少し前にリリーズされた記事の翻訳版が出ましたね。
単なる7月のアップデート記事というより、もっと長いスパンで動いていることの途中経過といった感じ。
これからも長くサービスを継続していくための経済施策などの報告と今後の展望なども書かれていますが、初心者のワタシから見ると、さすがの一言。Bot対策についても書かれているし重要なことですが、これは大手のオンラインゲームなら大抵直面する問題でもあります。
ワタシがスゴいなと思ったのはやはり経済対策ですね。
そもそもEVE Onlineは大規模な艦隊戦というものが外部に対して特に目立つアピールポイントになっていますが、実のところは経済ゲームと言ってもいいほど「経済」に重きが置かれたゲームなのですね。戦闘を含むすべての要素は結局のところiskに換算される利益であったり損失であったりします。戦闘というものは直接的には損失を生むものであり、損失あるところに需要が生まれ、需要に応じて供給が活性化し、供給された物資を手に入れてさらなる利益を求める行動の中で、また損失が生まれ……という循環がきちんと作られているのがこの世界だと思います。
ところが長年の蓄積の中で、そのバランスが崩壊しつつあるという分析がなされ、そのエコシステムの健全化を図る施策が現在進行中ということです。その中にはBotが生み出すiskを締め出す（要はBot対策）ことや、ゲームコンテンツの充実や、リスクとリターンのバランスの見直しなど多岐にわたるようですが、その中でも資源の再分配という興味深いものがありました。
ワタシを含めた初心者にはとても複雑なものですので詳細は省きますが、要は流通する資源量をいったん絞ることで（主にベテランさんたちに偏在する）インフレ的な価値観を健全なところまで調整し、そこからさらにコンテンツやプレイヤーの行動によりマッチした形で資源を再分配（できるようなシステムを構築）することで、プレイヤー全体の公平感を高めたり、経済活動への意欲を高めようということ。
まさに市場介入の域を超えた、産業統制ともとれるような大胆な施策で、プレイヤーの同時接続数が一旦落ちることも想定されていたでしょうし、たいしたものです。（もっとも、それが想定通りの結末に至るかどうかはわかりませんが）
言ってみれば、コアなプレイヤーの利益に反する施策を打って、ゲーム全体のバランスを改善しようとするようなものですから、コアなプレイヤーに支えられるオンラインゲームではなかなかこれはできません。それだけのことができるということは、その下地となるリサーチと分析がいかに綿密なものであるかがうかがえます。そのリサーチにはもちろん、フォーラムなどを通じたプレイヤーからのフィードバックも含まれます。
あと、新規プレイヤーに向けた施策も進行中で、EVE Academyなどが先行している一方で、スキルシステムへの（新規向けの？）テコ入れもあるようで、楽しみですね。
それにしても驚かされたのが、これ。
18年目を迎えたEVEは、毎日数千人もの新たな人間（サブキャラはカウントせず！）を魅了しています。2020年だけでも、130万人の人間（再度ですが、サブキャラは除く！）がEVEを初めて試しました。
EVE Online – 7月のステータス更新
毎日数千人の新規プレイヤー！？
1年で130万人の新規プレイヤー！？
どれだけ残っているかはむしろ聞きたくありませんが。
だからこそ運営もいろいろな手を打って、なんとか新規さんを定着させようと必死なのでしょうね。
「今ならすぐにレベルカンストキャンペーン」とかができないゲームですし（してほしくもないですけど）、多少アイテムをもらったところで、ゲーム自体の難易度の高さはどうしようもないしねぇ。初心者が変に高い船をもらってもろくにFitも組めずに無理に出撃して沈められてゲーム自体をクリアしちゃうってところまで目に見えてるしねぇ。（それを生かせるような人は従来の仕組みで生き残っていける人でしょう）
特に日本は、チュートリアルが大充実で、下手すりゃゲーム本編もオートで快適なのが全盛ですからねぇ。
そう考えると、とにかく初心者さんの敷居を下げることがとても大事なことだと再認識。
個人・団体を問わずゲーム内で初心者向けのサポートをされている多くの方や、充実した情報を提供してくださっているWikiをはじめ、プレイヤーさんのブログは当然のごとく生命線ですが、とことん初心者目線で書いていくうちのようなサイトもあってもいいんじゃないかと無理矢理自己弁護したところで、終わりにしたいと思います。
初心者目線でしか書けないんだから仕方ない。
今回の「EVE online July Update」の源流となる記事は「EVE JAPAN News」さんで以下の通り翻訳記事を公開してくださっていますので、ぜひご一読を。
- EVE Onlineのエコシステムの今後 2020年3月31日（元記事）
- 資源再分布に関する最新情報 2020年9月25日（元記事）
