MMORPG EVE Onlineの情報。初心者向け情報、プレイ日記やニュース、そして国家・人物・歴史・社会・文化・経済・物語などのバックストーリー翻訳。
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Gallente – ガレンテ

管理人より

この文献は2021年11月、EVE Universe開設時にFiction(Lore)に追加された、各勢力ごとの包括的記述のひとつです。項目ごとにさらに詳しく書かれたコンテンツもありますが、ガレンテに関する概要、歴史、政治、文化、教育、民族、重要人物まで網羅されている、国家の概要を掴むための必読書となっています。

Index


ガレンテ連邦

おそらくすべての帝国の中で最も論争の的となっているガレンテ連邦は、あなたが尋ねる相手によって、様々な異なった答えが返ってくる。支持者にとっては、ニューエデンで最大かつ最も永続的な民主主義国家であり、平等と正義の砦である。反対派にとっては、彼らは見せかけだけの優しさを持つ弱い者いじめの帝国主義者であり、自分たちのもの以外のいかなる文化も真に認めることができない存在である。

連邦の生活はしばしばユートピア的だと言われるが、あなたが中核都市のような贅沢な場所で暮らす特権を与えられているならば、それは真実だろう。他者に危害を加えない限り、人々は多かれ少なかれ好きなように生活することが許されている。詩人、学者、政治家は崇拝され、市民はしばしば最新の主義主張や動向、流行、またはそれらを組み合わせて取り入れるために大挙して押し寄せる。チャンスは豊富にある。生活は楽で、欠乏とは無縁である。

もちろん、この自由には代償が伴う。連邦では悪者が横行している。あなたが抱いているあらゆる欲望を満たすことは簡単なことである。それ以外の地域では不道徳または違法と考えられるものは、ここで容易に入手できる傾向がある。麻薬、身体の改造、売春、ギャンブル。お金さえあれば、実質的に想像し得るあらゆるものを楽しむことができる。

しかし、すべてが快楽的というわけではなく、ガレンテ人の間には激しい右翼的な運動が存在する。これらの民族主義的なグループは、連邦の根幹が外部の影響によって徐々に侵食されていると感じている。彼らにとっては連邦的な方法が唯一の方法なのである。大衆にドラッグパーティをさせ、そんなことをしていられるのも、特定の人たちが誰かがしなくてはいけない不愉快な仕事を引き受けてくれているからだということを脳天気に気づかせないようにしているのだ。そして、この権力に異を唱える者がいれば、連邦社会の泥沼に消えていくことはよく知られている。

そのような欠点はあるものの、連邦はまだ自由と個性の守護者として維持されており、追放された人々や不満を抱いた人々が慰めと助けを求めることができるチャンスの地であり続けている。

歴史

連邦以前

連邦の種は、オリジナルのガレンテ民族が自分たちの星系内に別の文明が存在することを発見したときに蒔かれた。ガレンテの科学者たちは、西暦22463年にカルダリが工業化時代に突入したことを発見し、直ちに探査機を派遣して接触を確立した。その後すぐに、彼らは原始的な人々との交流と援助を目的とした有人使節を派遣していた。カルダリはガレンテの技術を積極的に受け入れたが、文化的干渉には慎重であった。

それにもかかわらず、2つの文化は徐々に互いを信頼し、協働するようになっていった。彼らは肩を並べて、スターゲート技術を発見し、最終的にはワープドライブを開発した。これにより、彼らはクラスターを探索し、植民地化する能力を加速度的に向上させた。ガレンテが主導権を握り、星間政治の場面となると、カルダリを時折後付けのように扱い、いささか不利な条件を押しつけた。

ガレンテはさらにいくつかの種族と順に遭遇した。まず最初に遭遇したのは、豊かなジャングルに覆われた惑星で暮らす技術水準が低いインタキ人であった。インタキ人はカルダリよりもガレンテの文化に対してはるかにオープンであった。彼らは新技術を素早く受け入れ、星間の舞台へ到達した。

そのすぐ後には、ガレンテは、長い間戦争状態で分断された国家群となっていたマナー人と接触するに至った。このケースでは、より強力なマナー諸国のいくつかが奴隷を所有していたため、ガレンテの介入は問題があるとされた。ガレンテは当初、奴隷商人たちに技術を提供し、技術力の飛躍的な向上と引き換えに、奴隷商人たちの習慣をやめさせようとした。しかし、ガレンテは、奴隷商人が約束を守らないとわかると、即座に奴隷商人の敵にあらゆる技術を提供し、さらに彼らが統一的な連合を結成するのを支援した。そのわずか数年後、奴隷商人側は敗北した。

やがてガレンテの傘下にあるすべての国がVerge Vendorリージョンに独立したコロニーを築き始めたが、コロニー形成に関する規則や規制がなかったため、ここで初めて本格的な国同士の対立が生じた。幾度となく、ある国が領有する惑星を他の国が植民地化し、それは激しい論争となり、流血をもって終結することもしばしばだった。結局、ガレンテは星団内の平和をもたらす最善の方法として、国家間の連合を提案することにしたのだった。

連邦の誕生

Federated Union of Gallente Prime(ガレンテ・プライム連邦・通称ガレンテ連邦)として知られる独立国家の外交連合は、西暦23121年に正式に設立された。ガレンテ、インタキ、マナー、カルダリ、そしてVerge Vendorの多くの独立国家は、すべての国家の権利と彼らが従うべきすべての規約の要項を記した連邦憲章に署名した。ガレンテが連邦で優位に立ったのは、経済的、技術的、そして圧倒的な人口的優位性によるものである。

連邦とともに、今日連邦を統治する多くの機関が設立された。各加盟国の利益を代表するために上院が招集され、構成国から民主的に選出された上院議員が出席した。彼らはその中から大統領を選出した。最高裁判所が設立されるまでは、国際紛争を裁定するために特別上院委員会が組織されていた。さらに、対海賊の哨戒と平和維持を主目的とする、連合海軍が創設された。

コミュニケーション不足

新たに設立された連邦の最初の任務の1つは、彼らの入植活動を急速に拡大することであった。中央集権的な官僚主導の下で、現在Everyshoreとして知られるリージョンの探検は迅速に行われた。マナー人はこのリージョンへの入植に積極的で、他の連邦加盟国がすでに領有を主張しているいくつかの惑星へも入植を進め、新連邦にプレッシャーをかけていた。これらの問題は、星間通信プロトコルの遅さが主な原因であることがすぐに明らかになった。幸いなことに、ガレンテの科学者であるLi Azbelが「Fast of Light(超光速)」通信を発見したことで、これらの成長に伴う痛みはすぐに解決されることとなった。1年も経たないうちに、連邦は探査済の宙域を網羅する通信中継設備を建設した。

ガレンテの覇権

新しいFTLネットワークにより、連邦の探査と拡大はより容易なものとなったが、もう一つの予想外の効果があった。ガレンテは今や膨大な種類のメディアを迅速に輸出し、彼らの影響をわずかにしか受けていなかった何十億もの人々の玄関先まで、その文化と理想を直接届けることができるようになった。その結果、連邦構成国全体においてその姿勢は急速に変化し、大部分の人々にとってガレンテ・プライムの文化や道徳観はより身近なものとなった。

人権の問題は星間の関心事となった。ガレンテ人が優位を占める上院が、連邦を主権国家の集まりから単一の国家に変える新憲法を提案するために招集された。大多数は賛成していたが、主にカルダリから、そしてインタキからも多少の異議があった。最終的には、ガレンテは自らの主張を曲げず、マナー、インタキ、そしてカルダリはもはやガレンテから独立した存在ではなくなり、今、一つの旗の下に集まることとなったのである。

