どうもこんにちは。
CX-3納車から一年が経過したワタシですが、納車当初からi-DMにはお世話になってきました。むしろi-DMと二人三脚のCX-3ライフだったと言っても過言ではない……ような気がするようなしないような。
CX-3を買うまではクルマの運転などとにかくゆっくり走れば安全だしそれでいいんでしょ? という程度以上にこだわったことがなかったワタシですが、それでもキャリアだけはそれなりに長いので、いわゆる「下手くそ」ではないと思っていました。実際走行中の事故を起こしたこともありませんしね。
だからCX-3を買ったときにi-DMの存在を知ったときも、大してトキメキませんでした。他のクルマでいわゆるエコランプみたいなのを経験した時も、特に何の面白さも感じませんでしたし。
でも、この一年、i-DMにはとてもお世話になりましたし、実際に運転が完全に変わりました。それに……なんと言っても「楽しい!」
そこで、i-DMの楽しみ方について、ワタシなりに説明してみようと思います。
まず今回は、i-DMの基本的な仕組みを再確認ですよ。
ただし!
一応i-DMというものの概略は説明しますが、あまりマニアックなことはスルーですし、i-DMの高スコアを極める方法でもありません。別にワタシ、極めてませんし。 ただ、すんなりとi-DMに馴染んで、マイペースにランクアップしていくコツとその楽しさをお伝えしたいだけですので、これからマツダ車に乗る方や、今まであんまり意識してなかったけどこれからちょっと意識してみようかな? という方にオススメです。
i-DMとは
全くi-DMを知らないとか、ちゃんと意識したことがないという方もいらっしゃると思いますので、まあ一応カンタンに説明いたしましょう。
まず、i-DMの正式名称は「インテリジェント・ドライブ・マスター」と言います。マツダによる説明はこう。
インテリジェント・ドライブ・マスター (i-DM) はマツダ車の「走る歓び」と「優れた環境安全性能」を十分に実感していただくためのドライビングサポートシステムです。乗員全員が車両との一体感を感じながら爽快なドライブを楽しめるようになる運転技量の習得/向上をサポートします。
上記はマニュアルなどに記載されているお客様向け文章です。では、開発当時のマツダ技報に書かれていた概略も確認してみましょう。
運転者も楽しく,同乗者にもやさしい運転ができ,更にはその結果が燃費向上につながるような運転技術の向上を支援するシステムを目指した。
このシステムは,アクセル/ブレーキ/ハンドルの運転操作により結果として生じる車の挙動を,車両が持っている車両速度及びハンドル舵角信号をもとに,乗車している人の体へ与える力を求める。その力を受ける乗車員の体の動きを,車両に搭載しているコンピュータ内で乗車員の体を仮想したバネマスモデルを使い,走行中の連続した体の動きを計算する。求められた体の動きから運転の特徴を独自に開発した評価指標により判定し,運転席前方のメータ内に装着した表示器で判定結果をリアルタイムで伝える。
更に,運転開始から運転途中までの,また運転終了後にはドライビングサイクル全体の総合判定結果を評価点として表示し,自分の運転結果を振り返ることができるようにしている。
このシステムを活用することにより,マツダ車を運転する多くのドライバが楽しく運転技術の向上ができることを期待し開発したものである。
インテリジェント ドライブ マスタ(i-DM)の概要 - マツダ技報2011年版(改行は管理人が追加)
両方ご覧いただいて、いかがでしょうか?
一応燃費向上も売り文句になってはいますが、「運転者が楽しめる」ドライブ技術の向上をサポートする機能ということですね。これだけ見ても「エコ運転のためにとにかくふんわりアクセルだ!」というものではないことが想像できますね。
こういう運転ができているのか、どのくらいできているのかをメーター部の三色のランプやマツコネのi-DMモニタでドライバーに伝えてくれるシステム。それがi-DM、というわけです
マツダが目指す楽しくて優しくて上手い運転って?
