ニューエデン(New Eden)とは人類が居住する星団の呼称である。この用語は口語的な性質を持っており、銀河系近隣のすべての星系に適用される場合と、人類によって探査されカタログ化された星系のみに適用される場合、さらに、現在スターゲートによって接続されている星系のみに適用される場合とがあるからである。一般的には最後の定義が最も頻繁に使われており、この記事で使用されるのもこの定義となっている。
構造
ニューエデンは、長さ約106光年、幅約90光 年、厚さ約25光年の、ゆるやかに結合した星団である。この星団にはスターゲートで結ばれた星系が5,433個あるが、ゲートで結ばれていない星や恒星の残骸もかなり多く存在する。スターゲートはほぼ周回軌道に乗る天体を持つ星系にしか配備されないため、ニューエデン内のすべての星系には少なくともひとつの惑星が存在する。同様にブラックホール、中性子星、白色矮星(恒星の残骸の一種)も多く含まれているが、これらもほとんどがスターゲートシステムに接続されていない状態である。この星団は比較的密集しており、平均的な星系では1光年以内の距離に少なくともひとつは隣接する星系がある。また、あらゆる分類、あらゆる年齢の星で構成されている。
星図を見ていると、この星団にはフィラメント状の構造が見られ、特に端の方にそれが多いことに気づく。そのため星団の中には大きな空白地域があると思われがちだが、それは部分的に正しいに過ぎない。空白の多くは、スターゲートによって他と接続されていない星で満たされている。このような空白は時折「埋められる」ことがあるが、最近ではカルダリ連合がBlack Riseにいくつかのスターゲートを接続した時がこれにあたる。また、空白地域の中にはDivinity’s Edgeのように実際に星が存在しない場所もあれば、Vapor Seaのように活発に星の形成が行われている場所もある。
歴史
入植と崩壊
考古学的な証跡によれば、人間が最初にニューエデンを訪れたのはおよそ15000年前である。人類がこの星団に到達した正確なメカニズムは知られていないが、星団の名の由来となった星系にあるEVEゲートが入口であることを証拠は指し示している。これら初期の入植者たちは、突然の災害が襲ったらしい時までおよそ100年にわたって、星団全域において惑星を植民地化してきた。この災害の正確な正体は知られていないが、わずか数世代のうちに入植者たちの技術水準を著しく後退させたほど壊滅的なものであった。
暗黒の時代
その間の数世紀の間に、大部分の集落は消滅した。しかし、少数の人々は何とか生き残り、失われた技術をゆっくりと取り戻し始めた。そのうちの1つが、後に「Jove(ジョヴ)」という名で知られるようになる人々である。ジョヴ人は秘密主義者として知られており、自分たちの歴史をほとんど語っていない。彼らは第一帝国時代にはCurseと呼ばれるリージョンに住んでいた。しかし、「ジョヴ病」と呼ばれる病気が蔓延し、彼らはその病気から逃れるためにこの地域を放棄した。その後今からおよそ3000年前、Miko Bourが彼らを統合して第二帝政を築いた。
その後、少なくとも3つの古代文明が台頭した。現在では彼らが残した遺物や遺跡によって主に知られているが、どうやって彼らが台頭したのか、なぜ星団史の表舞台から消えていったのかについてはほとんど知られていない。彼らはSleepers(スリーパーズ)、Talocan(タロカン)、Yan Jung(ヤン・ジョン)と呼ばれているが、近年のワームホールスペースの発見により、スリーパーズとタロカンの運命については興味深い手がかりが得られている。第4の古代文明であるTakmahl(タクマール)は、後にアマーの亡命者の分派として誕生した。
帝国の勃興
アマー帝国
暗黒時代から次に現れた文明は本拠となる惑星を制圧したアマー帝国だ。二千年ほど前、彼らは宇宙飛行技術を再発見し、自身の星系内の調査を開始した。そして程なく彼らは星系内に無傷のスターゲートを発見し、その技術のリバースエンジニアリングに成功した。西暦21290年に彼らは最初の近代的なスターゲートを建設し、それを近隣のHedion星系に接続した。
初期の頃、アマー人はSani Sabikの一派を国外に追放した。これらの亡命者たちは、当時遠く離れていたArazコンステレーションに向かい、小帝国を建国した。アマーの宗教的制限に縛られずに、Takmahlとして知られるようになった彼らは大きな繁栄期を迎えたものの、自身の宗教の重みで崩壊に向かったとみられている。
一方、アマー帝国は徐々に宇宙探査を進め、西暦21432年における原始時代のEalurを皮切りに、いくつかの現存する文明と接触していった。数世紀に渡って拡大を続け、1000年前にはNi-Kunni(ニクンニ人)、22480年にはミンマター人に遭遇し、征服した。
