CX-3と往く巡礼の旅 その9 - 西国二十五番 播州清水寺

どうもこんにちは。

2024年のゴールデンウィークは平日を三日間挟んでいたため、多くの人がカレンダー通り前半、後半に別れての休日となったようですが、ワタシもそのひとりです。今回はその前半にCX-3で参拝に伺いました。

山の上にあるお寺さんで、地図で見る感じではそんなに規模の大きなものだと思っていなかったのですが、広大な敷地に立派なお堂が並ぶ、観光地としても充分に楽しめるステキなお寺でしたよ!

播州清水寺ってこんなお寺さん

その他公式サイト記載の参加霊場

  • 播磨西国三十三箇所観音霊場 第二十一番札所
  • 播州薬師霊場 第十番札所

御開山法道仙人は印度の僧で、今より1800年前、人皇十二代景行天皇が治められていた時に、中国、朝鮮を経て御嶽山に住まわれ鎮護国家豊作を祈願されました。

推古35年(627年)推古天皇勅願により、根本中堂が建立され、仙人一刀三礼の秘仏「十一面観音」、「脇士毘沙門天王」、「吉祥天女」の聖像が安置されました。

もともとこの地は水に乏しく、仙人、水神に祈ったところ、霊泉が湧水し、その事に感謝して「清水寺」と名付けられました。

神亀2年(725年)聖武天皇は行基菩薩に勅願して大講堂を建立、永く経典の講義をする道場として、法灯を国中に輝かされました。

花山法皇西国御巡拝の時、ここを訪ねられ御詠されて以来、西国二十五番の札堂と称するようになりました。

縁起 - 播州清水寺公式サイトより

なお、Wikipediaによると、法道仙人による創建は後に付託されたもので、史実としては推古天皇の勅願によって創建されたものと考えられているようです。法道仙人はいわゆる伝説上の人物ではありますが、6-7世紀頃に日本にやって来て播州国一帯を中心とする多くの寺の開山・開基として名を残していらっしゃいますので、誰かしら実在の人物が元になっているのではないか、ということらしいです。

それにしても法道仙人が渡来したのが6~7世紀と言われているのに、なぜ寺伝では1800年前となっているのでしょうね? いくつか法道仙人が開基したといわれるお寺さんを調べてみましたが、やっぱり6~7世紀頃の創建となっていました。

正式名称

御嶽山 播州清水寺

宗派

天台宗

御本尊

十一面観世音菩薩(根本中堂)

西国三十三所御本尊 : 十一面千手観世音菩薩

十一面千手観世音菩薩(日本遺産ポータルサイトより引用)

御詠歌

あはれみや普(あまね)き門(かど)の品々(しなじな)に なにをかなみの ここに清水

札所本尊真言

おん ばざら たらま きりく そわか

詳しくはコチラ↓

ロケーション&CX-3的オススメ度

住所 : 兵庫県加東市平木1194
(下の地図の25番です。拡大してご覧ください。左上のでインデックスが表示されます)

CX-3で訪問オススメ指数 : 100%

公共交通機関だと単純に不便です。JR福知山線の相野駅という小さな駅からバスが出ていますが、一日二往復です。

逆にクルマだととても良い感じです。国道だとR372かR176である程度近くまで来れますし、参道付近の県道141号、311号、313号も軒並み山間の広々とした道路で快走です。遠方から来られる場合でも、舞鶴若狭自動車道「三田西IC」もしくは中国道「ひょうご東条IC」から20㎞程度と、ドライブも楽しめるちょうど良い距離感です。

今回は冒頭に書いたとおり、ゴールデンウィーク中でしたが、道中全く混むこともなくひたすら快走で、ドライブとしてもとても良かったです。

そして播州清水寺へは県道311号からアプローチできるほぼ参拝専用の参道を3㎞ほど上ることになります。一気に山頂付近のお寺へ向かうため、勾配もカーブもそれなりにキツくなりますが、ムダにデカいクルマと違ってCX-3のサイズ感なら楽しくスムーズに、安心して走ることができますよ! センターラインもありますし、そもそも参道で交通量もあまりありませんから、初心者ドライバーでも問題ないくらいですよ。(下の地図が参道です)

訪問記

さて、上記の参道を上がりきると、広い駐車場が出迎えてくれます。

ちなみに拝観料は大人は500円です。クルマなら参道のゲートで徴収されますが、駐車場料金は無料ですので良心的ですね。(ちなみにバスなどでも降車時などに徴収されるようですよ)

その駐車場に面して仁王門。

仁王門
仁王門

色鮮やかな山門で、うちのヨメもカメラマン気取りです。

仁王門をくぐるとすぐに茶屋があります。

山菜そばやうどんが名物らしいですが、時間が早かったので立ち寄らず。売店の方はお寺の売店というより、峠の茶屋的な「山のもの」や焼き物などが中心のお土産屋さんです。

西国三十三所の札所はこのお寺の場合、大講堂になります。そこまでの距離はたいしたことありませんが、しばらくいかにも山の中という風情の参道を歩きます。

そして大講堂に到着。

お寺自体の御本尊はさらに階段を上がった先にある根本中堂にあるはずですが、この大講堂付近がお寺の中心的な雰囲気です。

大講堂に到着

石垣で形作られた放正池と呼ばれる池があり、それを囲むように楓などの木々と講堂があります。ちょっとした庭園のような雰囲気で、山深いお寺にいることをふと忘れる瞬間です。

大講堂から鯉が泳ぐ池を眺める

大講堂の中は西国三十三所御本尊である十一面千手観音が祀られている内陣に面した参拝スペースがありますが、その後ろには広々とした物販スペースがあります。

この大講堂は聖武天皇の勅願所であり、その御本尊である観音様も当然ながら由緒あるものなのですが、残念ながら大正時代の火災によって焼失してしまい、現在の千手観音様は大正時代の作となっています。でもその代わりに普通に拝観することができます。巡礼対象の仏様って由緒正しすぎて秘仏になっているものが多いですから、まあこういうのも良いんじゃないでしょうか?