開戦

カルダリは長い間、ガレンテの人口の多さ、経済とテクノロジーの優位性にいらだちを覚えてきた。カルダリ人の生活を支配するようになっていたメガコーポレーションは数十年にわたって、密かにガレンテの手の届かないところにまで進出し、秘密裏にコロニーを建設することで、いくつかの連邦の指示に違反したのである。

これが発見されると、上院はカルダリのメガコーポレーションに植民地の放棄を求める緊急サミットを即座に招集した。当時、カルダリ人の生活に最も影響を与えている存在だったこれらの企業はこの提案に難色を示し、この緊急招集された会議の後、カルダリの上位8社のCEOは最高経営責任者会議(通称CEP)と呼ばれる統治機関を設立し、連邦からの独立を宣言した。この新しい国家はカルダリ連合と呼ばれることとなった。

連邦制として成立したカルダリ政府は、古い同胞との強固な連帯を示し、軍隊と資源をCEPに委ねた。直ちに、新カルダリ連合は彼らの植民地につながるスターゲート網を確保した。これを受けて連邦は、カルダリの人口を飢えさせて降伏せざるを得ない状況に持ち込むことを目論んで、カルダリ・プライムを封鎖した。

Nouvelle Rouvenor

緊張した膠着状態が続いた。ホームワールドでの厳しい生活に慣れていたカルダリ人は、身を潜めつつ譲歩を拒否した。ガレンテは、自分たちの優位性を確信しており、カルダリが譲歩するのは時間の問題であると考えていたが、数ヶ月にわたってこの膠着状態は続いた。

しかし、Templis Dragonaursと呼ばれるカルダリのパルチザンたちが、主にガレンテ系の人々が居住するドーム型の水中都市、Nouvelle Rouvenorを爆撃したことで緊張は頂点に達した。この攻撃により都市は破壊され、50万人強の市民のほぼ全員が水中の墓地に葬られることとなったのである。

超国家主義者(極右勢力)の台頭

ガレンテの人々は、Nouvelle Rouvenorの破壊への対応を要求した。大統領は、その怠慢がこの災害を引き起こしたとして、不名誉な形で辞任した。Ultranationalists(超国家主義者)と呼ばれるファシスト政党が政権を掌握した。新大統領のLuc Duvailerは憲法を停止し、迅速かつ疑いのない行動によってのみ対応可能な国家緊急事態であるとして、宣戦を布告した。

Duvailerは連邦海軍にカルダリ・プライムへの爆撃を開始するよう命じた。数十億人の住民がまだこの惑星に居住しており、もっぱら戦術的な目的でなされた爆撃であっても、民間人の犠牲者は膨大なものとなった。1日も経たないうちに、カルダリとガレンテを合わせて数十万人が死亡し、街路、地区、近隣、ランドマークが地図上から消し去られた。

このような激しい攻撃はカルダリ人の戦意を速やかに砕き、降伏するしかなくなるだろうというのがDuvailer大統領の思惑であった。しかし、カルダリは服従を拒否した。カルダリ・プライムでは、原住民の地形に関する知識の優位性が、彼らに大きなアドバンテージを与えた。連邦海軍は自分たちが捨てられた集落を爆撃してしたことに気付くこともしばしばだったし、一方で連邦陸軍は無人のツンドラの中、亡霊を追いかけてさまよっていた。

理性の夜明け

驚くべき粘りにも関わらず、カルダリ内部では分裂が起こっていた。CEPのメンバーの中には、自分たちの住む世界が破壊されているのを見て、降伏を支持する者もいたし、一方で、降伏すればカルダリ・プライムが破壊される以上に、確実にカルダリ自体が滅ぼされてしまうと主張し、戦いを続けることに固執する他のメンバーもいた。しばらくの間、両者はほぼ拮抗していたが、最終的には戦闘の継続を主張する派閥が勝利し、和平に賛成した者はカルダリの伝統に深く根ざした自殺の儀式のひとつである「ティーメーカーの儀式」により死に追いやられた。

残りのCEPメンバーは、カルダリ・プライムにおける勝利の見込みがないことを受け入れた。彼らは避難計画を立てたものの、ガレンテによるカルダリ・プライムの封鎖により、それを完全に実行することができなかった。彼らは、避難が完了するまでに少なくとも1ヶ月は完全に軌道上を制圧しておく必要があると予想したが、今までのところ、彼らはそれを1日たりともなし得たことがない状況だった。

連邦の分裂

一方、超国家主義的体制は緊張の色を見せ始めていた。ガレンテ人は戒厳令下での生活に反対していたが、抗議行動は瞬く間に鎮圧された。異議を唱えた政府関係者さえもすぐに職を追われた。軍部も同様で、Duvailer大統領からの納得できない命令に直面し、有能な指導者たちが辞任してしまった。

ある一触即発の出来事がインタキ・プライムで起こった。惑星上でいくつかの親カルダリの運動が勃発した。この問題を解決するため、Duvailerは連邦にとって最も脅威となる5千人のインタキ人を逮捕するよう命じた。このグループは、平和的な活動家から、反乱の指導者、暴力的な反ガレンテ犯罪の犯罪者まで、あらゆる人々で構成されていた。Duvailerは、彼らを投獄してさらなる抗議の拠点を作るよりも(あるいは、彼らを処刑して犠牲者にしてしまうよりも)連邦から追放することを選んだ。

カルダリの反撃

リーダーシップの欠如によって連邦海軍の能力が弱体化するにつれ、カルダリは次第に優位に立っていった。まだ新興のカルダリ海軍は、徐々に連邦軍を軌道上から排除し、防衛態勢につくことができた。いつまでも持ちこたえられないことはわかっていたので、彼らはすぐに惑星からの撤退に取りかかった。2週間が過ぎ、ガレンテは反撃のための戦力を集めていた。最高経営責任者会議は、連邦のリーダーシップがいかに無効な状態であるとしても、持ちこたえることはできないだろうと考えた。そしてやむを得ず、全軍に退却し、撤退行動を中止するように命令した。

しかし、カルダリ海軍の名将、Yakiya Tovil-Toba提督はこの命令に従わなかった。数十隻の忠実な艦隊を率いて、ガレンテ・プライムに直行し、そこでゲリラ戦による見事な反撃を行った。連邦は、準備が整っておらず、初動で大きな損害を被った。Tovil-Tobaが総攻撃の先陣を切っていると判断した連邦海軍は短期的な計画を放棄し、提督を撃破すべく多大な資源を投入した。

熟練した艦隊運用と策略をもって、Tovil-Tobaは戦略的撤退を行いつつ、連邦の最も脆弱な場所を攻撃した。残りのカルダリ海軍が撤退行動をさらに強化している間、彼は一週間にわたってこれを続け、連邦軍を翻弄した。連邦は、カルダリ・プライムからの避難を無制限に許していることはわかっていたものの、Tovil-Tobaがガレンテ・プライムの直近に陣取っていることから、以前から計画していた攻勢をかける危険を冒すことはできなかったのである。

徐々にTovil-Tobaの軍勢は削られてゆき、残るはたった一隻の空母のみとなった。ホームワールド上にはカルダリ人は四分の一も残っていなかった。これ以上戦闘で時間を稼ぐことはできないと悟ったTovil-Tobaは最後の作戦に移った。彼は艦をガレンテ・プライムの軌道上に直接投入するよう命じた。連邦海軍は素早く迎撃したが、Tovil-Tobaはそこに戦いに来たのではなかった。代わりに彼は艦をHueromontの街の方へ向けたのだ。艦が大気圏に突入するとバラバラに砕け、乗組員は全員死亡した。そして最も大きな破片のひとつが壊滅的な破壊力をもって街に激突した。

