MMORPG EVE Onlineの情報。初心者向け情報、プレイ日記やニュース、そして国家・人物・歴史・社会・文化・経済・物語などのバックストーリー翻訳。
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Saaren調査ファイル 04 – Fedo(フェド)

様々な文献を調査していると、この生物が意外とNew Edenにおいて存在感を放っていることに気づくことができる。そう、fedo(フェド)である。詳細は人類学大事典およびクロニクル書庫のフェドの項をご覧いただくといいだろうが、簡単に説明しておこう。

基本情報

fedo

Palpis星系発祥とみられるこの生物は、体長30~50センチほどの海綿状の非節足動物で、その動作は「うごめく」といった表現がふさわしい。図を見ていただければわかるとおり、決して愛玩用とは言えない外見である。

上述の通り、元々はPalpis星系第六惑星固有の種であり、New Edenに広く分布していたわけではないが、今や星団全域においてその姿を見ることができる。その過程には当然人間の介入があり、またそうなるには人間にとってそれだけの理由があったと言うことに他ならない。

それは、この雑食性の生物が人間にとってやっかいなバクテリアも含めたあらゆる廃棄物を処理(摂取)してくれることにある。しかも強靱な生命力と繁殖力を持つことから長期間にわたる宇宙航行にも問題なく対応できることから、かつて星団内で急速に勢力を拡大してしていたアマー帝国に特に重用され、アマー船と共に星団内に広まっていったものである。

ただし、この万能とも見えるフェドには大きな欠点がある。

臭いと寿命の短さだ。

フェドはなんでも食べる割に、その消化効率が非常に悪く、消化しきる前に摂取した物は大概腐敗し悪臭を放つのである。そして寿命が短いゆえに船内で繁殖を進める必要があり、本来船内清掃のためなら雄だけで事足りるところ、人間にとって不快なガスを発生させる雌も一緒に連れて行く必要がある。

このことがあるからだろう。これだけ便利な生物であるにもかかわらず、アマー船や一部のミンマター船意外ではあまり好んで使われてはいないようである。もし、これがすべての宇宙船に必須の物となっていたなら、私は恐らくカプセラにはなっていなかっただろう。

さて、フェド自体の説明は資料の方にも詳細があるからこのくらいにしておいて、私はこの奇妙な生物についての補足調査として発祥の地であるPalpisVIに向かうことにした。

位置情報

  • Devoidリージョン
    • Enkaコンステレーション
      • Palpis星系第6惑星

今まではガレンテ連邦内での調査ばかりだったが、今回の行き先はアマー帝国領内である。まだカプセラとして新米の私は今までガレンテ領内からでたことがない。カプセラとして長く宇宙を旅する人からするととんだ世間知らずに映るかも知れないが、地上で暮らす者とはこんなものだ。せいぜい観光船に乗って領土内の惑星へ旅行するのが関の山。

私はあくまでも研究者であり、戦闘員ではない。しかし、未知の宙域、しかも他国の領内へ向かうのだから何の装備もなしというわけにはいかない。ただ、いかんせん戦闘に関する技術は皆無に等しいため、トリスタンに積み込めるだけのドローンを載せることにした。

ついでに青リンゴ味クァフェ発売記念で配布されていたSkinで、少しドレスアップして私はBourynes星系にあるUoCを出発した。

14ジャンプ Palpisへの旅
14ジャンプ Palpisへの旅

予定ルートはローセキュリティ宙域を通過する14ジャンプだ。幸い直近の撃墜記録は見当たらないが、慎重にジャンプを重ねて行く。やがて宇宙(そら)の色が変わる。

アマーの色に
アマーの色にかわる

なんとか敵性の宇宙船と出会うことなくPalpis星系に到着。私は星系の分析に取りかかる。

赤色の成熟した恒星を周回する惑星は8個。目指すは第六惑星で8つの内の6番目だが下の図で見ていただければわかる通り、六番目とはいえ比較的恒星寄りの位置であり、だからこそ居住可能な環境を持つ惑星となったのだろう。

