2023年 マツダCX-3の進化を見極めよう!

CX-3は初期型の発売が2015年と、結構長い年月が経過していることと、度重なる商品改良(マイナーチェンジ)がなされてきたということから、ネット上でよく目にする評価と現在の状況が大きく異なっていることも多いように感じています。

CX-3が購入候補にしっかり入ってしまえば、自ずと正しい情報にたどり着くでしょうが、その前の段階、大まかに候補車を探したり絞ったりしている段階ではこのような古い情報に惑わされて候補から外してしまうこともあり得ますので結構危険。

どんな車種でもリリースされた当時が一番取り上げられることには変わりありませんが、CX-3の場合、幾度となく商品改良を重ね、中身的には大幅に進化してきたにもかかわらず、所詮マイナーチェンジですからそれほど大きくは取り上げられず、改良前のネガティブな面がクローズアップされた古い情報が幅をきかせ続けてしまうという状況です。

CX-3の良さを多くの人に知ってほしいと思う反面、別に街中を走るCX-3がそんなに増えてほしいわけではなく、今くらいの方がレア感あっていいよねとも思っちゃうのですが……とりあえず、ネットでよく見るCX-3についての間違った(古い)情報を正していこうと思います。

進化・改善 CX-3

※ 以下、仕様については日本国内向けのみを対象にしています

CX-3にはディーゼルしかないの?

いいえ、発売当時はディーゼル1.5LのSKYACTIV-D 1.5のみでしたが、何度かの変更を経て、2023年5月現在はディーゼル1.8LのSKYACTIV-D 1.8とガソリン1.5LのSKYACTIV-G 1.5が設定されています。ガソリン車については当初2.0Lタイプが設定されましたが、現在では1.5Lのみとなっています。私が乗っているのがこれですが、パワーは全く問題なしですよ。

アームレストないの!?

あります。全車標準装備です。2018年の商品改良で電動パーキングブレーキが採されたことで、センターコンソールのデザインが一新され、アームレストも全車標準となりました。

内装ってデミオ(MAZDA2)なの?

確かにデザイン的には似ています。でも、上の項目で書いたセンターコンソール刷新により、かなり大きくMAZDA2と差別化されたように思います。また、デザイン的には似ていても実際乗り比べた時の質感は大きく異なりましたし、それでなくともMAZDA2の内装がコンパクトカー離れしているだけで、CX-3の内装は他社同等グレードと比べても充分上質なので、気にしなくてイイです。

15S Touring 内装
無駄はなく上質なCX-3インテリア

マツコネ(マツダコネクト)最悪なん?

いいえ、まったく。ナビの位置精度も申し分無しです。高速と一般道が併走している時なんかは間違えたりしますけど、仕方ないなと思えるレベルです。マツコネが全く使えない! というのはかなり初期のことで、現在は普通に使えるっていうか、便利です。センターコンソール上のコントローラーの操作感も優れていますし、画面タッチでの操作にも対応しているのが素晴らしいですね。

ただし、現在の新世代車に採用されている第2世代マツコネに変わったわけではなく、初代マツコネのままですので、起動時の遅さ(10秒そこそこ)など、確かに多少の古さは感じてしまいますね。

またあらためて取り上げますが、ナビは解像度やぱっと見の見た目で最新のものからは劣ってしまいますが、機能的にはしっかり使えますし、ヘッドアップディスプレイ(HUD)に進行方向やそこまでの距離がナビと連動して表示されるのが、思っていた以上に便利です。

また、CX-3はApple Car PlayやAndroid Autoも使えます。Google MapやiPhone純正マップ、YahooマップやYahooカーナビなど、気に入ったナビアプリを使えるので、純正のナビはいらないんじゃないかと買う前には思っていましたが、操作性やHUDとの連動機能を考えると断然純正ナビの方が使いやすいですね。

ディスプレイ7インチって小さくない?

現在は全車8インチにサイズアップしています。ナビなどの解像度が上がったわけではありませんが、単に大きくなって見やすくなりました。360度カメラやバックモニターもここで確認しますので、大きくなったのはよいことですね。

最近はカーナビやディスプレイオーディオのサイズがやたら大きくなって、それが売りになっていることも多いように思います。確かになんとなく先進的、未来的な感じがして目が引かれるのはわかるのですが、よく考えるとそんなデカい画面は不要です。よほど毎日のように見知らぬ土地を走りまくる人とか、リビング的機能を重視する人なら話は別ですが。

足回りが固くって乗り心地がワルいって聞いたんだけど……?

これは初期の頃から一般ユーザーのレビューなどで特によく言われたことですね。個人的な好みや感性に左右されることではありますが、少なくともワタシ自身の体感では、15S Touringの16インチホイールだと全く問題ありません。許容範囲とかいう微妙な話ではなく、街中・高速・多少舗装の荒れた山道などそれなりの距離を乗りましたが、安定性、転回性、揺れ、振動など全く問題なくとても快適。固さについてもむしろもう少し固くてもスポーティでイイかもね、と思ってしまうくらいです。

個人的な好みはあるとしても、この感触が多くの人にクレームを付けられるものだとはとても思えません。恐らくですが、商品改良で相当良くなっているのではないでしょうか。初期にはなかった16インチホイールも乗り心地に貢献している面はあるでしょうけど、18インチ仕様のみのSuper Edgyのレビューなどを見ても、乗り心地の悪さに言及されているのをあまり見かけないですから、それだけではなさそうですね。

18インチは購入前の試乗でSuper Edgyに乗った時だけしか体感していないので自信を持っては言えませんが、特に乗り心地が悪くは感じませんでした。そう感じていたらCX-3買ってませんしね