この爆発で200万人がほぼ即死し、数日のうちにさらに数百万人が死の灰や火災、その他の負傷によって死亡した。大気中の塵と瓦礫で、空は数キロメートルにわたって黒くなっていた。連邦は恐怖し、全艦に軌道上に留まり防衛にあたるよう命じた。カルダリ人は、妨害無く母星からの撤退を完了させることができたのである。

U-Nats(Ultranationalists)の没落

Hueromontの破滅は、連邦のリーダーシップの欠如をガレンテの人々に露呈してしまった。すでに横行していた兵士の脱走はますます多発した。抗議行動は取り締まられることなく毎日のように発生した。、法執行機関に対抗されずに都市で勃発した。連邦を構成するいくつかの国では、超国家主義政府に対抗すべく、地元の兵力を配備した。

膠着状態が続いたが、Duvailer大統領がようやく戒厳令を解除し、敗北を認めたことでそれも終わりを告げた。以前は超国家主義側であった議員達でさえも反大統領側に付く中、上院は直ちに大統領の不信任決議を採択し、Duvailerは辞任を余儀なくされたのだった。

休戦と復興

新大統領はいくつかの問題に直面した。カルダリ・プライムは人口が減少しているものの、依然として連邦にとって経済的かつ象徴的に重要であった。数百万人のガレンテ人がまだこの惑星に居住しており、多くのカルダリ人は立ち退きを拒否していた。そのため、政府は再建のための報奨金に資金を投入するしかなかったのである。

第二に、超国家主義政府が命じたカルダリ・プライムへの爆撃は、大量虐殺の企てだと見なされるようになり、Luc DuvailerとU-Natの指導者の多くは逮捕され、戦争犯罪で裁判にかけられた。彼らは大量虐殺の告発を激しく否定したが、Duvalierを含むほとんどの者は有罪となった。その多くは終身刑に処せられ、Duvailerは追放され、人知れず死亡した。

カルダリは、連邦の安定を脅かす反逆者とみなされ続けていたが、U-Natsが没落する混乱の中で、自らの立場を強固なものとし、海軍を増強するための時間を持つことができた。戦争は急速に激しいものから冷戦状態へと変わり、大部分の戦闘は大規模な攻勢をかけるものではなく、小規模な国境での小競り合いという形で行われるようになった。

アマー帝国

それからしばらく後の西暦23180年、ガレンテはアマーとのファーストコンタクトを果たした。連邦は、自分たちに匹敵するほどの規模と技術水準の文明を発見したことにショックを受けた。さらに懸念されたのは、アマー人が野蛮な奴隷制の伝統を実践しているという事実であった。双方共に相手の能力をより認識するにつれ、全面的な紛争は双方にとって、利益よりもむしろ損失の方が大きいだろうと考えた。

その結果、文化的にはほぼ対極の対立関係にあったものの、両国間では条約締結のための交渉が行われた。そのひとつ目は西暦23210年に署名されたガレンテ・アマー自由貿易協定であった。その名称にもかかわらず、実際のところこの条約は、双方の懸念を和らげるには全くもって限定的なものであった。それでもとにかくは、この条約は両国を不安定ながらも和平に導いたのである。

戦争の継続

一方で、ガレンテ・カルダリ戦争は再び激化し始めた。連邦にカルダリ・プライムを返還させようと、カルダリはいくつかの連邦境界付近の領域を攻撃した。一方、連邦は次々にカルダリの植民地を攻撃し、領土を占領してこれに対抗した。カルダリは、より大きなガレンテ船を撃退して制圧することができる単座の戦闘機を開発したおかげで、徐々に優位に立っていった。ガレンテは防戦一方となり、しばらくはカルダリがガレンテを母星系であるLuminaireまで押し戻すことができるようにも思われた。

しかし、ガレンテが戦闘用ドローンを開発したことで、シナリオは大幅に変わった。当初は限られた移動能力しか持たない近接機雷に過ぎなかったが、ドローンはすぐに単体で戦闘機一機にほぼ匹敵するレベルにまで進化した。決定的だったのは、ドローンは生産コストがはるかに安く、操縦者も必要なかったことであり、そのためドローンはみるみるうちにガレンテ優位の流れに変えてしまった。
前線が元の位置まで押し戻された頃、カルダリはアップグレードされた新クラスの戦闘機を完成させた。これはやや大きめで、武装強化のために機動性を多少犠牲にしていた。このフリゲート艦は、カルダリが期待していたほどの優位性を示すことはできなかったが、ガレンテ優勢の流れを食い止め、戦いを膠着状態にまで戻したのである。

ミンマター支援

アマー帝国によって奴隷化されたミンマター人の窮状は、連邦中の市民の怒りを引き起こした。しかし、度重なる軍事介入の訴えにもかかわらず、連邦政府は公然と対立するリスクを取ることはできないとわかっていた。帝国軍は、ほぼ同等の戦力を擁する上に、別の戦争のプレッシャーも負っていなかったからだ。

これは、連邦内の諸派がミンマターの反乱軍を秘密裏に支援することを止めるものではなかった。また、連邦政府自身が反乱軍に武器を供給しているという噂さえあった。アマーがジョヴ帝国を侵略を試みるという戦略的ミスを犯したとき、ミンマターは大規模な反乱を起こした。連邦はジョヴ側に付き、より公然とミンマター人に武器やアドバイザーを提供し始めた。

数ヶ月も経たないうちに、ミンマターは動揺したアマーからかなりの領域を奪った。連邦は即座にミンマターを主権国家として認め、新しい政府の形成を支援するために専門家を派遣した。その結果、新たに設立された共和国の政府機関の多くは連邦の構造を模倣しており、内閣総理大臣、議会、司法省は大統領、上院、最高裁を反映している。

Iyen-Oursta

カルダリとの戦争は数十年にわたって膠着状態にあったが、西暦23224年、カルダリのフリゲートは突如としてより危険で、扱いやすい存在へと変貌した。連邦と緊密に協力してミンマター人を支援していたにもかかわらず、ジョヴ人がカルダリに静圧カプセル技術を提供していたことがすぐに判明した。この技術は、ほとんどひとりのクルーで事足りるようにできるものだった。これは未だ実験段階にあるもので非常に危険性の高いものだったが、選ばれしわずかな者達は戦場において比類無き存在となり、この精鋭達は連邦軍を後退させることができたのである。

とうとう両陣営は、大規模攻勢をかけるために戦力を結集させ始めた。様々な要因があり、両軍はIyen-Oursta星系で会戦した。勝利の確信を持って両陣営共に主力部隊を前進させた。その結果、アマー・ジョヴ戦争におけるVak’Atiothの戦いに次ぐ、ニューエデン史上2番目に大きな戦いとなった。この激戦はほぼ丸一日続いた。連邦海軍は壊滅的な損失を被ったが、相手側にも同様の被害を与えた。結果として、カルダリ海軍は戦地からの撤退を余儀なくされ、連邦ははるかに大きな損失を被ったものの、勝利を主張することができたのである。

戦争の終結

CONCORDの設立にあたって重要な役割を果たしたことを背景に(「CONCORD」の章を参照)、ガレンテの企業家で慈善家でもあるAidonis Elabonがガレンテの大統領に選出された。彼は和平調停者としての役割を継続し、直ちに連邦海軍に対して前線からより防衛的な位置まで退くよう命じた。また、カルダリ・プライムを除いて、占領していたカルダリ領からすべての部隊を呼び戻し、その戦力によって連邦領域内におけるカルダリの影響を一掃させたのだ。

Chief Executive Panel(CEP・最高経営責任者会議)は交渉に前向きであったが、上院内の諸勢力は和平に反対した。ElabonはYC6年に執務室をあとにして、翌年には原因不明の自己免疫性疾患により死亡したが、和平調停者、そして人道主義者として遺産を遺した。彼の遺志により、彼の財産は、彼の後に続いた人々を表彰するための財団、Aidonis Foundationに寄付されることとなったのである。

