Written in YC102-03-02
現在では自ら名付けたニックネーム「Fatal」と「the Rabbit」としてよく知られている、Jirai LaitanenとKorako Kosakamiは、カルダリ海軍のthe 37th (Octopus)Squadron(第37(オクトパス)戦隊)における有望な艦長としてそのキャリアをスタートさせた。Laitanenは鋭く、才能ある艦長で、弁舌が巧みでカリスマ性あふれる笑顔を持っていた。多くの人は彼が最終的に権威ある地位に就くものと期待していたが、彼はまた強い虚栄心と貪欲な性格も持っていた。その性質が最終的に彼を脱走させることとなったのである。Kosakamiは友人のLaitanenに比べてより内向的な性格だったが、才気にあふれる天才的な技術者だった。
あの一週間、Laitanenは昇進を見送られ、Kosakamiは致命的な不時着について非難された。そしてこの友人たち二人は、脱走しようと決心した。彼らはCondor級フリゲート艦2隻――今も彼らが使っているものだ――を盗み出し、カルダリ宙域とガレンテ宙域の間にある海賊たちがはびこるエリアへと飛び立ったのである。これはYC86のことだった。
彼らが犯罪社会に馴染むのに長くはかからず、到着してから数ヶ月後、彼らはGuristas(ガリスタス)と呼ばれる独自の犯罪組織を組織した。これはカルダリ語で「ワル」を意味する単語と「ギャング」を意味するスラングを融合させたものである。
ガリスタスは、文明化された領域に襲撃をかけることで有名であり、そんなことをしようとしたり、また、できる海賊団はほとんどいない。これらの襲撃の目的はほとんどは貨物船から貨物を盗んだり、身代金目当てで乗客を誘拐することであるが、国家施設(採掘施設やセントリーガンなど)を破壊することが主な目的である場合も少なくないようだ。このため、一部の悪質な帝国企業や政府が、競合他社の財産を奪うためにガリスタスを雇っているのではないかとの憶測もある。
しかし、ガリスタスの襲撃の中で群を抜いて有名なのは、彼らが駐カルダリのガレンテ大使を誘拐し、その家族から莫大な身代金を受け取った時のことである。この誘拐自体、見事な手際であり、FatalとRabbitがほとんどの人々が海賊と聞いて思い描く、ステレオタイプな能なしのやんちゃ者というイメージからはほど遠いこということを明らかに示していた。
ダイヤモンド王であるDarouen Rileauの息子であるLuecin Rileau大使には、唯一目立った悪癖があった。それはギャンブルだ。彼がギャンブルに魅了されていたことが、おそらく彼がやりにくいポジションだと悪評の高い駐カルダリ大使になろうとした理由だっただろう。彼は、カルダリ領Vellaine星系、Echelon Entertainment StudioステーションにあるGrand Tiegjonカジノに足繁く通っていた。FastalとRabbitが襲ったのはそこだった。
彼ら二人は、変装してステーションに入港した。Fatal(Laitanen)がカジノに入った一方で、Rabbit(Kosakami)は船に残った。Fatalは、Rileauが参加していた人気の電子ボード式ギャンブル、Pettokoriに自分も加わった。このゲームの流れの中で、Fatalはわざと大使に負け、とうとうお金が足りなくなると、Fatalは自分の船を大使に提供することとなった。大使はこれを受け入れ、ゲームに勝利した。Fatalは大使が勝ち取った船を見せようと提案し、大柄なボディガード達を従えていたRileauはそれを受け入れた。
しかし、そのゲームが行われている間、Rabbitは忙しくしていた。彼は催眠ガスを満載したタンクを積んだ船に乗船ランプを接続していたのである。言うまでもなく、大使と彼のボディガード達が乗船ランプに入るや否や、彼らは眠りに落ちてしまった。そしてRileau大使は船の中に運び込まれ、FatalとRabbitは何事もなかったようにステーションから出港した。警報が鳴ったのは、それから一時間もしてから他の船が同じ停泊場所にドッキングし、乗船ランプがいびきを掻いているボディーガード達でいっぱいなのを見つけた時だった。しかし、その時には誘拐犯達は遠くへ去ってしまった後だった。
ガレンテ連邦は犯人を逮捕することができず、結局、大使の家族はガリスタスに対して、未カットのダイヤモンドで巨額の身代金を支払った。このドラマはマスコミの注目を集め、FatalとRabbitは一躍注目を浴び、そのことを享受していたが、これは結局彼らの妨げになっただけであった。EVEの世界で最も悪名高い犯罪者であることには欠点がある。それは主にあちこち移動することが以前ほど容易ではなくなることだ。このため、ガリスタスは数ヶ月間に渡って、身を潜めることを余儀なくされたのだ。
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EVE Universe – Chronicles – Fatal and the Rabbit
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