ではこの「運転者が楽しくて」「同乗者にも優しくて」「上手い」運転とはどのようなものなのでしょうか?
この点、i-DMは現在の運転状況をメーターのところで、緑、青、白に点灯するランプで知らせてくれるのですが、その意味を知れば自ずと理解できます。
- ブルー:しなやかな運転。適度な加速変化がありながら、なめらかな運転操作でクルマと乗員が一体となって動く、安定した運転。
- グリーン:やさしい運転。乗員の体の揺れが小さく、安定した走行で燃費の良い運転。
- ホワイト:体が揺れる運転。急な運転操作により、乗員の体の揺れが大きく、不安定な走行で燃費が良くない運転。
アクセル・ブレーキ・ハンドル操作から生まれる挙動が乗員の身体に与える影響を分析し、この三種類のランプの色で表しているというわけですね。上の項目をもう少しざっくり言うと……
- ブルー : 爽快! 楽しい!
- グリーン : 無難
- ホワイト : 荒い! このヘタクソ野郎!
ざっくり言い過ぎました。でもさすがにメーカーがお客さんに対してヘタクソとは言えないでしょうけど、白はそういうことですw
これをもう少し具体的に、ワタシが一年乗ってみて感じるイメージで言うとこうなります。
- ブルー : メリハリがありつつもスムーズ。しっかりアクセルやブレーキを踏んだり、素早くハンドルを切ってるのにとっても安定していて身体も変に振られない! まさに人馬一体!
- グリーン : ゆっくりふんわりなエコ運転や巡航中の安定状態は基本コレ。別に何の問題もないけど特に上手さも感じないよね、っていう感じ。
- ホワイト : 急発進や急ブレーキは基本コレ。そうでなくてもアクセルやブレーキの操作が粗いとコレ。コーナリングのハンドル操作のタイミングがマズくてもコレ。感覚的に失敗したと思ったときには、ほぼちゃんと白ランプが点灯してる。
要するに、乱暴な運転はNGだけど、ゆっくりなだけで面白みのない運転も評価してくれないということ。滑らかでスマートなのに楽しい。そんな運転を教えてくれるのがi-DMなのです!
燃費は良くなるん?
ちなみにマツダさんは、一応燃費向上とか書いてますけど、燃費向上だけならたぶんずっと緑ランプ状態が正解なんじゃないかな? まあ、白ランプ状態は燃費も悪いからダメだぞ? と言えますから、そういう意味では燃費向上に資する部分もあるでしょうけど、たぶんやっぱりそこは重視してないような気がします。
というか、マツダ技報でも緑ランプ状態が一番燃費がイイって証明されてました。今日まで知りませんでした。
下の図は「丁寧な運転(Mild、グリーン)」、「しなやかな運転(Smart、ブルー)」及び「荒い運転(Rough、ホワイト)」の状態でそれぞれ加速した場合の燃費の比較結果です。
Mild(グリーン)が一番燃費が良く、Smart(ブルー)がちょっと燃費が落ちて、Rough(ホワイト)が一番燃費が悪いという結果になっていますね。やっぱりブルーを目指すi-DMは燃費至上主義ではないということです。まあ、燃費向上にも効果ありって言えないと、開発のGOサインも出なかったかもしれませんしねw
いかがでしょうか?