YC12年、CONCORDは平和維持軍そして調停者としての任務を試みることを決定した。この時点では、戦闘は国境地帯でたまに行われる小競り合い程度のみであり、領地を奪取したり戦争を激化させうる深刻な行動は両陣営共に見られなかった。両国は国境にあるTierijev星系において交渉のテーブルに立たされることとなった。6ヶ月の間、彼らは和平交渉に臨み、とうとう和解にたどり着くこととなった。

連邦は、カルダリ連合をすべての領土的主張と併せて、主権国家として承認することに同意した。唯一の例外は、交渉の争点となってきたカルダリ・プライムだった。CEPはこれを割譲することを決議したが、それは戦争が終結し、ガレンテとの交易が始まることが、ホームワールドへの帰還にこだわるよりも有益であるとの展望によるものであった。これは多くのカルダリの愛国者達を憤慨させたが、彼らは自らの主張を押し通すだけの後ろ盾を持っていなかった。

政治構造

ガレンテ連邦は、多人種で構成される一定の自治権を持ったいくつかの国で構成された議会制民主主義国家である。連邦レベルでは、連邦は62の地区に分かれており、さらにいくつかの小地区に細分化されている。さらにこれらの小地区には、惑星、コロニー、メガロポリス、その他の政治的集団で構成される多くの行政組織を内包する。連邦の最も重要な行政機関は、三部門に分かれている。それは行政府、立法府、司法府である。

行政府

行政機関は、選挙によって選ばれ、連邦法の執行を監督する責任を持つ大統領が首長となっている。一期は5年であるが、最近改正された連邦法の下では、ひとりの大統領は最大で二期務めることができる。大統領はしばしば連邦の中で最も有力な人物と呼ばれ、連邦の中で最も目立つ存在であることは間違いない。
大統領は国内外で連邦を代表することが求められており、立法者、外交官、国の象徴として等しく奉仕しなければならない。さらに、大統領は連邦軍の最高司令官であり、クラスター内で最大の軍隊のひとつを掌握する。このような文民による軍の監視は、連邦がその理想を守り、自由で民主的な国家であり続けるための重要な要素と考えられている。

大統領は限定的な立法権を有する。大統領は連邦政府全体の運営に関わる大統領令を成立させることができる。また、議院や加盟国に法案を提出し、それを一般投票にかけることはできるが、審議の過程には関与しない。さらに、重要な問題が官僚主義に陥らないようにするために、膠着状態にある上院の議案を、一般投票にかけることもできる。大統領はまた、上院で可決された法案に拒否権を発動し、修正の可能性を探り再投票するよう、差し戻すことができる。

大統領がどの程度立法権を行使するかは、その時々の政治情勢に大きく左右される。法制化に大きな影響力を持つために必要な政治的影響力を持つことができるのは、有権者に人気のある大統領だけであろう。前大統領のSouro Foiritanは、自身の2期目の当選を可能とする法案を提出するなど、立法権の行使に非常に力を入れていた。後任のJacus Rodenも、法案を国民投票にかける権能を広範に活用している。

立法府

連邦上院は、連邦の立法機関における主要部門である。上院は901人の議員で構成される。任期は5年であり、時期をずらして選挙が行われるため、毎年180名の新議員が選出される。各議員は所属する地区で一般投票により選出される。地区の大きさは人口によって異なり、太陽系全体のような大きな地区もあれば、惑星1個分のような小さな地区もある。地区内の小地区の数も同様に人口によって決められるため、議員の数が他より少ない選挙区も存在することとなる。
議院によってひとりの議員が選出されて、上院議長を務める。上院議長は、議会の議事進行の裁定役と進行役を務める。現在の上院議長は、退任したMentas Blaqueから受け継いだAlumont Meisである。Meisは、かなり声高に議事進行を指揮したBlaqueに比べると、上院の方針を決定づけようとすることははるかに少ない。

上院の主な責務は、連邦憲章と憲法の理想を反映し、保護することに重点を置いて、新法を制定し、旧法を廃止することである。すべての議員は法案を提出することができ、通常はいくつかの委員会を経て投票にかけられる。これらの委員会は、国内の安全保障、国際貿易、移民問題など、特定の政策分野において個別の経験を持つ議員で構成されている。

法案の性質に応じて、上院は内部で投票することも、国民投票にかけることもできる。大統領や上院議長は、いかなる法案も強制的に国民投票にかけることができるが、この手段が使われることはまれである。通常は上院において投票されるが、法案可決のためには単純過半数、修正する場合や大統領の拒否権を覆すためには3分の2以上が必要とされる。一旦法案が可決されれば、大統領の署名をもって法制化されなければならない。

上院はまた、年間の連邦予算と税金による歳入を決定する。上院委員会は予算を決定する上で大きな影響力を持つ。軍や情報機関を含む連邦行政をあらゆる角度から監督するために、様々な委員会が存在する。予算の細目をめぐる議論は上院における議論のうち多くの時間を占めることもある。

司法府

Supreme Court(最高裁判所)は連邦における最高位の裁判所であり、司法機関のトップである。最高裁は13人の裁判官で構成され、すべてが大統領によって任命され、上院によって承認されている。裁判官は終身制であり、最高裁判所長官はその最高位となる。

最高裁の最も重要な役割は、連邦法を解釈することである。このことは概して、加盟国、巨大企業、その他の星間組織の行動に関連した事件を審理することを意味する。これらの裁判のほとんどは、これらの組織間の紛争、あるいはそれらの管轄外であったり、管轄を超えた紛争に関わるものである。最高裁は連邦内のあらゆる下級裁判所からの上訴を審理する権利を有するが、めったにそれを行使することはなく、連邦構成国の高等裁判所にその管轄内で起きた事件に対して判断させる傾向がある。

最高裁判所は、いかなる法律も連邦憲章や憲法に違反すると宣言し、完全に無効とすることができる。これは法への異議が申し立てられない限り決してなされることはない。しかし、この種の裁定には大統領や上院に対する拘束力があり、覆すことはできないと見なされている。

加盟国

4つの大帝国ほどクラスタ全体における重要性はないが、政治に強い関心を持つ人々にとって、連邦を構成する各国政府はニューエデンの他のどこよりも魅力的であるだろう。連邦傘下にあるすべての政府は、民主主義であり、普通選挙制でなければならず、奴隷制は禁止されているなど、いくつか特定のルールに従わなければならないが、その運営において大きな裁量が認められている。

例えば、ジンメイ人はカーストを基盤とした社会を維持し続けており、政府は伝統的な支配階級によってほぼ完全に支配されている。制度的には誰でも立候補することが認められているが、文化的圧力によりSang Doの支配者は権力を堅持している。任命された役人たちはSaan Goカーストに属する者達のままである一方で、Jing Ko層の人々はあまり名誉を得られない仕事のために幸せそうに働き続いている。(少なくとも尋ねられたり、話すことを許された人たちによればだが)

その他のユニークな例を挙げると、すべての政府職員が何らかの宗教の信者になることを義務づけられている惑星、選挙結果に応じた抽選で知事が選ばれる惑星、さらには役員に選出されるには30歳未満でなければならない惑星などがある。もちろん、これらは例外的なものであり、連邦全体からは野蛮で、いささか馬鹿げていると思われがちである。しかし、もしそのような暮らしが嫌ならば、誰であれより自分の好みに近い政治が行われている場所に容易に移住することができるとされている。

連邦の大半の地方政府は、上記のような極端なケースに比べると、より連邦政府との連携が取れており、票を集めようとする政治家同士の駆け引きは、かなり大がかりになることもある。連邦の投票率は低いところでは10%程度と、かなり低い傾向にあるため、どんな手段を使ってでも有権者を動かすことが勝利につながるのである。そのため、候補者のプロフィールを徹底的に隈なく調査するような、かなり卑劣なキャンペーンが行われることもある。

