EVE ONLINE
おそらくPCでオンラインゲームを嗜むあなたなら、耳にしたことがあるのではないでしょうか?
アイスランドのCCP Gamesによって2003年にサービスが開始された、宇宙を舞台にしたMMORPGです。
公式から引用
EVE Onlineは、コミュニティが世界を動かす宇宙船MMORPGだ。プレイは無料、膨大な選択肢の中から自分の道を選ぶことができる。
宇宙探索、奥深いPvPやPvEバトル、そして今もなお拡大を続けるサンドボックスな世界観の中で、プレイヤーたちが築いている活気ある経済を体験しよう。
ゲーム内で体験できる職種や活動は様々だ。7000を越える星系を舞台に、数十万人のプレイヤーが戦争や政治、海賊行為、商売、探索などを繰り広げている。
要はとってもスケールが大きくて、戦闘だけじゃなくて探検、生産、商売、組織運営とか色々できるゲームということです。とは言え、リリース当時ならいざ知らず、2021年現在、スケールの大きなオープンワールド系のゲームもたくさんリリースされています。とすると、新規プレイヤーにとっては「あえて今から始める価値があるのか?」と思ってしまいがちなところです。
そこで、そういったスケールの大きな他ゲームと比べても未だにこのEVE Onlineがとてもおすすめな理由をお伝えします。
「ワールド」はひとつ
※ 法律的な理由で中国のみ別サーバで運営されています。
全世界のプレイヤーが同じフィールドで暮らしています。2021年現在も「同時接続」が2万~3万人台(登録者数じゃありませんよ)を数えます。広大なオープンワールドを売りにしているゲームでも、普通はプレイヤー数が多ければ多いほど、たくさんの世界に区切られた中で暮らすこととなります。
EVEは膨大な全世界のプレイヤーがシームレスな単一世界上で暮らすことで、まさに一つの社会を形成することに成功していると言えるでしょう。私は個人的に、このゲームの最も大きなセールスポイントはこの点だと思っています。
- 弾丸一発から、装備品、プレイヤー用の建造物や超巨大艦船まで、ほとんどのアイテムがプレイヤーによって生産されます。多種多様なアイテムの供給がプレイヤーに託されています。これは人数が多くないとなかなか成り立ちませんよね。
- 生産品は全星系中にプレイヤーによって運搬され、販売されます。商品は多くのプレイヤーが動くことで自然と商業地が形成されてきました。(後述の「広大な世界(宇宙)と不便で現実的な物流」もご覧ください)
- 半端なプレイヤー数なら、どこかに一極集中して終わりでしょう。そしてシステムとしてどこからでも同じマーケットから買い物できるという風になっていきがちです。
- 生産品の価格もプレイヤーの商業行為によって決まります。その数が膨大で、かつ複数の商圏に供給され、価格が決まってゆくことから、現実と同じような値動きのある相場となり、トレーダー(貿易商)というロールプレイも成り立つ世界になっています。
- 絶え間ない需要と供給と、複数のマーケットの発展が、価格の単なる高騰や下落だけではなく「波」を作ることに成功しています。
- その膨大な生産品は、膨大なプレイヤーが繰り広げる戦闘で日々消費され、その需要と供給の輪がとぎれることはありません。
- 昔からマーケットシステムを売りにしているゲームは多くありましたが、需要ある商品はごく一部のレアアイテムと純然たる消耗品だけになってしまったり、プレイヤー数の減少でマーケットとしての体をなさなくなったりしているものが多くあります。
- コーポレーション(他ゲームで言うギルドのようなもの)の規模も、数百人から数千人というところも数多くあり(もちろん数人で構成されているところも数限りなくあります)まさに一つの企業のような組織運営が行われています。
- そのコーポレーションやアライアンス(コーポレーション間の同盟のようなもの)が様々な利権を求め争うことで、大艦隊同士の激しい戦闘が行われ、まさにプレイヤーによって世界の勢力図が塗り替えられ続けています。
- 特に大きな艦隊戦は、ニュースになるレベルのものも多々あります。その戦闘自体が歴史の一つとして年表に残るのです
- このような戦闘が行われることで、あらゆるものが消費され、それがまたマーケットの活性化に寄与しているのですね
- プレイヤーの数が多いと言うことは、その分多様なプレイスタイルも成り立ちます。
- 生産者、戦闘者というだけではなく、作る人がいれば原料を採掘したり調達する人があり、作られた物資を「運ぶ」ことを専門とする人もあり、それを襲うことを生業にしている人もいます。戦闘も大規模戦だけではなく、フットワークの良い小規模な戦闘を専門にすることもできますし、孤独な海賊プレイをすることも。当然PvP(対プレイヤー)だけでなくPvE(対NPC)のどちらでも楽しむことができます。
いかがでしょうか?