黄色が第6惑星の位置
黄色が第6惑星の位置

目的の惑星に向かう前に、少し寄り道をした。

資料によると破壊された大型船の残骸がこの宙域にあるとのこと。この宙域で唯一のランドマークと言える存在らしいのだが……しかし、現地に到着した私を待っていたのは、サンシャ国の海賊の編隊だった。まさかここで戦いになるとは想像していなかった私は対応が少し遅れる。みるみるうちにシールドは削られていくが、かろうじてドローンを全機出撃させ、マイクロワープドライブを起動し、自分自身は敵編隊をオービットする形で敵を攪乱する。

戦闘!

敵の照準はこちらに集中しているが、こちらの速度に翻弄され命中させることができないようだ。その間、ドローンは無傷のまま敵機を墜とし続ける。数刻後、ランドマークとして存在していた船の残骸にいくつかの新たな残骸が加わることとなった。

気を取り直して調査を開始しよう。

残骸は大型艦である。その周りにもいくつかの残骸が散らばっている。

Luminaire星系にあったような大規模な戦闘を思わせるものではなく、単艦で活動中に墜とされたとおぼしき船の残骸である。あたりに散らばるのはエンジンの残骸だったり、ステーション用と考えられる大型バッテリーだったりして、どれがこの宇宙船の装備で、どれが積荷だったのかは判別はできないが、その様子からは輸送船のようにも思われる。惑星資源、月資源が豊富で惑星上の鉱業も盛んであることから、工業用のものかも知れない。どちらにしてもあまり物々しい雰囲気は感じられず、この星系の辺境的なイメージを表しているように感じられる。

そして、私は第六惑星へと舵を切り、やがて惑星宙域へと到着したが、この惑星は実に19の衛星(月)を持っている。資料によれば交通量が非常に少ない宙域とのことだったが、この多くの衛星、と言うよりそこに眠る資源が呼び寄せたのだろう。多くのカプセラ・コーポレーションが進出しているようで、多くの衛星資源採掘用の施設やそれを加工する工場施設が設置されている。

もちろん四大勢力やその支配下のコーポレーション管轄のステーションは存在しないが、その枠にとらわれないカプセラたちの活動が宇宙の情勢を変えてゆくのだということを実感した。やはり文献だけではわからないこともある。私は自分の調査活動の意味を見いだしたような気がして、ささやかな満足感を覚えるのだった。

私は数多い月の中でも、独特な生命体(微生物)の存在が確認されていて、表面上にそのための研究施設があるというMoon3へ向かった……が、まさに今惑星資源の大規模採掘が行われている真っ最中だった。

第六惑星も近くに見えるこの月からは巨大な岩盤が剥ぎ取られ、採掘地点へと牽引されている。

研究施設は月の裏側にあるようだし、恐らくそれへの配慮はなされていると思われるが、それにしても実に印象的な光景である。人類の叡智と感動すべきか、それとも……。

この月の向こうに見えているのが目指す第六惑星。私は接近した。

Palpis星系第6惑星
Palpis星系第6惑星全景

半径7万キロを越えるこの雄大な惑星は4つの大陸を持つ。その中のArad大陸が最も多様な生態系を持つらしい。フェドは恐らくこの大陸の地下洞窟という環境で発生したものと考えられている。またこの惑星由来の生物として有名なのが「Balckfowl(黒鳥)」である。こちらはフェドとは違い、食用として重宝されているが、フェドと同じように星団中に輸出され、広まっている。