とってもマツダらしいですよね。燃費にこだわるだけじゃ楽しくない。楽しく爽快に運転してこそ人馬一体! そんな時代に逆行するようなマツダが大好きです。これで興味がわいた人は、ぜひ実際に人馬一体なドライビングテクニックを体得すべく、i-DMに挑戦してみてくださいね。
i-DMの使い方
使い方といっても、特にすることはありません。スコアの確認の仕方や注意事項のみ書いておきます。
スコア確認
メーター内のランプで確認については上で述べたとおりです。
マツコネで確認するには以下のメニューからどうぞ。
i-DMの画面は二種類切替ができます。
個人的には下部に円グラフで「今回の運転傾向」を表示してくれている詳細モードの方がわかりやすいと思います。
ドライバーの切り替え
たまにならともかく、日常的に夫婦間など複数人が運転する場合、自分の運転だけをi-DMのスコア判定の対象にしたいものです。そんな時はここから運転者を選べます。
見ての通り、五人まで登録できますが、手動での切替になりますので3名以上がそれぞれしょっちゅう運転するという状況なら、その都度運転者を切り替えるというのは現実的に厳しいかな? というのが実感です。たまに運転させてあげる友達をドライバー3(なぜ「2」ではないのかは後述)以降に割り当てて楽しむ、というのはアリだと思います。
ただし、よく運転するのが二人で、それが夫婦や親子など「キーを普段から持たせておける」関係なら良い方法があります。
購入時にキーがふたつ付いていると思いますが、それを運転するふたりが普段からひとつずつ持っておくということです。例えば夫婦なら……
- 夫 : 常にキー1を使う
- 妻 : 常にキー2を使う
こういう感じですね。
ふたつのキーにはそれぞれi-DMのドライバー1、2に割り当てられています。ですからこうすると夫は常にドライバー1、妻はドライバー2として認識されるようになりますので、いちいち切り替える必要はありません。(だから臨時に運転させる人はドライバー3以降に登録しておく方が便利なのです)
※ 注意
これはワタシの実際の体験談なのですが、納車からしばらくして初めてi-DMのドライバー選択を確認してみたところ、ドライバー2になっていました。実用的に問題はありませんでしたが気持ち悪いのでドライバー1に変更したかったのですが、手動で切り替えても次に運転する時にはまた「2」に戻ってしまいました……。
納車の時から、ドライバー2が割り当てられている方のキーを使っていたということなのですね。その後はもう一方のキーを使うことで、無事ドライバー1として認識され、今に至ります。キーにドライバーが割り当てられているということを知りませんでしたので、結構悩みました。
ちなみに、ドライバーを変更するのがi-DMを運用してだいぶん時間が経ったあとでも問題ありません。あとで述べますが、i-DMのスコアは基本的に過去10回のデータしか意味がありませんので、納車直後から今までのデータがムダに……なんて気にする必要はないです。(内部的に昔のデータを保持しているのかは知りませんが)
i-DMスコアの仕組み
できるだけ単純化してみました。
- エンジンをかけてから切るまでが1クール
- 1クールごとに5点満点で採点
- 基本的に青ランプで加点、白ランプで減点、緑ランプは変動なし
- 毎回4.5点からスタート(ステージ1のみ5点からのスタート)
- 大まかには「加速・減速・旋回」時の滑らかさ・安定性が判定対象となる
- 過去10回の平均点が4.8以上となり、それが5クール続くとランク(ステージ)アップ!
- 平均4.8以上のカウントダウンに入ると星が増えてゆきます(下画像参照)
- ステージは1から3。裏モードでステージ5まで挑戦できるけど非推奨
①「アベレージ」が過去10回の平均スコアです。これが5回以上連続で4.8以上になればステージクリアです
②過去10回のスコアの棒グラフです
③毎回の運転傾向。ブレーキ・ハンドル・アクセル各項目で、加点(青ランプ)されると右側の青が伸び、減点(白ランプ)されると左側の白が伸びます。左右は独立して伸びてゆきます。例えば青ランプも白ランプも同じくらい点灯した場合、差し引きされてグラフがどちらにも伸びないということはではなく、左右それぞれに同程度伸びてゆきます。
余談ですが、ワタシの場合キツい峠道を走ったあとの「ハンドル」グラフが青にも白にも盛大に伸びていることがよくあります。ナイスコーナリングも多いけど、荒いコーナリングも多かったということですね。
i-DMの判定基準は?
得点のシステムはわかったけど、じゃあ何をやったら高得点を取れるのでしょうか?