そして23058年(訳注:原文では23508年となっていますが、23058年の誤りかと思われます)、彼らはついにワープドライブ技術を発見し、より急速に宇宙探査範囲を拡張できるようになった。これにより彼らは西暦23180年、短期間の間にガレンテ人、カルダリ人、ジョヴ人との遭遇を果たした。アマー帝国はガレンテは征服するにはあまりにも強大だと判断したが、ジョヴは弱小だと信じていた。そして西暦23216年、彼らはVak’Atiothの戦いでジョヴを攻撃したものの、結局大敗してしまった。その後まもなくしてミンマター人は反乱を起こし、帝国勢力を追放した。
アマー帝国はその後数十年を復興に費やし、他の勢力に対してより平和的な立場をとってきた。
カルダリ連合
カルダリが初めて宇宙に触れたのは、西暦22517年にガレンテが彼らの惑星に到着した時である。その直後、ガレンテはカルダリの技術向上を目的として、西暦22631年に文化解放協会をカルダリに派遣した。カルダリはこの機会を最大限に利用し、ガレンテの庇護の下で宇宙へと進出していった。
カルダリはガレンテと協力し、西暦22821年に星団で初となる近代的なワープドライブを開発した。これによりカルダリはガレンテの目の届かないところで急速に拡大していった。カルダリは、ガレンテの文化的帝国主義を息苦しく感じ、コロニーの存在を秘密にしていた。しかし最終的には西暦23155年にコロニーの存在がガレンテの知るところとなり、ガレンテ・カルダリ戦争が勃発した。
カルダリはホームワールドからの退避を余儀なくされ、掌握する宙域で独立国家(カルダリ連合)を樹立した。両者の戦いは一時的にどちらかが優位を得ることはあったがそのような状態はすぐに消え失せ、長く一進一退の攻防が続いた。カルダリは戦闘機を開発したが、ガレンテはドローン技術で対抗した。その後、カルダリはジョヴからカプセル技術を獲得し、両国はタイタンを開発するに至った。Iyen・Ourstaの戦いでは、両国は歴史上2番目に大きな戦いを繰り広げ、双方に大きな犠牲者を出した。
約1世紀にわたる紛争の果てに、両国は釜でゆでられるような戦争に疲弊し、最終的には西暦23248年に平和条約に署名した。
ガレンテ連邦
ガレンテは西暦22463年にカルダリを発見したが、彼らとコンタクトを取ることができず、そのことが宇宙探査技術の発展を促すこととなり、西暦22517年にようやく接触することに成功した。そして西暦22588年、彼らは初めてのスターゲート開発そして建設を行った。アマーとは異なり、研究材料となる完全なスターゲートを所有していなかったので、アマーとは異なる設計となった。
好奇心と知識欲に駆られたガレンテ人は、積極的に宇宙に進出した。西暦22794年にインタキ族を発見し、その後すぐに西暦22809年にマナー族を発見した。カルダリと同様に、ガレンテはこれらの文明をテクノロジーで向上させ、宇宙でやっていく仲間に加えた。
カルダリの援助を受け、ガレンテは西暦22821年に最初の近代的なワープドライブを開発し、彼らの宇宙探査能力を大幅に向上させた。ますます多くの星系を発見し、植民地化を進め、ガレンテは西暦23121年にカルダリ、インタキ、マナーとともにガレンテ連邦を設立した。
紀元23155年、ガレンテはいくつかの隠されたカルダリ植民地を発見した。植民地は連邦法に従って設立されていなかったので、ガレンテはカルダリを処罰しようとした。これは最終的にエスカレートし、カルダリは連邦から脱退へと発展した。カルダリのテロリスト集団が、水中にあるガレンテ都市「Nouvelle Rouvenor」のドームを破壊し、50万人の市民を殺害した。
この攻撃の後、連邦政府ではファシズム勢力が台頭し、カルダリに対する軍事作戦を開始した。カルダリが母星を脱出しようとした時、連邦は惑星への大規模な攻撃を計画した。それを遅らせるため、カルダリ艦隊の別働隊が連邦海軍をヒット・アンド・アウェイ戦法で攻撃した。それも艦隊の損傷が激しく続行不可能になると、彼らは最後の特攻を行い、空母をガレンテ・プライムに衝突させたが、この行動によるHueromontの街における死者は200万人を数えた。
両者の戦いは一時的にどちらかが優位を得ることはあったがそのような状態はすぐに消え失せ、長く一進一退の攻防が続いた。カルダリは戦闘機を開発したが、ガレンテはドローン技術で対抗した。その後、カルダリはジョヴからカプセル技術を獲得し、両国はタイタンを開発するに至った。Iyen・Ourstaの戦いでは、両国は歴史上2番目に大きな戦いを繰り広げ、双方に大きな犠牲者を出した。
約1世紀にわたる紛争の果てに、両国は釜でゆでられるような戦争に疲弊し、最終的には西暦23248年に平和条約に署名した。
ミンマター共和国