ちなみにお寺全体の御本尊である根本中堂の十一面観音様は、同じく大正時代の火災に見舞われましたが、なんと自分で逃げて無事だったという逸話が残っております……。まあ、実際無事ですもんね。千手観音様も連れて行ってくれたらもっと良かったんですがw

この物販スペースは普通の御守りなどの他、グッズ的なものも多かったですね。南無観世音菩薩Tシャツも大々的に販売されていましたが、ワタシはちょっとコレ着て歩くほど気合いが入っていません。まだまだ修行が足りないようです。

また、この売店は巡礼関連のグッズもとても充実していました。

南無観世音菩薩Tシャツはちょっと着れない……

ワタシはここで「西国三十三所勤行次第」という小さな冊子を購入しました。西国三十三所札所会 先達委員会の発行となっていますから、公式の冊子っぽいですね。

小冊子ではあるのですが、コレがなかなかの優れものです。

巡拝の方法などが書かれた「しおり」、巡拝寺に唱える般若心経や観音経などのお経(フリガナ付き)、そして同じく巡拝時に唱える各札所の御詠歌がしっかり収められています。さすが先達委員会。恐らく他の札所でも売っていると思いますが、売っていないところもあるかもしれません。巡礼する方は見かけたら買っておいて損はないと思います。なお、ワタシが調べた限り、Amazonなどの大手では新品は売っておらず、札所関係では総持寺さんのオンラインショップに掲載はされていたものの、2024年5月18日現在売り切れとなっています。

大講堂の横には薬師堂もあります。ここには十二神将も祀られています。

そして少し長めの石段を上がります。

根本中堂へ続く石段
根本中堂へ続く石段

根本中堂に到着です。

播州清水寺 根本中堂
播州清水寺 根本中堂

長い石段の先にあるからでしょうか? それともタイミング的なことでしょうか? さっきの大講堂周辺よりもひっそりとした雰囲気です。そういえば前回書いた三井寺さんの時も感じましたが、西国三十三所札所になっているお堂は、そのお寺全体の本堂じゃなくても最も人が集まる場所になるのかもしれませんね。だから売店なんかもここにあるのかもしれません。

洛陽三十三所はそこまでメジャーではありませんから、実際にお伺いしてもこういうことは感じませんが、やはり西国三十三所は日本最古かつ日本を代表する巡礼ですから、やはりその注目度は桁違いなのかもしれませんねぇ。

……もっとも、京都の方の清水寺などの観光地として強い寺社は、巡礼の集客効果よりも観光ニーズの方が圧倒的に強力でしょうけど。なんつっても世界中から人が来るからねw

このあとは行きとは微妙に違うルートで山の中をぐるっと回って山門へ戻ります。

その途中の一コマ。

多宝塔跡です。

多宝塔跡
多宝塔跡

元々立派な多宝塔が建っていましたが……。

明治に焼失 → 大正に再建 → 昭和40年に台風で傾く → 昭和48年に落雷で上層部崩壊 → 撤去(イマココ)

おかげの井戸

おかげの井戸
おかげの井戸

境内の外れ、参拝順路からも微妙に外れた位置にひっそりと。

開山法道仙人が水神に祈って湧水した霊泉であり、「清水寺」と称される由緒の地。

うーん。ここが聖地みたいなものかな? そのわりに扱いが雑な感じがしますけど。

こんな感じで、山寺の雰囲気を満喫しつつも大寺院らしい見応えも感じられる参拝は終わりました。

御朱印

大講堂にて西国三十三所の御朱印を直書きでいただきました。

西国三十三所 第二十五番札所 御嶽山 清水寺 御朱印

ありがとうございました。

さいごに

ほどよく参拝の方もいらっしゃいますが、落ち着いて参拝できるステキなお寺でした。3㎞の参道の途中にも人家やお店などは全くなく、実際はかなりの山奥にあたると思うのですが、参道も良く整備されていますし、お寺の敷地自体も広く拓かれていて、山奥っぽい閉塞感はなく、敷地内を歩いていてもとても気持ちよかったです。

本文中でも触れましたが大正の火災で色々燃えてしまって、実は多くの建造物は大正から昭和にかけて再建されたものなんですね。寺社の観光となると、どうしてもある程度は「古いが正義」みたいに思ってしまうところですけど、参拝の対象、巡礼地として考えるとどうでしょうね?

建物は新しくても、そこで続いてきた歴史の重みは変わりませんし、むしろこれだけの山奥で、重要なお堂がことごとく燃えてしまったにもかかわらず、立派に再建されて今があるということ自体が、このお寺の重要性を表しているようにも思えます。

ありがたやありがたや。

とにかくドライブルート的にも、観光地的にも穴場だと思います。巡礼関係なしで立ち寄る価値ありです。ぜひあなたもCX-3でGO!!

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