滑らかさ
滑らかさとはなんぞや?
ひと言で言うと、加速・減速・旋回などの動作が滑らかに始まり、滑らかに終わっているか、ということです。
要するにスタート時はじわっとアクセルを開ける、ブレーキもじわっとかけ始め、停車する時にはじわっと緩めてカックンブレーキにならないようにする、という感じです。下の図はあくまでもイメージ図ですがなんとなくおわかりいただけるでしょうか?
クルマが動き始める、加速が終わる、減速を始める、停車するという加速度の変化が始まるそれぞれの瞬間が、いかにナチュラルかつ滑らかであるかという判定基準ですね。「ゆっくり加速する」「ゆっくり減速する」ということではありません。あくまでも縦・横の加速度が変化する瞬間が滑らかか、ということです。(横というのはハンドルを切ったときにかかる横Gのことです)要はアクセルもブレーキも踏み始めはじわっと。そして停車の瞬間、カックンブレーキにならないようにそっとブレーキをリリースするという感じ。旋回中に関してもこれと同じ考え方で、ハンドルの切り始め、切り終わり、戻しはじめと戻し終わりが滑らかに始まって滑らかに終わっているかという判定基準です。
一番わかりやすい例を挙げると「いつの間にか走り出し、いつの間にか停車した」というイメージ。電車に乗っていて運転手さんが上手だとホントに静かに走り出して静かに停車されることがありますよね。クルマであそこまでする必要はないでしょうが、そういうイメージです。
安定性
上の「滑らかさ」が加速・減速の始まりと終わりの瞬間の話だとすると、「安定性」は加速中・減速中のお話です。上の図でいうと、加速・減速を始めてから終わるまでの斜辺の部分です。ここがまっすぐであるほど良い、グネグネに曲がっちゃうとダメっていうことです。
同じ0㎞-60㎞の加速でも一定の踏み込みで同じペースで加速して60㎞に到達するのと、途中でアクセルを戻したり踏み足したりしながら結果60㎞に到達するのとでは快適さが全く異なりますね。減速時も同じで、始めブレーキを軽く踏んでいたのに、途中で減速度が足りなくてブレーキを踏み増すというのは自分も同乗者も快適ではないでしょう。また、旋回中も途中でハンドルを切り増したり戻したりせずに曲がりきる方が快適だということです。
厳密には違うような気がしますが、加速中のアクセルの踏み込み量、減速中のブレーキの踏み込み量、旋回中のハンドルを切る角度が一定に保たれているというのが概ね安定性の説明として妥当だと思います。
ここでも言えるのは、加速・減速の強さは判定材料にされていないことに注意です。図でいうと、斜辺の傾斜角度はキツくても良いのです。急加速をしてもいいけど、加速中にその加速度が変わらないようにすることが大事です。
繰り返し操作
その他、短時間での同様の操作の繰り返しもマイナス判定が入るようです。例えば停車時にブレーキを踏んだり戻したりという動作を繰り返すようなことです。もちろんこの動作が加速(減速)度の不安定さ、揺れにつながればそもそも「安定性」の面でマイナス判定になりますが、そうでなくてもこのような操作自体がマイナス判定の要因になるようです。但し、この判定はランプには反映されず、スコアにのみ反映されるとのことです。(わかりにくいかららしい)
いかがでしょうか?
まとめると、縦・横どの方向にも急なG変化がない、すなわち乗員が急な揺れ、揺さぶりを感じない運転、ということになりそうです。
わかりやすい指標を挙げると、助手席でリラックスして乗っている人が、急な加速や減速、急ハンドルで「アタマを揺さぶられない」運転という感じかな? とりあえずここではこの辺にしておきましょう。
次回は……
今回は基本的な仕組みをまとめました。コレを踏まえて次回は……i-DMで楽しく高得点を狙うコツを書きたいと思います。
「アナタの運転が変わる! 楽しいi-DM活用法 - 実践編」はコチラから
それではまた。