どうもこんにちは。
ここ最近、めっきり国内での動きがない我らがCX-3界隈ですので、当サイトでは活況な東南アジア・オーストラリアマーケットに注目して、CX-3の販売継続、そしてフルモデルチェンジへ向けての動きを分析しておりました。
以上の記事でも書いたとおり、モデルチェンジへの展望はすこぶる明るく、現行CX-3の販売も継続されるだろうとワタシは予測しております。
そして、この流れの中であえて日本での販売を中止するというのは普通に考えてないだろうとも予測しております。
しかし、実はひとつだけ不安要素があるのですね。これは上の記事を書く前からわかっていたのですが、今まではあえて気にしていませんでした。なぜならよくわからなかったからです。
CX-3、2025年中に販売終了の噂を検証
で、その不安要素とは「日本では2025年9月でCX-3は販売終了になる」という噂が散見されることです。理由に触れている記事もあればそうでもない記事もあります。
これは記事というより口コミ。しかもこの投稿者はプロフィール登録も他の投稿も皆無ですので普通なら気にしないところですが、「ディーラーから聞いた」ということとMAZDA2は年内、CX-3は9月で終了という微妙に具体的なところが不安を誘います。
でも、その辺のディーラーさんが知っているレベルの情報だとするなら他にも情報が上がってきていておかしくないところですが、9月と言及している記事は他には見当たりません。(K-BLOG NEXTさんでは同様の記事が掲載されていますが、ソースは上の口コミのようです)
また、cobbyでは以下のような記事。
こちらの記事は2027年の新型投入など最新の情報は盛り込みつつも、SKYACTIV-X搭載とか世界全体で製造中止とされていることから、ちょっと適当な感じは否めません。
ベストカーWebさんではこんな感じ。
こちらは2027年の新型投入にスポットを当てた記事ですが、さらっとこんなことが書かれています。
CX-3はASEAN各国や豪州で人気を博してきたが、2025年で販売を終える地域が相次いでおり、日本も同年9月には販売を終了するという情報。
上記ベストカー記事より引用
ベストカーさんも9月って言ってる……と思ったのですが、この記事は今年の4月の記事。さっきの価格.comの口コミは3月……あれれ~?w さらにASEAN各国やオーストラリアでの最近の新モデル投入は時期的にも考慮に入っていませんから、少なくとも現行車についての情報はそれほど信憑性は高くなさそうです。
そんな中、2027年新型投入前の販売終了について具体的に不安を抱かせるだけの説得力がある記事を出してこられているのはやはりここ。「つらつらとMAZDA」さんです。さすがです。以下の記事をご覧ください。
この記事では「販売終了」ということを明確に書かれているわけではないのですが、「UN-R155」「UN-R156」というサイバーセキュリティ法規にCX-3が対応していないのかもしれない。だとすると2026年5月までには販売終了となるのかもしれない。ということが書かれています。
この記事は今年3月に書かれたもので、ワタシも読んでいました。でも結構ややこしくてよくわかならかったのでスルーしていた次第。ゴメンナサイ。
「UN-R155」「UN-R156」とはなんぞや?
でも、やはりいざ9月が来ると不安も膨らんできたので、ちょっとだけ調べてみました。
かなりややこしい……というより漠然としていて難しいです。
いうまでもなく最近の自動車はコネクティッド化が急激に進み、自動運転系のシステムなども搭載され、サイバー攻撃などのリスクが高まっています。そのことへの対策として定められたのがUN-R155、UN-R156です。
これは国連欧州経済委員会(UN/ECE)の下にある自動車基準調和世界フォーラム(WP29)にて定められたサイバーセキュリティ規程です。日本もこれに参加しており、この認証を取得しないと日本や欧州などで新車を販売することが出来なくなります。
UN-R155 サイバーセキュリティ管理システム(CSMS)
ざっくり言うと、メーカーが自動車のサイバーセキュリティ体制を構築し、それを各車種が正しく適用することを求める規則。
UN-R156:ソフトウェアアップデート管理システム(SUMS)
ざっくり言うと、車両のソフトウェアのアップデートを安全かつ確実に管理、実行するための規則。
本当にざっくりですねw もう少し詳しくは、以下の記事が参考になると思います。
CX-3がなぜヤバいのか?