連邦情報局

連邦政府の三権分立には属していないが、Federal Intelligence Office(連邦情報局・FIO)は、特に近年、政府における重要な役割を果たしてきた。元上院議員のMentas Blaqueと「Black Eagles(ブラックイーグルス)」と呼ばれる彼の特殊工作班によって率いられるFIOは、反逆者、テロリスト、外国の諜報員、その他潜在的な不平分子から連邦の安全を確保することを任務としている。

FIOは、星団全体で最も広大なスパイネットワークを持っている。ひょっとするとジョヴにのみ後れを取っているかも知れないが、ここ10年ジョヴ人はほとんど目撃されていないので、これも一概には言えない。この機関は、外国の政府機関のあらゆる層にスパイを送り込んでいると噂されている。メガコープCEOの秘書、後継者の家臣、部族長の補佐役なども皆、FIOの名簿に載っているのではないかと言われたりもする。そのうちどれだけが真実で、どれだけが誇大妄想的なフィクションなのかは議論の余地がある。連邦そのものはほとんど援助しない。なぜなら、政策上、外国政府へのスパイ行為については常に否定しているからである。

公式には、FIOは大統領にのみ報告し、大統領の承認によってのみ活動することになっている。しかし、Mentas Blaqueが台頭してからは、ますます自主的に行動するようになってきた。ブラックイーグルスは秘密警察に過ぎないと主張する者もいるが、彼ら自身としては、あくまでも連邦そのものを守るために活動しているだけだと語っている。厳密には、その連邦のビジョンというものが一体誰のビジョンなのか、疑問の余地が残るところだが。

文化と宗教

連邦の文化を動かす核となる価値は、個人の自由である。これは文明のあらゆるレベルにまで浸透しており、個人は概して自分の好きなように生活することができる。人はどんな人種、宗教、信条であっても構わないし、一般的には連邦内のどこに行っても受け入れられ、機会を見出すことができる。この多様性により、連邦はすべての帝国の中で最もコスモポリタン的な存在となっている。他の3つの帝国はよりマクロ的な同質性を目指す傾向があるが、連邦においては小さな都市であっても、ガレンテ人はあらゆる経歴、血統、信条を持つアマー人、カルダリ人、ミンマター人と肩を並べて歩いていることが見てとれるだろう。

文化

連邦の高い生活水準と相まって、この偉大な自由は市民自身が望む人生を追求することを可能にしている。シンプルな物事の中に楽しみを見いだしている人は、大抵現実の困難やストレスをあまり感じることなく、リラックスした暮らしを送ることができる。何かを追求することのみを生きがいとする人は、幸運と忍耐をもって、目標を達成し、偉大なものを手に入れうるだろう。夢は無価値なものではなく、願望は達成できないものではないのだ。

ガレンテは多くの芸術分野においてイノベーターであるが、(たとえガレンテ人の考え方を手っ取り早く象徴するためだけだとしても)ある特定の側面は言及する必要がある。ガレンテの芸術は、その限界を押し広げようとする傾向もあって、ニューエデンの他の国の多くの人々にとっては、ほとんど理解できないほど複雑なものとなっている。

例えば、多くのガレンテの物語では、ストーリーは風刺の上に風刺を重ね、微妙な動きと形式で構成されている。その結果、観客はプロットを追うことよりも、表現の微妙なニュアンスに基づく断片を解釈することに苦心することになる。
だから、典型的なガレンテ人が、最新のガレンテ映画(ホロリール)を熱心に鑑賞している一方で、ガレンテ人以外の人は同じものを見ながらも、まったく何も起こっていないと感じることも起こり得る。さらに、多くのガレンテの作品では、このような込み入った表現が何度も繰り返され、ガレンテの批評家や学者が嬉々として考え続けるようなメタ的な階層を作り出しているが、物語分析の複雑さに関心のない人々にとっては、空虚なはったりにしか見えないのである。

実質的に考え得るあらゆる種類の文化やサブカルチャーは、連邦内で目にすることができ、それらは自在に融合している。ガレンテ・プライムのCrystal Boulevard(クリスタル大通り)を歩いてみると、恐らく同じように見えるひとはいないだろう。手足の半分をサイバネティックスに改造した女性がサニ・サビック信仰の礼拝者の横に立っていて、Adakulの僧侶が遺伝子を改変した人々を率いて瞑想の練習をしているのを二人で見ていたりする。あらゆる宗教の教会が軒を連ね、聖職者たちは和気あいあいと世間話に花を咲かせながら、信者達が来るを待っている。

宗教

宗教に関して、他の多くの分野と同様に、ガレンテ人はとてつもない多様性を示している。新しい信仰はいつも現れたり消えたりしており、通常は既存の宗教や哲学の要素を取り入れ、それらを新しい方法で組み合わせている。世俗的な皮肉屋たちは、これらの 「ダイエット宗教 」は、無邪気な精神的探求者から金を奪い、伝道師に対して税金を優遇するための方法に過ぎない、と言うのが好きである。
確かにこのようなケースを耳にしないこともないが、それでも、相当数のケースでは、これらの宗教は真実を見つけたと純粋に信じる人たちによって立ち上げられ、運営されているのも事実なのである。――翌月に新たな宗教がやって来て、すべてを変えてしまうまでは。

多種多様ではあるが、ガレンテ起源の宗教はいくつかの共通項がある。ひとつには、その実践においてはあまり厳格でも形式的でもない傾向があり、原則として組織に奉仕する規則や教義よりも個人とその幸福に重点を置いている。
儀式は多岐にわたるが、より高次な力と交わるべく、何らかのハーブや化学物質の助けを取り入れる傾向がある。ほとんどの場合、これらは合法的なものであるが、時折(特に新しい宗教の場合)地方や連邦の承認プロセスにおいて滞り、まだ違法になっていない精神活性化合物が使われることもある。アマー人が、ガレンテ人の宗教活動をドラッグパーティ程度のものでしかなく、宗教を無謀な快楽主義の口実にしているだけだととらえているのも驚くようなことではないだろう。

どの人が宗教的で、どの人がそうではないのかを推測するのは難しい。典型的なガレンテの家庭(そんなものがあればの話だが)で育つ子供には、異なるふたつの宗教(または世俗的な哲学)を信仰する両親がいること請け合いである。さらに、最も信頼できる統計によれば、その子は人生の中で、少なくとも2回は信仰や宗派を切り替えることになる。
ガレンテの社会は常に流動的であり、従って、ほとんどの住民の精神生活も移ろいやすいものである。そのため、宗教団体が栄枯盛衰を繰り返すにつれ、各個人の所属も変わることになる。実際、あるガレンテ市民の生涯において、その人がいくつかの世俗的、哲学的、宗教的なサイクルを経験することはよくある。それらをどれだけ深く感じるのかは、当人のみぞ知ることである。

政治

もちろん、これらすべての自由には代償が伴う。一般的に違法と考えられているのは、他者に害を与えるものだけである。しかし、すべての当事者の同意がある限り、目を向ける方向をわかっていれば、ほとんどすべての欲求を満たすことができる。連邦で育つ人々は往々にして根本的な衝動を抑えることを学ぶものだが、それが抜け落ちている者も常に存在する。例えば、連邦に移住する外国人は、注意しなければ容易に飲み込まれてしまうことが多い。

連邦はその輝かしい偉大さゆえに、停滞に陥る危険を有している。選挙における有権者の投票率が数十年にわたって一貫して低下していることが何よりの証である。大統領選挙をはじめとする連邦の大きな選挙の投票率はそれなりに高いが、地方選挙の投票率は常に最低を更新している。
これは連邦の偉大さによる避けられない副作用であり、皆が満足しているから、声を上げ、変化を起こす必要がないのだ、と考える人もいる。一方で、有権者を遠ざけてしまうのは幸福ではなく、まったくの無関心であり、皆、自分のことに夢中で誰が法律を作るかなど気にしていないのだ、と考える人もいる。