この足回りなどの点においても、過去の商品改良において少なくとも以下の点で改良されたとのことです。


  • 前後ダンパーの内部構造およびフロントスタビライザーの構造の改良により、乗り心地を改善
  • 電動パワーステアリング制御の改良により、操舵初期の車両コントロール性を向上。コーナーでの操作性と直進時の安定性が向上
  • エンジンのトルク応答を緻密にコントロールする「DE精密過給制御」を行い、軽負荷領域においてアクセル操作に対するクルマの反応がよりダイレクトになるよう設定。人の思いにクルマが素直に反応する「人馬一体感」が更に向上
  • 「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」の第一弾「G-Vectoring Control」を全車に標準装備
    • ドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを緻密に変化させることで、横方向と前後方向の加速度を統合的にコントロールする技術。日常走行、高速走行、緊急回避時など、様々な走行シーンで制御効果を付加し、ドライバーへ運転の安心感を提供する。降雪、降雨時などの滑りやすい路面でより高い効果を発揮し、操縦安定性を向上させる。また、乗員にかかる加速度の変化をより滑らかにつなぐことで、体の揺れが減り、乗り心地も改善。
  • 操縦安定性・乗り心地の向上
    サスペンション、電動パワーステアリングのチューニングにより、基本性能を高め、質感の高いハンドリングと乗り心地を実現
  • 人間が本来持っている能力を最大限に活かす「次世代車両構造技術(SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE)」の一部を取り入れ、フロントダンパーやフロントスタビライザー、コイルスプリングの改良とともに、「G-ベクタリングコントロール」制御、電動パワーステアリング制御の最適化などの繊細なチューニングを施し、車両の姿勢変化をさらに滑らかにすることで、ドライバーがより安心して思った通りに操縦できる、意のままの操縦性能を追求
  • サスペンションの応答性の向上にあわせて、タイヤの地面に接地するトレッド部分の構造とゴム部材の最適化とともに、サイドウォール部分の縦バネ剛性も最適化した新開発の18インチタイヤを採用することで、路面からのさまざまな衝撃を柔軟に吸収。路面の継ぎ目を乗り越える際の衝撃や乗り越えた後の振動も大幅に低減させることで、乗り心地の向上を実現

以上は2015年、2016年、2018年での改良点の一部ですが、足回り、乗り心地関連だけでこれだけ改良されてきたようです。その後2020年、2021年にも商品改良が行われていますが、足回り関連の改良は特にアナウンスされていませんから、おそらく上記の改良をもって弱点は潰し終えた……だけではなく、求めてきたものをある程度達成できたのではないかと思われます。

18インチタイプに関しても、車本体自体がこれだけ改良を重ねられた上に、タイヤ自体も新開発されたとのことですからかなり良くなっているのではないでしょうか? 興味のある方はぜひ試乗を!

ここでは詳しくは書きませんが、16インチのワタシの車、乗り心地とかコーナリングとか高速直進性とか最高ですよ。本当に運転が楽しいです!

クルーズコントロール(MRCC)は全車速対応じゃないの?

だいじょうぶ。全車速対応ですよ。ちゃんと前車に追従して停車までいけますよ。

ただし、マニュアル車は30km以上のみ対応タイプになります。(まあ、操作なしで停車するならマニュアル車じゃないよねw)

あと、選ぶ人がいるとは思えないのですが、一番安い15S、XDグレードはクルコンは追加できません。ややこしいですが、現在通常グレードとしてメインで販売されているのは「15S Touring」と「XD Touring」です。下の項目をご覧くださいね。

通常グレードのガソリン車(15S Touring)にはクルーズコントロール付けられないの?

上で書いたとおり、現在通常グレードとしてメインで販売されているのは「15S Touring(ガソリン)」と「XD Touring(ディーゼル)」ですが、クルコンは全車速対応のものを付けることが出来ます。(マニュアル車は30キロ以上のみ対応)

実はこの点が、ネット上で出回っている古い情報の中でも最もやっかいなものだと思っています。

1.5Lのガソリン車が発売された当時、リーズナブルな値段のガソリン車が出たということでそれなりに好意的に迎えられ、試乗レポートなども結構見つけることが出来ます。ところが、その多くのレポートで、クルコンがオプションでも付けられないのが大きな残念ポイントとして取り上げられていたのです。

このあたりの経緯はワタシは正確に知らないのですが、複数の信頼度の高い方々がそう発信されているのですから、当初はそうだったのでしょう。1.5L発売当時は同じガソリン車でも2.0Lタイプもありましたし、廉価版的な扱いで差別化を図ったのかも知れませんね。

でも、日産を筆頭に最近は自動運転的なものがCMでも前面に押し出されることが多くなり、そうなると普通の購買層(変にクルマニアではない人たちね)はそういうものに憧れてしまいますから、それが付けられないというところで「じゃあこれは候補からハズそう」ってこともあると思うのです。

いかがでしょうか?

ひとつのモデルの車をとことん熟成させようというマツダの姿勢は、時にはマイナーチェンジ前に買ったユーザーの不興を買うこともあるようです。まあ正直、気持ちはわかります。

でも、次から次へと新モデルを追加してゆくわけには行かない中堅メーカーとしては、一度世に出した車を出しっぱなしにせず、とことんブラッシュアップさせていくというのは、車に対しても、ユーザーに対しても最も真摯な向き合い方ではないでしょうか?

だからワタシは、その努力が少しでも正しく世間に伝わるようにしたかったのかもしれませんね。

ではまた。

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