CX-3も当然この規程に則った認証を取得しないといけませんが、日本において継続生産車については2026年5月からの適用開始となっています。これについて「無線によるソフトウェアアップデートに対応している車両」は継続生産車についても2024年7月から適用開始になっていますが、「無線によるソフトウェアアップデートに対応していない車両」は2026年5月適用開始となっており、CX-3は新世代マツダコネクトを搭載しているものの、実は無線によるソフトウェアアップデート(OTA Over The Air)には対応させていないのですね。
↑ ページ下の方の「車種別の対応サービスを確認する」の項目から各車のサービス対応一覧が閲覧できます。
現時点でソフトウェアアップデートに対応していないのは、CX-3、MAZDA2、CX-5ですが、CX-5については2023年10月発売分以降が非対応となっており、逆にそれ以前は対応していたとのこと。これは上で紹介したつらつらとMAZDAさんの記事でも詳しく書かれていますが、OTAアップデートに対応していると2024年7月から規制適用となるところ、そのままでは規制対応に何らかの問題があったためにあえてOTA非対応とし、2026年までの延命を図ったと見ることができそうです。CX-5ならそこまで延命できれば新型が来ますからね。
そう考えると、CX-3も新型マツコネを搭載したのにOTAアップデートに対応していないのはそのあたりの問題があるというのは充分に考えられます。
……とすると、道はふたつ。
- 2026年5月までに規制対応させる
- 2026年5月までに販売終了する……
単にマツコネをひとつのコンピューターとみて、その機能や性能だけで対応できるという話ならそもそも新型マツコネを乗せたことで規制対応をクリアできているはずなんですよね。でもあえてOTA非対応にしているということは、やはり規制に適応させるためにはもっと大がかりな車両もしくは車両ソフトウェア全体のアップデートが必要になるということなのかもしれません。
そうすると、販売終了が噂されるMAZDA2、2027年のフルモデルチェンジが期待されるCX-3にそこまでの投資をせずに、販売終了というのも合理的だと思えます。
ワタシは海外の状況から、国内のCX-3販売もできるだけ延長するとみていますが、それでもこの壁を越えてくるのはもしかしたら……ちょ~~っと難しいかも、と思ってしまいます。
せめて次期CX-3の具体像が見えてからの販売終了になれば良いのですが、新型の市場投入は2027年と見られていますから2026年5月までに正式発表っていうのは難しいかな? (新型CX-5は2025年7月の発表で年末あたりに欧州での販売開始と見られています。)
でもちょっとだけ希望も?
これだけ悲観的なことを書いておいてアレですけど、上の分析はあくまでもOTAアップデートの搭載状況から推測しただけでなんの確証もないんですよね。そもそもこの「UN-R155」「UN-R156」って抽象的すぎてよくわからんのです。
あと、これだけOTA、OTAと言っていると、OTAでのソフトウェアアップデートが認証取得のために必須だと錯覚しそうになるかもしれませんが決してそうではないのですね。要するにこの「サイバーセキュリティ規程をOTA非対応の車種にも適用するのが2026年5月」だということは、「OTA非対応のクルマでも規制に適応させられる」余地があるということではないでしょうか?
また、そもそも……
CX-3やMAZDA2がサイバーセキュリティ対応できていないとは誰も言っていません!www
もちろん対応したとも言ってないわけですが。
ロードスターの2023年商品改良の際、サイバーセキュリティ対応のためにE/Eアーキテクチャといわれる電子制御システムが刷新されたそうです。
上のMotor Fanさまの記事で、ロードスターのサイバーセキュリティ対応のため当初はMAZDA3のユニットを載せるはずだったがサイズ的に……云々、とあります。ということは、MAZDA3のユニットを載せればサイバーセキュリティ対応できる、ということだと思えます。
CX-3に新型マツコネ載ってるし……これがE/Eアーキテクチャなるものと一体でMAZDA3タイプのものを載せたんだとすれば……あとOTAアップデートにさえ対応できれば……ワンチャンあり??? (すみません、その辺の仕組みはまったくわかっていませんのでホントに妄想です)
たぶんそんなに単純ではないようなニオイがプンプンしてきますけど、イイじゃないですか。ちょっとくらい希望を持ってもさ。
でもでもOTAアップデート以外は軒並み同じ機能を使えるんだからなんとかなるんじゃないの……? と未練がましく思い続けます。
妄想的余談 - 初代マツコネでいいんじゃないの?
この項は本題からずれますし、たぶん色々間違っていると思いますのでスルー推奨です。書きたいことを書くだけなのでご勘弁を。
サイバーセキュリティを考えた時に最も重要なのは……
- 侵入させない(経路をなくす・ブロックする)
- 侵入された時に対応できる(退治する・拡散させない)
ということに集約されると思われます。
そもそも(PCでも同じですが)ネットにつながっていなければ、ネット経由では侵入されないわけです。徐々に変わってきているかもしれませんが、企業において機密情報が格納されたコンピュータはネットワークにつながないという対策をしているところもあります。また、一般的な企業でも会社のPCのウイルス感染が疑われた時はまず(電源は落とさずに)ネットワークから遮断する(例: LANケーブルを抜く)ことが第一とされていることが多いでしょう。
これをクルマに置き換えてみると、例えば我がCX-3に搭載されている初代マツコネだと外部との接続は基本的に有線ですので、ネットからいきなりウイルスがやってくることはないわけです。もちろんBluetoothでの接続は出来ますがクルマからせいぜい10~20mといった有効範囲ですし、物理的に悪さをするというのとほとんど変わらないでしょう。ましてや有線でつないでの悪さに対応するのは、これはもうサイバーリスクと言うより盗難対策とかそっちの話ですよね。
もっとも初代マツコネでもスマホをUSBでつなぐとCarPlay機能が使えますので、スマホを通じてネットワークにつながっていますし、実際にApple Carplayの脆弱性も発見されたりすることもあり、カンペキとは言えないでしょう。でも、Webとの通信前提でソフトウェアが動作するわけではない初代マツコネなら、ほぼ大丈夫そうな気がしないでもない。いや、リスクはあるのでしょうけど、現実的な話として……ね。
また、サイバーセキュリティ上怖いのは、感染と並んでそれの「拡散」ですが、これも初代マツコネならほぼ大丈夫そうな気がします。…… だって、初代マツコネにウイルスが仕込まれたとしても、そこから周囲に感染が広がっていく図がどうしても想像できないのです。どうだ! これが初代マツコネの威力だ!
