです)

要するにモニターがデカくなったのが悪いのではなく、こういう哲学までガン無視しているのが気になるのですね。下の新型CX-5の画像をご覧ください。

新型CX-5

デカいモニターを置きつつ外を見る視線を邪魔しないようにモニターを手前に持ってくることで位置を下げているのがわかりますね。その分モニターを見る時、より前方から横、そして下方に視線が外れることになってしまうのは明らかです。

まあ、一般的なクルマからすると特に悪い位置ではないのですが、やっぱりマツダらしさがね……。

でも、現実的に考えると新型CX-3に関しては少なくとも国内向けで考えると普通に従来型の第2世代マツコネ搭載というのが順当なところではないでしょうか。そうするとコマンダースイッチもマツコネとの親和性の高さから残してくる可能性が高いと思われますし、さらにエアコンまわりの物理スイッチなどは、むしろ「無くせない」ことになりそうですね。

めでたしめでたし。

あと、インテリア全体の質感などはマツダですからあまり心配していません。ただし、室内の収納についてはもうちょいガンバレというのが実感ですので、もう少し工夫していただきたいところ。そして意外に影響が大きいのはエアコン吹き出し口の形状ですね。現在の形だとエアコンルーバー設置型のガジェットがかな~り使えない。収納が少ないだけにドリンクホルダーなどを気軽に設置できるかどうかは使い勝手の面で大きいと思います。

まあワタシ個人としては、今のがカッコよくて好きなのでそのままでもいいんですけど……公平により売れるCX-3を考えるとここは妥協してもいいかなと思いました。

パワートレインは?

気になるパワートレインですが、これは上の写真でもHEVとなっていますし、タイへの投資がタイの電動化推進の流れに乗っかったものであることからもHEVがメインになってくることは想像できます。その代わりにディーゼルが廃止になりそうというのが現時点における多くのメディアの共通認識になっているようです。

日本国内でのマツダディーゼルの人気の高さは周知の通りながらグローバルの流れを考えると無理はありません。日本が絶対的主戦場になる車種ならともかく、日本よりオーストラリアの方がたくさん売れてるCX-3ですからねぇ……。あとは国内仕様としてディーゼルという選択肢を追加してくれることに期待するしかありませんが、小型車向けのディーゼルを整理縮小する方向だと明言しているマツダですので……どうなりますか。

さて、タイへの投資との関連を考えてみましょう。今回のニュースはタイにおいて自動車など一部製品にかけられる物品税というものがあるのですが、一定の基準をクリアした場合これが軽減されるという制度が始まり、マツダがそれに乗っかるべく50億バーツの投資を決定したという流れです。この制度について詳しくは以下の記事をご覧ください。

で、実際に造ったクルマの物品税を下げてもらうためには、そのクルマ自体の二酸化炭素(CO2)排出量が一定以下でないといけませんが、(電動化推進の施策ですから当然ですが)現行CX-3の数字で見てみるとガソリン車、ディーゼルともに無理。ですからHEV化してこの基準をクリアするということなのでしょう。

ただ、気になるのは現在ハイブリッド車として販売されているCX-30 e-SKYACTIV GのCO2排出量はWLTCモードで143g/km(2WD)です。この物品税引き下げのメリットを享受するためにはこれが120g以下である必要がありますので、単純に新型CX-3にこれを載せて基準をクリアできるのかということ。

もちろん車両重量が現行のCX-3が1,210kgであるところ、CX-30は1,420kgと200kgほども違いますし、排気量もCX-3は1.5リッターに対してCX-30は2.0リッターですから、排気量を据え置いて重量を現行レベルにキープすればなんとかなるのかもしれません。(例 : MAZDA2はCX-3と同じエンジンで、重量が200kg程度軽く、CO2排出量は114g/kg)しかし、例えば現行のCX-3に同様のシステムを載せればバッテリーやモーターの分重量は増えそうですし、そうなると1.5リッターでは弱いかもしれません……ってことを言い始めるとCX-30と同じになってしまいます。このあたりどう調整してくるのか、もしくはよりストロングハイブリッド寄りのシステムを搭載するのか。正直なところ、このあたりの知識がないワタシには説得力のある予想は難しいです。

ちなみに、タイにおいて優遇を受けるからといってガソリン車を造ってはいけないということではありませんから、SUVエントリーモデルであることから考えると価格を抑えられるガソリン車の設定はあるのかもしれません。

これは実際に減税の影響でHEVの価格をどの程度抑えられるのかによっても方向性が変わりそうですが、この減税も恒久的なものではないですし、予想が難しいところです。素人としては、HEVは仕方ないけど、運転する楽しさを損なわないようにお願いしたいものです。

なお、SKYACTIV-Zはまず2027年以降にCX-5に搭載してから方向性が定まることですから、新型CX-3への搭載はないでしょう。あと、ロータリーEV搭載という予想も相変わらず多いようですが……まあ、載せてもいいけど、売れないんじゃ……。そもそもタイ工場で作れるのかな? なんといってもロータリーですからマツダの象徴として夢はあると思うんですが、夢しかないような……。

良いチャレンジだったとは思う、MX-30 R-EV

価格は?

ワカリマセン。

今の社会情勢から、現行車よりはアップすることは濃厚でしょう。ただしここでもCX-30の存在がモノをいうかもしれません。

現行CX-3は2,279,200円~です。(15S Touring SKYACTIV-G 2WD)

それに対してCX-30は2,662,000円~です。(20S i Selection )

パワートレインによって大きく変わるところですが、やはり最少SUVとして出すのであればベースグレードはCX-30よりは安く設定してくるのではないでしょうか? だってそうでないとCX-30が存在する中で出す意味があまりないような気がしますから。そして、それならやはりガソリン車を出さないと厳しいんじゃないでしょうか?

さいごに

ここまですべて妄想でお送りいたしました。ごめんごめん。

でも、公式もしくはそれに近いニュースリリースを元に、現行車種の状況やマーケット状況を踏まえて分析していますので、大まかな方向性としてはそれほど荒唐無稽なものではないと思っています。

ちなみにこの新型小型SUVは「タイ市場に2027年に投入」される予定となっていますので、発表は2026年~2027年。そうすると来年に入ったらある程度具体的な情報が出てきそうでもあります。そして日本でのリリースは2027年後半~2028年あたりでしょうか。前回の記事でも書きましたが、このくらいのタイムスケジュールなら早々の現行CX-3生産終了は考えにくいと思います。(オーストラリアマーケットをはじめとするアジア・オセアニア地域でのシェアとタイ工場の主力生産品であることを踏まえて)

そうするともう一回くらい特別仕様車のリリースがあってもおかしくないですよね。むしろそこでインパクトのあるモデルを出すことが出来れば新型CX-3への勢いづけにもなるように思いますし。

さあ、これからもCX-3から目が離せません!

引き続き情報に注視していこうと思います。

それではまた。

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