カルダリ・プライムはシバー人(Civire)とデティス人(Deteis)のホームワールドであり、Luminaireのガレンテの星系であるLuminaireリージョンに位置している。(ガレンテのホームワールドであるガレンテ・プライムもここに存在する)
この惑星はガレンテ・カルダリ戦争の後、最近まで約2世紀にわたってGallente連邦が占領し、領有権を主張していた。Tibus Hethの指導の下で前例のない国全体のコーポレーションが協力する中、YC110年に大規模な占領軍が連邦の防御を突破し、この惑星は再びカルダリの主権が及ぶものと主張されることになった。
しかし、政治的・社会的不安が高まっていたYC115年初頭、連邦海軍は、YC110年以降カルダリ・プライムの軌道上に留まりカルダリの領有権を支えていたカルダリ海軍リヴァイアサン級タイタン「Shiigeru」とその支援艦隊に対し、大規模な攻撃を開始した。ハイランダー作戦として知られるカルダリ・プライム再征服のためのこの作戦は、破壊された「Shiigeru」がカルダリ・プライム地表に墜落し、壊滅的な損害を与えて幕を閉じた。
紛争終結後、カルダリ・プライムはカルダリとガレンテの両軍によって非武装化され、現在はカルダリ連合とガレンテ連邦それぞれの管理下に置かれる地区に分けられており、Mordu軍は表面的には治安部隊もしくは平和維持軍として雇われている。
歴史
崩壊
カルダリ・プライムは当初、不毛で人が住めない世界であり、Luminaire星系は当初VH-451としてのみ知られていた。この惑星はニューエデンの植民地化の際に、正体不明の地球の巨大企業によって購入され、人を寄せ付けない世界を人間の居住に適した惑星に変えるためのテラフォーミング・プロセスが開始された。その後すぐに小規模な植民地化が始まり、開拓者やテラフォーミング設備を監督する技術者とその家族が中心となった。
EVEゲートが崩壊したとき、カルダリ・プライムは孤立し、人間の居住に対して適さない環境であったため、たちまち暗黒時代に突入した。ほとんどのコロニーはすぐに消滅し、わずかに残った住民は散り散りになりつつ、まだテラフォーミングの過程にある地表の下で必死に生きていた。テラフォーミングが完了し、人類が再び地表に出られるようになるまでには246年の歳月を要した。古代の地下構造物の跡は、ガレンテ・カルダリ戦争の際には子供たちの隠れ場所となった。
地理
カルダリ・プライムは、熱帯と赤道に温帯があるものの、大部分がツンドラ地帯となっている寒い世界である。これは、Luminaire星系の居住可能範囲の最外縁に近いことに加え、人間の監督が十分でないままテラフォーミングのプロセスが終了したためである。その結果、カルダリ・プライムの空気は非常に薄く、土壌は不毛で、海や荒野には生物や植物が適切に定着しなかった。しかし現在では、低温にもかかわらず、この惑星は豊富な食料を生産している。
注目すべき場所には、Kaalakiota山脈、Arcurio市、そして水中にあるNouvelle Rouvenorの遺跡などがある。
文明
カルダリ・プライムでの社会崩壊はあまりにも深刻で、記録に残る最初の文明が誕生するまでには、大気が呼吸可能になってからさらに8千年の歳月を要した。それ以前のカルダリは、別々の大陸に散在する、互いに対立する部族から構成されていたが、それらの部族は徐々に連帯するようになっていった。これらの同盟関係から最初の帝国や血統が生まれ、やがてこれらの帝国も合併し、西暦17453年にはRaata帝国が成立した。この帝国は20998年に崩壊するまで続き、現代のカルダリの巨大企業の基礎となるいくつかの小国に分裂した。
ガレンテとのファーストコンタクトは西暦22517年に行われたが、彼らはそれよりも54年前から技術的に劣るカルダリの存在を知っていた。ガレンテの「文化解放協会」がカルダリ・プライムに到着したのは、それから140年後のことである。23121年にガレンテ連邦が設立されたとき、カルダリは設立メンバーとなった。
戦争
緊張の高まり
カルダリは、ガレンテ政府と完全には相容れなかった。ガレンテ、インタキ、マナーと共同で連邦を設立したときでさえ、カルダリの巨大企業の一部は、ガレンテの貿易規制の対象とならない秘密のコロニーや深宇宙の資源拠点を連邦の国境外に設立していた。カルダリはこれを、自分たちの文化的アイデンティティと自律性を保つためのプロセスの一部と考えていた。