多様性ゆえに、多くのガレンテ人の間に統一的な目的が欠如していることもやっかいの種だ。アマー人には宗教があり、カルダリには企業への忠誠心があり、ミンマター人にはクランと部族があるが、ガレンテ人と他のガレンテ人を結びつけるものはほとんどない。連邦の上層部には、いざというときにすべてが簡単に崩壊してしまうのではないかと心配する者もいる。

そこから極右の反体制文化(訳注:カウンターカルチャー。ここでは政治的な反体制というよりも既存の文化や慣習に対抗するという意味合い)が生まれ、現在の連邦情報局のトップであるMentas Blaqueと彼の影となり暗躍する「ブラックイーグルス」と呼ばれる特殊工作員チームが英雄視されるようになった。このグループは連邦内で急速に影響力を持ちつつあり、その見えざる腕がどこまで届くのかは、まだ誰も知らない。

有権者ブロック

ガレンテの政界では、住民を有権者のブロックに分割する習慣が古くからあり、特に5つのグループが際立っている。

タカ派

ジンメイ人やマナー人の間で最もよく見られる(当然ながら連邦の軍人にも多く見られるが)軍国主義的な姿勢を主張する人々の中に常に存在する小数派である。この立場を貫くためには一風変わった考え方が必要だ。タカ派の最大のグループは、連邦の偉大さ(そしてその影響力を可能な限り遠くに広める必要性)を熱烈に信奉する純血主義の愛国者たちである。

文化的な影響を拡大するということが有効な攻撃手段でもあることは明らかであるので、この政治的な傾向には退役将校やエンターテイメント界の大物たちが集まってくることが多い。近年の攻撃を受けてタカ派は、カルダリ軍を後退させた上で、継続的に反撃し続けるのに必要な軍事力を展開することを視野に入れて、慎重に状況分析することを求めている。

Foiritanはタカ派と友好的な関係ではなかった。彼らはBlaque(訳注 : Mentas Blaque、Foiritanの政敵)とより多くの共通点を見出す傾向があり、Foiritanがオフィスから出て行ったことに安堵のため息をつき、はるかに好戦的ななJacus Rodenを歓迎した。

ハト派

このグループは主にインタキ人とあらゆる種類の芸術家たちで構成されている。彼らは誰から見ても明白に防御的な場合を除いて軍事行動に反対しているが、「文化戦争」を通じてガレンテ人の信条を広めることに反対しているわけではない。ガレンテの最近の歴史は、軍事行動に抗議することを困難なものにした。(抗議する者はほとんどなかった)しかし、ハト派の考え方は、年々顕著に回復しており、依然として人口の中で妥当な割合を占めている。

このグループの人気の一因は、この運動の支持者たちが長年にわたって、見当違いな過激思想に陥らずに首尾一貫した立場を貫くために多大な努力を費やしてきたことにあると思われる。
彼らはもちろん謂れのないカルダリの攻撃に愕然としたが、仲間であるガレンテ人の間で起こった無制限の報復を求める声にも同じようにショックを受けた。ほとんどのメンバーは、Luminaireを取り戻す必要性は認めているが、いかなる行動も可能な限り平和的になされるべきだと警鐘を鳴らしている。同時に、極端な一部のハト派メンバーは、現在の政治的な流行ではなく、カルダリの立場に本当に同情している。

ハト派は、Foiritanを完全に信頼していたわけではなかったものの、常にうまくやれていた。しかしRoden大統領とは最悪な時を過ごすことになりそうだ。

ハゲタカ派

ハゲタカ派は軍事請負業者や金融業者、ジンメイ人やガレンテ民族など、個人商店の労働者に至るまであらゆる階層の人々で構成される、より意外性のないブロックのひとつである。
このグループはあらゆる機会を利用して、現在の出来事を自分たちの利益になるようにしようとするが、実際その影響がどのように派生するのか、他人にどのような負担をかけるのかなどは考慮しない。ある行動を通じて得られるお金や力があるのなら、その目的を達成するまで、彼らは可能な相手であれば誰に対しても圧力をかけ続けるだろう。驚くことではないが、彼らは連邦内で最も有効なロビー活動団体である。

ほとんどのハゲタカ派にとって、本格的な戦争の可能性は過去50年間の中で最もエキサイティングな出来事であり、この状況から最大のリターンを引き出すために何をすべきかをすでに正確に理解している。
このグループは最も極端な選択肢を強く求めている。実際、連邦海軍全体をLuminaire集めることを提唱しておいて、その結果を酷評するような者もいる。彼らはその時々において自分にとって最も有益だと思われる相手を支援するだろう。Jacus Rodenの軍国主義は非常に儲かるように思われるが、もしMentas Blaqueの方が彼らの要求により便宜を図ってくれそうなら、彼らは一瞬にしてBlaque支持に回るだろう。

マグパイ(カササギ)派

マグパイ(カササギ)派はガレンテの政治において最も大きく、最も気まぐれなグループである。連邦内のあらゆる職業や生活様式の人々で構成されているが、彼らは移り気で、政治に対して表面的な理解しかなく、ちょっとしたことで大げさに憤慨することで共通している。
概して彼らはばらばらな利益団体の大集団を形成しており、今までの主張が陳腐で退屈になり、新しい主張が芽生えると、一見してでたらめな方法で解散と改変を繰り返す。ガレンテの政治において最も強い力を発揮するのは、この放蕩者たちが特定の主張のために団結したときである。このとき、支持は急速に雪だるま式に増え、彼らはほとんど止められなくなる。ありがたいことに、これはめったにないことだ。

このグループは、近年のショックからまだ立ち直る途中だが、事情通は、彼らが何らかの反撃を支持すると見ている。具体的にどのような形になるかは推測の域を出ないものの、報復的なムードになることは避けられないようだ。政治的・軍事的指導者たちは、犠牲者が出始めればこのような世論は維持できないだろうということを知っているが、このグループは、自分たちが望むものを手に入れられる限り、どの指導者がそれをしてくれるのかは全く気にしないことも知っている。

オーストリッチ(ダチョウ)派

これらはおそらく2番目に大きなブロックであり、ガレンテ民族、低賃金労働者、高給取りの成功者などが不均衡な割合で含まれている。
彼らは政治や連邦としての出来事には全く興味がない。自分の立場に満足しているか、忙しくて気にしていないかのどちらかだが、最終的な結果は同じだ。しかし、多くの政治家が相当な犠牲を払って知ったように、彼らを単純に無視することはできない。彼らのうちかなりの人々が、感覚的にしたいと思ったとおりに投票するが、概して、実際に聞いたことのある人(それができなければ、最も興味深い名前の人)に投票する。実際に彼らの生活に干渉することで注意を引いてしまった指導者気取りの人は哀れである。多くの政治家志望者は、ライバルが労働者の保護を減らしたり、乱痴気騒ぎを取り締まったり、人々の生活に不必要な干渉をしようとしていると適切な人々にほのめかすだけで、ライバルを破滅させてきたのだ。

このグループの戦争への関心は、ニュースの見出しを見てぶつぶつ不平を言ったり、まったく見当違いな議論をする程度で、ほとんどの人は現職の大統領の名前すら言えないが、これは関係者の間では良いことだと思われている。

ガレンテ人の成育

ガレンテの子供にとって、家族の裕福さはその環境を大きく左右する。貧乏人であるということは、かろうじて足りる程度の医療しかなく、時には乳児の内に死に至ること意味する。豊かであるということは、好ましい特質のための遺伝子改変と、健康で美しい、流行のタイプの子供になることを意味する。このような慣習は普遍的なものではないが、同じ時期に生まれたガレンテの富裕層の子供たちに類似点があることに多くの人が気づくほど一般的なもので、当時どの遺伝子が流行していたのかを反映している。