Palpis星系第6惑星近景
Palpis星系第6惑星近景

惑星地表に接近して調査したところ、緑豊かな自然と共に、広大な荒れ地、寒冷地など、多様な自然環境が同居しているのが見て取れる。

フェドの人類学的意義

さて、話をフェドに戻そう。

言うまでもなく私の調査は人類学的見地に基づいて行っているものである。生物学的にも興味が尽きないフェドであるが、人類学的に見てもやはり興味深い存在なのである。

先に書いたとおり、この生物はアマー帝国の星団進出に大きな役割を担った。実際宇宙船というものはこれ以上ないと言ってもいいほどの密閉空間であるから、長期間にわたる航行の場合は廃棄物の処理というのは大変に重要な問題である。現在の技術水準であれば必須とまでは言えないだろうが、以前であればフェドの存在というのはとても大きなものであったと想像できる。

アマー帝国というのは、ある意味選民意識を持つ、自らを高尚な者と理解している民族だ。その彼らが洞窟にうごめく、しかも腐臭をまき散らす生物を旅の道連れに選んだということは、その役割の大きさを物語るものだと言えるだろう。船内におけるフェドの世話はミンマター人などの奴隷に一任していたとしてもだ。

では、さらに技術が進んだ現在においては、フェドはすでにその役割を終えたのだろうか?

もしかすると、便利屋としてのフェドの価値は下がってきているのかも知れない。しかし、最近では社会においてある種のシンボル的地位を獲得していることは多くの人が認めるところだろう。多くの物語に登場し、ドールになり、ペット化され、フェド同士を戦わせる賭博が現れ、ついには食材としても扱われている。

fedo VS cat
from EVE chronicle “Hometown Heros”

一体フェドの何がこれほどまでに人を惹きつけるのだろうか?

NEW EDENの人類は故郷から切り離され、文明を失い、そこからまた文明を発展させるという辛苦に満ちた歴史をたどってきた。しかもその歴史は戦いの歴史と言っても過言ではなく、それは今も果てしなく続いている。人類は確かに高度に進化した生命体であるが、その叡智は常に自分以外の者との関係を調整するために費やされ、本当の意味で休まる時はない。

だからこそ、何も考えない、何も見ない、何も聞こえない、ただただ自分を惹きつける匂いに向かって欲望の赴くままに喰らい、繁殖を繰り返す、そんなフェドに人間はどこか憧れているのではないだろうか? もちろん、本当の意味でフェドになりたいと思う人はそういないだろう。しかし、生物としての本能がこんなフェドに対して原点回帰的な憧れを抱かせる、という考えはそれほど突飛なものだろうか?

ここに興味深い物語がある。これを皆さんに提供して今回の調査の締めくくりとしたい。

「Fedo Song」

第7調査班クロニクル書庫に新たに加えられた小編である。

この物語では、破滅へ向かう人間と、それを意に介さず摂取し、排泄し、繁殖を続けるフェドが描かれ、フェドによる人の浄化がアマーの宗教的儀式の一部として取り入れられている様が描かれている。

そこには私が言ったようなフェドに対する憧れが潜んでいるように思えてならない。


調査後記

私はこの宙域を去る前にもう一度第六惑星を眺める。

NEW EDENには似たような星は数え切れないほど存在している。しかし、フェド、黒鳥のように星団中に広まった生物が由来する惑星というのはあまり耳にしない。

特にフェドは、あの外見で、単なる人間の道具からシンボルにまでなったのだから大したものだ。もちろん「フェドがシンボルになった」のではなく「人間がフェドをシンボルにした」のだ。そこには人間の生物としての本能、そして複雑怪奇に進化した空想力・発想力という両極端なものの存在を確かに感じ取ることができた。

しかし、私は今のところ、この愛すべき生物と一緒に宇宙空間を旅するつもりはない。どれだけ理屈をこねて、観念的にフェドに憧れを抱いたところで、きっと悪臭が私を現実へと連れ戻してくれることだろう。

私は今夜、フェドの夢を見ないように祈りつつ、UoCへと船を進めるのだった。

「Quafe」のロゴをPalpisの陽光の中、輝かせつつ。

Quafe on Tristan
Quafe on Tristan

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