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Saaren調査ファイル 11 – Sarum Prime星系【その壱】

前回の調査はアマー帝国の首都星系であるアマー星系だった。

その調査後記に書いたとおり、続いて五大皇位継承家のお膝元の現地調査に向かうことにした。

そのはじめに選んだのはここ、Sarum Prime星系だ。この調査に先立って公開したNEW EDEN人類学大事典のこの文献をご覧いただくと、わかりやすいだろう。

というわけで、私は、愛機「UoC Research Shuttle」に乗り、アマー星系からわずか1ジャンプのSarum Primeへ向かった。

まずは星系図を大まかに確認してみよう。

Sarum Prime星系図
Sarum Prime星系図

赤色矮星に分類される太陽を中心に、7つの惑星が存在するが、星系図を見るとわかるとおり、第7惑星のみが極端に太陽から遠くに位置していることがわかる。今回は外側の惑星から調査をしてみようと考えた私は、その第7惑星へとワープした。

外惑星(第4~第7惑星)調査

Sarum Prime 第7惑星

Sarum Prime 第7惑星
Sarum Prime 第7惑星

事前情報からわかっていたことだが、ここは特に見るべきものない、荒地惑星だ。惑星からの産出物もたいしたことがない上に、先に述べた通り、軌道も他の惑星から極端に離れているため、星系内の経済活動の輪から完全に置いて行かれてしまったようだ。

惑星軌道上にHamaへ向かうスターゲートが設置されていて、ある程度の船は行き交っている。確認すると、Jita、Hek、Rensの各商都へ向かうとき、ハイセクのみを通る航路にするなら、このゲートを使うのが一般的のようだ。もっとも、Jitaへのハイセク航路は45ジャンプとかなり遠くなるし、最短コースをとるならどの商都へ向かうにもこのゲートを使う必要はなさそうで、交通の要衝というほどのこともなさそうだ。

Sarum Prime 第6惑星

次に向かったのは第6惑星。惑星分類的に最も人類の居住に適する温暖惑星だが、陸性と海洋性分類のボーダーあたりに位置する惑星のようで、陸地は少ない。

Sarum Prime 第6惑星
とくかく陸が少ない第6惑星

見ての通り、とにかく陸地が少ない惑星だ。ただし、画像だけではわからないが半径が67,310kmととても大きな惑星であり、漁業が盛んというのももっともな話だ。ちなみにこの星系のあとふたつの温暖惑星の半径は第3惑星で12,530km、第2惑星は7,470kmであり、比較すればいかに大きな惑星かおわかりいただけるだろう。

また、この惑星は、実に21の月を持つ。私は星系図をさらに拡大して第6惑星周辺をクローズアップする。これだけでひとつの星系図のようだと思った。

これは星系図ではない。惑星図だ
これは星系図ではない。惑星周辺図だ

月が多い惑星というのは他にもたくさんあるだろうが、温暖惑星では珍しいのではないだろうか? 大きな惑星に広がる豊かすぎる海、そしてこの多くの月たちが互いに作用し合って複雑な潮汐、そして海流を作り出す。温暖な気候と相まって、まさに海洋生物の宝庫となるのに最高の条件が整っているのだ。

しかし、人間というものに焦点を当てると、良いことばかりではなさそうだ。陸地が少ない惑星でサイズが大きいということは、陸地それぞれが、いわば絶海の孤島のようなものだと言うことができる。そうすると海産業に従事するために居住することはできても、全惑星的に社会的、文化的にコミュニティが自然発展してゆくことは困難だと考えられる。コミュニティというものは大小さまざまなそれが相互に関わり合って発展して行くものだから。

考えてみると、陸地の割合が少ないと言っても、これだけ大きな惑星なのだから陸地の面積自体はそれなりにあるはずだ。それでも他のふたつの温暖惑星に比べてはるかに少ない人口しかいないということは、私の仮説もあながち的外れではないのだろう。人間社会が自然に発展できる条件というのは、思いのほか厳しいものなのかもしれない。

そんなことを考えつつ、私はこの惑星の第7衛星軌道に乗るステーション「Sarum Family Assembly Plant」へと舵を切った。

Sarum Family Assembly Plant
Sarum Family Assembly Plant
Sarum Family Assembly Plant 近影
Sarum Family Assembly Plant 近影

Sarum家のステーションはすべてこの赤と金を基調としたカラーリングだ。金色はアマーの象徴的な色だとして、赤はどうだろうか。この組み合わせは格調高くも見えるし、好戦的な家風で知られるSarum家の象徴と考えると、血生臭く見えなくもない。

そんなことを考えながら、私は第5惑星へのワープを開始した。

Sarum Prime 第5惑星

Sarum Prime 第5惑星

嵐性惑星であり、年中分厚い雲に覆われ、その雲の下では乱れた気流が作り出す嵐が吹き荒れる世界だ。とにかく地表が見えない。所々で白く光る雷光が確認できる……いや、「所々で」というよりも、「あちこちで」という言葉の方が適切か? しかもそれが宇宙空間から確認できるということは、その規模の大きさは想像を絶するものと思われる。

しかも驚くべきは、この環境の中でさえ、人間が暮らす都市があるということだ。もっとも嵐から隔離するシールドで覆われているようだが。

あまり嵐性惑星を見慣れない皆さんのために、観測映像も掲載しておこう。嵐性惑星としては珍しい気候ではないが、そこに人が暮らしている様を想像すると、人間のたくましさ、と同時に際限の無い欲のようなものも感じられ、少し怖くなる私だ。

Sarum Prime V 観測映像

そして、私は外惑星最後の第4惑星へ向かう。

Sarum Prime 第4惑星

「小型の巨大ガス惑星」という少しわかりにくい分類の第4惑星だ。文献に書かれているとおり、局地付近のみがサーモンカラーに色づいている。

さあ、これで外惑星の調査は終了だ。思ったよりも時間がかかったので、今日はいったんSarum Family Assembly Plantステーションに入港して翼を休めることにしよう。


調査後記

Sarum Primeの現地調査一日目は、一見すると人類学の研究というより、天文学の研究なんじゃないかと思われるような内容になった気がする。でも、調査をする私の視線の先にはいつも人間がいる。

嵐渦巻く惑星、海が大半を占める惑星……どんな惑星でも、そこに人が住んでいる限り、その自然や地理的条件は人間の生き方に作用している。この調査ファイルを読む人に、私のそんな意図が伝われば良いのだけれど。

明日はいよいよ、内惑星帯の調査だ。ここからSarum家の首都星系としての色合いが濃くなってくることだろう。前女帝Jamyl 1世の伝説的な帰還の舞台に向かうと思うと、少し緊張する。明日の調査に全力を注げるよう、まずはそんなことは忘れてしっかりと眠ろう。

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