ガレンテの子どもたちは、生まれてから数年間はほとんど家族と一緒に過ごす。親は新生児と過ごすために政府が定めた十分な休暇を与えられ、親が忙しくしている間に年長の子供を世話するための一般的な保育制度も存在する。この時期、多くの子どもたちは、個人の思考を促すため、少なくとも優れたプログラムにおいてはおそらく何らかの適性や興味を見出すための遊びの時間に多くの時間を費やしている。しかし、貧しい人々でも、多少なりとも政府の援助に頼ることができる場合が多い。

連邦の学校教育は公立で無料だが、社会階層によって学校の質は大きく異なる。より貧しい(そしてより荒れた)世界や地区では、教育がすべて機械技術的な手段で行われることも珍しくはなく、人間の教師がいることはごく稀である。一方、経済的にゆとりのある人々向けの専門的な教育を提供する私立学校も数多く存在する。子供たちは自分の得意な分野に集中しつつ、それ以外の分野についても基礎を身につけることができる。
教育理論は、連邦の他のあらゆるものと同様に、流行り廃りがある。あるクラスでは、生徒が自分たちで授業内容を考え、スケジュールを立てることが奨励されているかもしれないし、別のクラスでは、より伝統的な制服と決められたカリキュラムが用意されているかもしれない。
しかし、どのような環境であろうと、ガレンテの子供は皆、ガレンテのシステムにおける自由の恩恵について教わっており、少なくとも連邦における基本的な権利と行政の構造を知らないガレンテ人は稀である。

ガレンテの学生が初等・中等教育を卒業すると、ほとんどは大学やアカデミーに入学する。連邦には何千ものそのような教育機関がある。その中には加盟国によって運営されているものもあれば、民間で運営されているものもある。ここでも富裕層は子供たちを高額で非常に権威のある学校に入学させることが多いが、多くの場合、これらの学校には経済的に恵まれない才能のある学生のための奨学金がいくつか存在する。
大多数の学生は、公立の学校や、手頃な価格の様々な私立大学に入学する。貧困層の学生であっても、地元のコミュニティ・トレーニング・センターの基本プログラムに登録する。

大学やアカデミーでの教育修了のためには、プログラムに応じて2年から6年かかる。この時期、学生は将来のキャリアに向けて学ぶだけでなく、政治的・社会的団体に参加することも多い。学生は自由に自分たちに合ったライフスタイルや進路を模索し、見いだすことができる。この時期は、ガレンテの若者にとって最も重要な形成期だと考えられている。なぜなら、ここでは育成環境による不公平が平準化し始め、自分の適性を見いだし、手の届くところにチャンスがあることに気づき始める頃だからである。

また、彼らは社会性を身につけることも奨励される。ガレンテ人は適切な社会性をある種の技能であり、絶対的に必要なものだと考えている。富裕層やほとんどの優秀な学生は秘密の、もしくは少なくともプライベートな社交団体に参加する一方、他のほとんどの学生は学生同士の社交クラブや、政治的団体に参加する。それが社会的集団を組織してゆくのだが、その力や影響力は結局の所メンバー達の賢明さや適応力に大きく左右されることとなる。この時期に得た多くの友情や人間関係は、ひとりのガレンテ人として人生を通じて続いてゆくことになるだろう。

一般的に、高等教育が終わると、ガレンテ人は一人前の大人だと社会から見られるようになるが、そのほとんどは大学入学前に成年に達している。多くは企業や政府機関に新人として入社している。一部にはフリーランスになったり、他の帝国で働くために移住する者もいる。また、質の高い雇用を確保することができない不幸な者も少数存在する。彼らは無職だったり公民権を失うとまでは行かなくとも、ガレンテ社会の最下層である貧困労働者階級に属することとなる。これはまた、何らかの理由で教育を修了できなかった人々が最終的にたどり着く場所でもある。
これらの人々を助けるための様々な援助プログラムが存在するが、多くのガレンテ人は、貧しい者がその立場にあるのは、自分の選択とやる気の欠如の直接的な結果であるという考え方を支持している。結局のところ、あなたはガレンテ人として、何をしようと自由なのだ。

血統

ガレンテ人は閉鎖的ではない。連邦の境界部にはNEW EDENの様々な種族が様々な規模で暮らしており、そのほとんどが政治的・イデオロギー的な違いから、あるいは単に平和と繁栄を求めて自分たちの帝国を離れた人々である。これらに加えてふたつの民族、インタキ人とマナー人が存在する。このふたつの種族はガレンテ人が自らの帝国を開拓し、拡張してゆく中で発見された存在で、発見当時はとても原始的なレベルであったものの、ガレンテ人の庇護下に入り指導を受ける中で両種族共に繁栄し、現在では連邦の正式なメンバーとなっている。

カルダリは当初連邦の一部であったが、彼らとガレンテ人との間には根深い相違と敵意があり、独自の国家を求めガレンテを離脱した。一時、ふたつの帝国は戦争状態となったが、どちらも決定的な勝利を得ることができず、結局和平を結ぶこととなった。

ガレンテ人

ガレンテ人は、彼らにちなんで名付けられたガレンテ連邦を象徴する存在である。自由を愛する探検家であるが、快楽主義的で行き過ぎる傾向がある。また、彼らは連邦内で単一の民族として最大規模ではあるが、過半数を占めているわけではない。
ガレンテ人はあまりにも友好的かつ寛大で、さらに外交的であり、他の文化では完全にタブーとされるようなことでも仲間内ではそれを容認しようとする。もちろん、これはガレンテがクラスター内で類を見ない文化的な勢力であることを意味しており、自分たちの考え方を他の帝国へと輸出し、徐々に魅了し、素晴らしい個人の自由の美徳によって、よりガレンテ寄りの理想を持つように影響を与えてゆくのだ。

多くの人は、この寛容さは、内にある文化的優位性を隠すための薄っぺらなものに過ぎないと主張するだろうが、完全に間違いだというわけではない。結局のところ、平均的なガレンテ人にとっては、連邦とその生活様式がニューエデンの他の文明よりも優れているということは議論の余地のないところなのである。もしそれに反対されても問題はない。ガレンテ人は真実は真実だと確信しており、議論は無意味なのだ。議論して仲間外れにするのではなく、滅多に失敗することはないが――腰を据えて自分たちの文化や商業的な教化が相手に浸透してゆくのに任せている。

インタキ人

ガレンテ人に次いで連邦で2番目に人口の多い民族であるインタキ人は、深い精神性を持つ人々である。緑豊かな惑星、インタキ・プライムからやってきた彼らは、優れたコミュニケーターや外交官として知られている。インタキ族は冷静沈着で、感情を爆発させることはほとんどない。この控えめな性格が功を奏し、ガレンテからの圧倒的な圧力に直面しても、文化的な整合性を保っている。

彼らに最も共通する特徴のひとつは、「Ida」と呼ばれる信仰体系である。本当の意味での宗教ではないが、Idaは、多くの人生を送り、その過去の人生の記憶を引き出すことができる例外的な個人がいると教えている。これらのいわゆる「Reborn(再生者)」のほとんどは、特殊なテクノロジーをもって過去の人生を探求しているが、「Idama(イダマ)」と呼ばれる幾人かの特別な者達は生まれつきそれを呼び出すことが出来る。
クローン技術の登場は、多くのインタキ人のこれらの信念をより強固にするばかりで、彼らはクローン化は精神的な道のりの次なるステップであると主張している。