思いつくままに、人が多いことで成り立っているEVEの魅力の一端に触れてみました。
もちろん、このようなスケールの大きなことが成り立つのは、世界の広さと奥深さ、それをプレイヤーに供給するシステムがあってこそです。CCPは今も常に改善を続けていて、単なるシステムやグラフィックの改善だけではなく、戦力や経済のバランスを取る施策も頻繁に行っています。
その他全体的な特徴
- スキル制
- あらゆる行動にはスキルがつきものです。スキルを育てるのに長時間の経験値稼ぎは不要です。上げたいスキルを前もって登録しておくことで、ログインしているかどうかにかかわらず、時間経過でスキルを習得することができますIN時間が限られる社会人にも優しいですね。ただ、時間制ならかえって今からはじめても先人たちに追いつけないと思うかもしれませんが、最低限必要なスキルを習得するのにはそれほど時間はかかりませんし、戦場での勝ち負けや儲けの大きさはスキルだけに依存しません。高Lvプレイヤーには逆立ちしても勝てないようなシステムではないのでご安心下さい。
- 多種多様な艦船そして装備品
- 小さなシャトルやフリゲート艦から超巨大母船まで様々な艦種が存在し、それぞれ性能にも特徴があります。
- 戦闘艦だけではなく輸送艦、採掘艦、探索艦などの区分もあれば、戦闘艦を見てみても単独戦闘に向いているもの、大規模戦に向いているもの、戦場での妨害・支援に向いているもの、狙撃に向いているものがあれば突撃に向いているものもあり、ドローンや艦載機の母艦として真価を発揮するものもあります。
- その多種多様な艦船もFitと呼ばれる装備の付け方で、さらにまったく異なった船に仕上がります。これもよくあるRPGのように、強い装備を手に入れたら付けていく、という単純なものではありません。船自体の特性と自分の用途を考えて、何を強化するのか、何を捨てるのかを考える必要がありますし、そもそも選択肢が膨大です。このFitをシミュレートするための機能はもちろんゲーム内にありますが、外部ツールやWebサイトでもそれ用のものが広く使われています。そのことからもFitの奥の深さがうかがえます。ベテランさんでもFitを考え始めたらそれで半日や一日終わってしまったということがあるくらいです。
- 広大な世界(宇宙)と不便で現実的な物流
- No Man’s Skyなどのように、広大な宇宙がランダム生成されるタイプではありません。7000を超える星系はきちんと作られており、星系ごとの移動は基本的には星系をつなぐスターゲートを使うため、ルートが限られます。要するに、7000以上の町がきちんと道でつながっているというイメージなのです。
- このルートが決まっているということが、実は大切です。そのことからいわゆる主要ルートというものがプレイヤーたちの行動の蓄積で作られ、その要所に先ほど触れたような商都が生まれてきたのです。そして、商都と商都をつなぐようなルートは当然商人たちの往来も多くなり、さらにそのような場所には当然、商人を襲う海賊たちも集まってくる……といった感じで、無機質なはずの星の海が、生きた特色を持ったものへと昇華しているのです。
- その7000を超える星系ですが、星系というだけあって、それぞれが太陽系のような星系となっており、多くの惑星や衛星、アステロイド帯などを抱えています。惑星や衛星には資源も埋まっており、そのあたり星系によって特色もあったりします。
- モノは勝手に動きません。多くのオンラインゲームで、プレイヤー間で売買されるタイプのマーケットというのは、商品を集中させるために一つに集約されていることが多いです。すなわちどの町のマーケットでもすべての商品を買うことができるし、買ったものを受け取ることもできます。ところがこのゲームではプレイヤーが販売した場所でしか買えません。売る側も買ってもらえる場所で販売する(そこまで輸送する)必要があるし、買う方も手軽に買える近場の高い品と遠くで買える安い品を天秤にかける必要があるのです。(当然、自分の活動地域から離れた場所でものを買えば、輸送する必要が生まれます)一見不便極まりない仕組みですが、だからこそ現実的な物流が生まれるのです。
EVE Universeの仕組み
まず我々が住む太陽系のように、恒星を中心として惑星・衛星・アステロイドベルトなどが集まったソーラーシステム(Solar System)があります。
そのソーラーシステムがいくつも集まってコンステレーション(Constellation)と呼ばれる星系群を形成しています。
そのコンステレーションがいくつも集まってリージョン(Region)と呼ばれる領域に区分されています。
そのリージョンが集まったもの全体がEVE Universeとなります。
航路はソーラーシステム内のスターゲートで結ばれていて、これはコンステレーションやリージョンをまたぐこともあります。
- 奥の深さにふさわしい奥の深いUI群と外部ツール
- ここまで触れてきたスケールの大きな世界をPCのUIで遊び尽くすには、優れたUIが欠かせません。Eve onlineのUIはその全機能を把握するだけでもやり応えがあるくらいに詳細にわたり、かつ柔軟性があります。
- 位置情報・艦船装備をはじめとして、様々な情報はゲーム内チャットで共有できるだけではなく、ゲーム外へのコピペなどにも対応。コミュニティでの様々な情報共有の手段には事欠きません。
- キャラクターのあらゆる情報(基本的なキャラ情報はもちろん、資産情報、戦闘履歴、艦船Fitなど相当広範囲にわたります)を外部ツールに共有するためのシステムが完備されています。
- この情報共有のシステムは、情報を渡す範囲も細かく設定できるため、自分のみで使うツールだけではなく、コーポレーションのメンバー管理などにも広く利用されています
- 外部ツールはキャラクター情報の確認用のものから、商業行為や生産、採掘のサポートツール、マップツール、さらには全キャラクターの過去戦績などが参照できるものなど多岐にわたり、それでなくても普通のゲームに比べて奥が深すぎるゲーム内UI機能をこれでもかというくらいに拡張してくれます。
別記事でも触れますが、私は結構様々なMMOをプレイしてきました。でも、このEVE ONLINEにはまったく古さを感じません。今からでも大丈夫です。
とりあえずやってみようかと思われた方。
今は、制限はありますがまず無料アカウントでプレイを始めることができます。このリンクからアカウントを作って下されば、100万スキルポイント(やればわかるけど結構大きい)が無料進呈されます。その場合運営から私にもささやかな報酬がありますが、ささやかなものですのでご容赦を。
とは言え、このゲーム。
事前に調べれば調べるほど、不安になることがたくさんあります。
それは正直なところ、当たっている部分もあったりします。要するに人を選ぶ部分は確かにある、ということです。
ただ、外れている……というか、それほど心配する必要がないことも多々あったりしますので、次の記事ではその辺に触れたいと思います。
それではまた。
4 thoughts on “2021年 EVE ONLINE への招待”