カルダリの域外資産が発見されたとき、当然のことながら、カルダリの資産を連邦の管理下に置くことを要求したカルダリは、連邦からの脱退をもってこれに応じた。その結果、巨大企業によって建造されたスターゲートすべてをカルダリの軍艦が封鎖するなど、緊張したにらみ合いが続いた。ガレンテ政府は、どのように和平交渉を行うか、数日かけて議論した。
和平のチャンスはなかなか訪れなかった。そんな中カルダリの過激派組織「Templis Dragonaurs」が、Nouvelle Rouvenorの街を爆撃し、ついに火薬庫に火をつけた。海底の環境ドームの中に作られたこの都市は、この種の攻撃に対して特に脆弱だった。割れたドームから海水が浸入し、50万人以上の人々の命が奪われた。
退避
その直後、ガレンテはカルダリ・プライムへの侵攻を開始し、軌道上での継続的な爆撃を開始した。数の上で圧倒的に劣勢だったカルダリ側には自分たちの故郷を守る術はなかった。それでも民間人を避難させるためには、カルダリは1ヶ月間、惑星の軌道を掌握し続ける必要があったのである。
このひと月という時間を稼ぐためには、カルダリ海軍はガレンテ軍をカルダリ・プライムの軌道から遠ざけ、他の場所で活動させることが必要であった。そのためにそれから1ヶ月に及ぶ血みどろの戦いが繰り広げられたが、最終的にはガレンテにとって「Hueromont事件」として知られることとなるYakiya Tovil-Toba提督の英雄的な犠牲により終局を迎えた。カルダリは故郷からの退避という目標を達成したものの、結局のところ成功したと考えることはできなかった。強制的に退去させられたことに変わりはない上に、その後200年近くも帰還を果たせなかったからである。
なお、カルダリ・プライムからの撤退後も80年間も渡りこの戦争は続くこととなった。
カプセラの時代
パイロット・カプセルは戦争の産物であり、当初はカルダリ海軍が対連邦戦で独占的に使用していた。しかし、この技術が広く普及し始めたのは、戦争終結から90年以上経過したYC105年になってからである。
ガレンテによる領有
避難が終わってからYC110年(AD.23346)まで、カルダリ・プライムはガレンテ連邦の一部であり、多数のガレンテ人、少数のカルダリ先住者という構図になっていった。これは不安定な状態である。カルダリ・プライムは分離されたままであり、文化ごとに地区が分かれ、都市全体でみてもどちらかの民族がかなりの少数派であることもあった。
終戦後、ガレンテがこの惑星を占領し続けることは、カルダリにとって重要な問題となった。カルダリ人の多くは、この惑星を自分たちに返還すべきだと考えていた。連邦は、かつての宿敵に首都星系への進出のための潜在的な足がかりを与えることを警戒して、この要求には同意せず、この惑星を自分たちのものと主張し続けた。
Tibus Hethが台頭するまで、カルダリ人にとって自分たちの故郷を取り戻すことはせいぜい遠い、不可能な夢でしかなかった。Hethの台頭に伴い、カルダリ・プライムでは民族間の暴力が急増したため、Souro Foiritan大統領は即座にカルダリ・プライムに戒厳令を布告した。この外出禁止令が発令されたことで、この惑星の住人の間での分離はさらに進行することとなった。
侵攻
YC110年、YulaiにあるCONCORD司令部へのElderの攻撃を機に、Tibus Hethは目的をカルダリ・プライムの奪還という一点に絞った連邦への大規模な侵攻を開始した。Hethは、カルダリ海軍の90%を侵攻に投入した。連邦の国境監視システム “トリップワイヤー “への破壊行為、Anvent Eturrerの背信行為、そしてLuminaire星系がカルダリの国境に近い(わずか2ジャンプ)ことも手伝って、この大規模な侵攻作戦は成功することが確実視された。
総勢2,000万人の兵士が地上戦に投入され、Luminaire星系には連邦軍の軍艦がなく、すべての入口が徹底的に封鎖されていたため、惑星の奪還は迅速かつ冷酷なものとなったが、ほとんどの説明によれば、侵攻したカルダリ軍は両種族の民間人を助けるために最善を尽くしたという。
戒厳令が敷かれ、ガレンテとカルダリの民族が別々の地区に分けられたことで、HethはFoiritain大統領を簡単にねじ伏せることができたのだった。Foiritain大統領は、カルダリ・プライムだけでなく、ひょっとするとガレンテ・プライムも含めたすべてのガレンテ人の死という可能性に直面して態度を軟化させ、連邦上院から与えられた大統領緊急権を行使し、連邦がカルダリ・プライムの管轄権を明け渡すという内容の条約に批准した。