書けば書くほど、これ初代マツコネのままの方が安全じゃないの? みんな平和にいけたんじゃないの? という気がしないでもありません。
機器がネットワーク上にあるから便利さと引き換えにサイバー攻撃のリスクも高まるし、感染拡大のリスクも高まります。ですから必要とされる対策レベルもどんどん高まり、これが「ソフトウェアのアップデート」に焦点が当てられたUN-R156などに具体化されているように思えます。
今改めて、上で紹介したコネクティッドサービスの一覧を見てみたのですが、便利かもしれませんが……ネットワーク前提の機能については、個人的にはほぼいらないかなぁ。NECのPC-8001とかの時代からPCを触り続けてきたワタシですから最先端の技術には慣れ親しんでいますし、そういうの大好きです。それでも……そんなワタシでもクルマにそこまで必要かなぁって、やっぱり思います。
クルマの機能の設定などがシステム経由で一元管理できるということは重要かつ便利ですが、これってネットにつなぐ必要なさそう(初代マツコネでも出来る!)ですし、羨ましいって思うのはナビの地図更新が通信で完結するとこくらいかなぁ。ナビへの目的地送信もスマホアプリから出来るし、マツダへのコール機能とかいらない。緊急ならマツダじゃなくって警察とか救急に電話しますし、緊急じゃなければ普通にマツダとかディーラーに電話します。別にクルマに電話かけてもらわんでもw
ドアの閉め忘れとかを教えてくれるうっかり通知も、そんなもん機械に頼らずに自分で気をつけろって感じです。実際長いことクルマに乗っていて、それがあったら良かったのにと思える記憶が皆無ですし、仮にそういうミスをしたとしても、それも経験値。そうして人は成長するのです。また、リモートでのエンジンON・OFFとか、超絶いらん。乗る前にエアコンを効かせられるという利点はあるでしょうが……いらんいらんw
なんだか初代マツコネ車に乗っている人のひがみみたいになってきましたがそういうわけではありません。便利なのは悪いことではないけれど、それそういう機能のために余計なコストがかかったり、さらにそういう機能のためにより一層サイバーセキュリティを強化する費用がかかったりして、結局クルマの価格に上乗せされていくのなら、その分を基本性能やエクステリア、インテリアに回すとか、単にリーズナブルな価格に抑えるとかそっちの方がワタシ的にはうれしいのです。もちろんとことん最先端なクルマもあっていいとは思いますけど、なんでもそれありきになっていくのはちょっとな~って思うだけ。
それにさ?
コネクティッドなんてものが当たり前になればなるほど、どんどんサブスクで月々の支払いが膨らんでいくだけですぜ? 気がついたら、クルマ乗るにはスマホみたいな月額料金を取られるのが当たり前ってなことになるんじゃなかろうか?
さいごに
最後ちょっと脱線しましたが、やはり、これだけCX-3に特化したサイトを運営しているワタシ的には、一時的にでもCX-3が終わってしまうと考えるのはツラいです。
まあ、次期CX-3(正確には次期新型小型SUVですが)が見えているだけマシではありますが、やっぱり後継車が発表されて堂々と引退の花道を……というのがCX-3ラブなワタシの願いなのです。
サイバーセキュリティ対応……なんとかなりませんかね? マツダさん? せっかく海外ではまだまだイケイケなんだし。
ちなみに正直なところ、東南アジア・オーストラリアでのサイバーセキュリティ対応ってどうなってんの? とは思うのですが、さすがにそこまでは調べられていないし、複数の国でこの時期に新モデルが出ているし、ベトナムでの生産開始もアナウンスされているので2026年5月で終了前提の動きだとはやっぱり思えないんです。
あとは、次期新型小型SUVがどんなものになるかがまだ全く見えない状態なので、やっぱり心配なのです。
現行CX-3が美しすぎて、次のモデルがこれよりステキになる想像ができないっ!
いや、単純により便利に、より広く、よりラグジュアリーに……っていうのはやろうと思えば出来るのでしょう。(値段が高くなったりデカくなったりカッコ悪くなったりするでしょうけど)
でも「コンパクトでありながら車室・荷室も実用レベルに確保しつつコンセプトカー並のプロポーションと人馬一体の運転の楽しさを実現している」というのがCX-3の最大の特徴だと思うところ、それをより発展させるのってかなりの難易度であるように思うのです。
楽しみだけど……不安。
いやいや。不安だけど楽しみ! ……ってことにしておきましょうか。
販売終了の噂のあった9月も中盤。まずはここを乗り切って2026年5月へ……そして、できればセキュリティ対応を完了させて新型登場まで販売継続……しつこいですね。
それではまた。