ミンマター人は西暦21413年に宇宙飛行技術を獲得し、その後数世紀にわたって宇宙探索と植民地化を進めてきた。他の種族とは異なり、彼らは独自のスターゲートを建設せず、その代わりに、まだ機能しているゲートをいくつか見つけ、それを使って3つの星系に進出した。彼らはまた、他の種族が後になって模倣したアクセラレーション・ゲートという、独自の超光速移動手段を開発した。
ミンマターはそれから数世紀、平和で豊かな生活を送っていた。他の国々とは異なり、彼らは限られた範囲を超えて拡大する必要性を感じていなかった。それが仇となり、西暦22355年にアマー人に発見され、侵略されたのである。ミンマターよりも技術的に優れていたアマーは、ミンマターの防衛戦力を無力化し、「暗黒の日」と呼ばれる事件で何百万人もの人々を奴隷にした。その後数世紀にわたり、ミンマター人の大半がアマー帝国の奴隷となった。
ミンマター人がアマーに抵抗して自由を取り戻すことができたのは西暦23216年になってからである。それはガレンテの援助と、Vak’Atiothの戦いにおけるアマーの思いがけない敗北があってはじめて可能となったことである。しかし、ミンマターはアマーを本拠地から追い出し、さらに領土を獲得したことで、自分たちの文化を再構築するための強固な基盤を得ることができた。
CONCORDとNew Eden全域の平和
西暦23230年、5カ国の一致団結の元、星間平和維持組織としてのCONCORDが設立された。CONCORDは、ガレンテとカルダリの間の平和条約を仲介して、約100年にわたる長い戦争を終結させ、アマーとミンマターとの間の平和条約を仲介して、共和国を侵略と再び奴隷化される差し迫った恐怖から解放した。
それからしばらく経過した西暦23236年(YC0年)、CONCORDはYoiul会議を主催し、EVE標準時を制定した。不安定ながらも平和な時代がNew Edenに訪れた。Sansha’s Nation(サンシャ国)の台頭と崩壊によって一時的に破られたものの、この平和な時は1世紀以上にわたって続いた。
天空の時代
YC105年、テクノロジーの躍進により、カプセル技術とクローン技術が融合した。これにより、ニューエデンでは爆発的にカプセラ人口が増加し、新しい時代が到来した。カプセラは瞬く間に力と影響力を増し、クラスターの一般人にとっては有名人やアイドルのような存在となった。カプセラは数え切れないほどの暴力をもたらしたが、諸帝国は彼らを自分たちの目的のためにも利用した。
カプセラたちは、星団の未開拓地域を拡大して植民地化し、空白地帯に小さな帝国を築き上げていった。これらの帝国は驚くべき速さで栄枯盛衰を繰り返し、安定して長く存続できたのはごくわずかだった。
YC110年には、カルダリ連合がガレンテ連邦を攻撃してカルダリ・プライムを占領し、ミンマター共和国の長老たちが奴隷として残された同胞を解放しようとアマー帝国を攻撃するなど、諸帝国はそれぞれの戦争状態へ突入していった。これを受けて各帝国は、CONCORD Emergency Militia War Powers Act(緊急民兵戦争権限法)に基づき、カプセラを民兵として自分たちの利益のために戦う権限を与えた。
それ以来、New Eden全域は戦争状態となっている。
生物
ニューエデンには多種多様な生命体が生息してる。人間は他のどの多細胞生物よりも広く普及している支配的な種である。彼らは多くの惑星、衛星、小惑星を植民地化し、軌道上や宇宙空間に自由に浮遊する人工的な居住地を建設している。人間にはいくつかの異なる種族があり、それぞれが多くの異なる血統を持っている。ミンマター人が最も多く、アマー人とガレンテ人がほぼ同数で続き、カルダリ人はやや遅れている。さらに大きく離れてジョヴ人がいるが、彼らは数年前から封鎖されたホームスペースの外に姿を現しておらず、絶滅したか、絶滅寸前ではないかと噂されている。
ヒト以外の種は形態も機能もさまざまである。コムギのようないくつかの種は複数の世界に存在し、共通の外来種の起源を持っていると考えられているが、fedoのような他の種は生息する惑星土着のものであることがほぼ確実視されている。他の注目すべき生命体にはfurrier、slaver、hanging long-limbなどがある。これらの種の多くは、人間の介入によって本来の生息地から広がったものである。同様に人間は、外来の病原体の流入やテラフォーミングの遂行によって、偶然か意図的かにかかわらず、New Eden全域における様々な種の大量絶滅の原因となっている。
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原典 EVE Fiction – New Eden Cluster
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