ジンメイ人

最近になって母星系から活動範囲を広げてきたジンメイ人は、連邦の他の血統と比較しても珍しい存在である。
彼らの最も特筆すべき特徴は、カースト制度を継続的に遵守していることであり、多くのガレンテ人はそれをせいぜい風変わりな珍しいものとしか見ておらず、どちらにせよ時代遅れで退行的な、危なっかしいものだと考えている。しかし、ジンメイ人はそれに満足しているようであり、彼らにやり方を変えさせる政治的圧力はほとんどない。

Sang Do(「領主」を意味する)カーストは、この制度のトップに君臨している。彼らは伝統的にジンメイの支配者であり、ジンメイが民主的な制度に移行しても、自らの権力を維持することになんとか成功している。
Saan Go(「高位」を意味する)は中間に位置するカーストであり、ほとんどの場合、政府官僚や裕福な実業家として活動している。彼らはSang Doに従ってはいるが、その人数と商業的な努力により、自分たちの星系内よりもその外側でより大きな影響力を持っている。
最後に、Jing Ko(「良き精神」を意味する)は底辺に位置するが、この場合、その言葉の響きほどに悪いものではない。Jing Koは一般的に、彼らが最もよく比較されるアマーの平民よりも豊かで気楽である。

マナー人

マナー人は連邦の中で最古参メンバーのひとつであり、頑固で強情だという評判だ。彼らは熱狂的なナショナリズムで悪名高く、連邦への貢献、特に連邦軍に多くの兵士を派遣していることで高く評価されている。

その他の血統

この連邦は、民族的に実に多様である。先に述べた血統に加え、マナー人も連邦の中核をなす民族のひとつである。しかし、まだ多くの人々がカプセラとなっていないため、星間シーンには大きな影響を及ぼしていない。しかし、全体的には勤勉で温厚、家庭的な人々として知られており、連邦の他の民族よりもやや保守的である。

また、連邦内には多くのミンマター人も存在する。全ミンマター人の5分の1近くが連邦内で暮らしていると推定されているが、共和国が文化的・経済的な復興を遂げたことで近年はその数は減少している。
ミンマター人の多くは元々、貧困や犯罪から逃れるために共和国を離れ、自分たちや家族のより良い生活を築くために連邦にやってきた。多くの人々は依然として部族の信仰と慣習を維持しつつその夢を貫いており、その結果として、連邦内には複数のミンマター人の大規模な居留地が存在し、時にはガレンテ人の都市に匹敵するほどの規模になることもある。

また、カルダリ人も多く住んでおり、そのほとんどは第一次ガレンテ・カルダリ戦争中の撤退後もカルダリ・プライムに留まっていた人々の子孫である。連邦に居住するミンマター人とは異なり、そこに住むカルダリ人は、一般的にガレンテの文化を自分たちのものとして受け入れている。
連邦に来たアマー人もいる。中には、自分たちの神の言葉を平和的にガレンテに広めるための宣教師としてやって来た者もいれば、アマー帝国の包括的な宗教的教化から逃れようという全く反対の理由でやって来た者もいる。

重要人物

Jacus Roden

Jacus Rodenは、現在のガレンテ連邦の大統領であり、ハイテク研究開発企業であるRoden Shipyardsの創設者でもある。彼のビジネスにおける道徳性は長年にわたって疑問視されてきたが、そのやり方で結果を出してきたことについては議論の余地がない。彼の名を冠したその企業は、NEW EDENの船舶テクノロジー分野において最も重要なディベロッパーのひとつである。

しかし、Jacusが企業の日々の運営に携わってから数十年が経過した頃、当時の大統領であったSouro Foiritanによる連邦の軍産複合体の国有化に対抗するため、彼が辞職したことは、国家全体を驚かすものだった。Foiritanが後に大統領を辞任したとき、Rodenは自らの立候補を表明し、国中をさらに驚かせた。

Rodenは強烈な選挙運動を背景に勝利し、これまでのところ彼の大統領職はかなりの成功を収めている。彼のリーダーシップの下で、連邦はEmpyrean戦争の流れを変え、カルダリ・プライムをTibus HethのProvists(Caldari Providence Directorate【カルダリ国家憲兵隊】の俗称)から解放した。しかし、彼とMentas Blaqueは連邦の方向性をめぐって対立していると噂されていて、一部の人々は実権を握っているのはBlaqueだと主張している。

Mentas Blaque

連邦で最も狡猾で冷酷な人物の一人であるMentas Blaqueは、何十年にもわたって権力の中枢で活躍してきた。彼は30代後半に全国区で頭角を現し、地元Solitudeの選挙区から上院議員に選出された。彼はSociocrat党の一員として鎖国政策を唱えていたが、当時の大衆感情とは相容れないものであった。しかし、知性とカリスマ性、そして政治的センスで上院議長の地位を勝ち取り、大統領のSouro Foiritanと度々対立することになる。

大統領への立候補が失敗に終わった後も、BlaqueはFoiritan側の政治的な悩みの種であり続けた。彼は連邦に、敵に対しては攻撃的であり、裏切り者に対しては冷酷であり、外国人を疑うべきであると強く主張した。彼の勧告の多くは無視されたが、この事実が連邦にとって大きく裏目に出ることとなったのは、カルダリがコンステレーション・セキュリティ・システムを回避し、カルダリ・プライムを電撃作戦で占領した時だった。

これを受けてFoiritanは、かつてのライバルをFIO(連邦情報局)のトップに抜擢した。Blaqueは直ちに「Black Eagles(ブラックイーグルス)」として知られる「Special Department of Internal Investigations and Federal Security(内部調査・連邦安全保障特別部)」を創設し、連邦に対する裏切り者や陰謀を企てる者を根絶やしにするための幅広い権限を委託した。
ブラックイーグルスは、連邦の安全を守ってきたと評価される一方で、国民の自由やプライバシーを平気で踏みにじる秘密結社に過ぎないという批判もある。

Souro Foiritan

インタキ出身のSouro Foiritanは、YC111年後半の悲劇的な転落までは、連邦史上最も愛された大統領の一人であった。元々、人気のあるProgressive Party(進歩党)の上院議員であり、Foiritanはその雄弁さとカリスマ性でよく知られていた。連邦の偉大な外交官の一人であり、アマー帝国、ミンマター共和国、カルダリ連合と協力してニューエデンの平和と繁栄を維持すべく働いてきた。彼が連邦大統領に選出されたのは大きな驚きではなかった。

しかし、任期が終わりに近づくと、彼は2期目の続投を可能とする法改正に着手した。このため選挙は何度も延期され、反対派はその合法性に異議を唱えたが、彼の人気からも勝利はほぼ確実であった。結局、彼はライバルのMentas Blaqueに大差をつけて勝利したが、これは彼が大統領任期中に犯した多くの失態の始まりであった。

さらに一連の過ちが続いた。彼は敵対するカルダリの指導者であるTibus Hethとの外交と融和を図り、悲惨な「一日戦争」を引き起こした。この戦争でカルダリ・プライムはカルダリ連合に奪われた。その後、State Protectorate(連合プロテクトレイト)はEmpyrean戦争において紛争地域をすべて占領した。これを受けてFoiritanは連邦の軍需産業企業を国有化しようとしたが、Jacus Rodenの指導の下、それらの企業は一様に彼の大統領令を拒否した。彼に対する世間の信頼が底を付きつつある中、Foiritanは不名誉な形で大統領職を辞任することとなった。

辞任したとはいえ、Foiritanは依然として休眠状態の政治勢力であり続けている。今のところはほとんど沈黙を守っているが、多くのアナリストは、彼は再び政治的な脚光を浴びる時を見計らっているだけだ考えている。


参考文献

この文章は下記原典を翻訳したものです。原典の著作権はCCPに帰属します。
EVE Universe – Lore – Gallente
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