そしてFoiritainの指示により、カルダリ艦隊はリヴァイアサン級のタイタン「Shiigeru」1隻とその支援艦隊を惑星の軌道上に残して帰還することが認められた。
カルダリによる統治
カルダリ・プライムは、5年間にわたってガレンテ連邦領域内に生じたカルダリ領のバブルのようなものだった。ここをカルダリ連合に返還する条約に署名したFoiritanは、悪い状況下での最善の決断だと称賛されることもあれば、「意気地なし」だと悪意に満ちた批判を受けることもある。
この惑星はカルダリ軍に占領されていた。占領軍は主にカルダリ連合陸軍の正規部隊で、Provistの補助部隊がそれを補っていた。当然、そこには大きな抵抗運動があった。降伏を拒むガレンテ軍や、家の所有権変更を甘んじて受け入れない反抗的な民間人たちである。その中でも特に注目されたのが、「ジョイント・レジスタンス」である。カルダリはこれらの反体制派に対処するために極端な措置をとることを余儀なくされた。
オペレーション・ハイランダー
YC 115年3月15日から、カルダリ・プライムでは新たな騒乱が始まり、3月18日にはProvist本部が破壊され、その後カルダリ・プライムの戦いへと発展した。
3月22日の朝、連邦連合軍は1世紀以上前のカルダリ・プライム爆撃以来の大規模な軍事攻撃を開始し、Shiigeruおよびその支援艦隊と8時間にわたって対峙した。この戦いでは数百万人の死傷者が出たほか、何千人ものクローン傭兵が両陣営について戦い、クローン兵技術が初めて大規模に軍事利用されることとなった。
連邦軍カプセラの多大な支援を受け、ニュクス級の大型空母とモロス級のドレッドノートからなる拠点襲撃部隊を展開した。Shiigeruとその護衛艦はカルダリに忠誠を誓うカプセラたちの支援を受けていたものの、攻撃部隊のあまりの強力さに、タイタンは破壊されてしまった。タイタンの上部構造の大部分は、カルダリ・プライムの地表に衝突し、広範な破壊を引き起こした。
カルダリ・プライム上においても、クローン傭兵たちはCaldariとGallente双方の地上軍として激しい戦いを繰り広げた。カルダリ軍は惑星上、ガレンテ軍よりもわずかに多い部分を掌握することに成功し、このことがその後の非武装化とカルダリ・ガレンテ間での惑星の分割に大きな影響を与えることとなったのである。
Shiigeruの残骸が地表に壊滅的な影響を与えた直後、Ishukoneはガレンテ上院に救援のための接近許可を求めたところ、すぐに許可が下り、その後も地上で続いている紛争を終結させるための外交において重要な役割を果たした。
カルダリ・プライムの非武装化
YC115年4月2日、ガレンテ連邦とカルダリ国との間で締結された協定に、Jacus Rodenガレンテ大統領と、カルダリ連合最高経営責任者会議(CEP)の8人のCEOのうち6人が署名した。Tibus HethとLai DaiのCEOであるAlakoni Ishanoyaの両者が署名を拒否したが、CEPの規約によりは事実上、すべてのメガコーポレーションに協定の尊重が義務づけられている。
この協定により、カルダリ・プライムは非武装地帯に指定され、ガレンテ連邦とカルダリ連合のこの惑星におけるすべての軍事行動も即座に中止され、この惑星のすべての防衛と警察業務はMordu軍に委ねられた。惑星はいくつかの地区に分けられ、ガレンテとカルダリいずれかの管理下に置かれている。約54%の地区がIshukone社によるカルダリ管轄で、46%がMaterial Acquisition社によるガレンテ管轄である。これらの地区は純粋に行政上のものであり、民族によっては分けられていない。
ガレンテ地区の住民は連邦の完全な市民とみなされ、カルダリの侵攻前にカルダリ・プライムに適用されていたすべての法律に従うこととされた。
カルダリ地区はより複雑なシステムになっており、個人は巨大企業の雇用主との間で企業市民権を保持しているが、Ishukoneは行政税を徴収し、民間人の行動にはIshukoneの企業法を適用することとされた。条約の条項によると、カルダリ・プライムの2つの大都市であるArcurioとTovilは両勢力に分割されている。Tovilはカルダリの管理下に置かれ、Arcurioはガレンテの地区に属することとなった。
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原典 EVE Fiction – Caldari Prime
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