MMORPG EVE Onlineの情報。初心者向け情報、プレイ日記やニュース、そして国家・人物・歴史・社会・文化・経済・物語などのバックストーリー翻訳。
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Caldari spirituality – カルダリ・スピリチュアリティ

カルダリ・スピリチュアリティとは、カルダリ民族の信仰上使われる表現である。

Way of the Winds – 風の道

「Way of the Winds(風の道)」は、カルダリ・プライムに深く根付く、ラータ帝国以前からカルダリ人が実践してきた信仰に与えられた名前であり、今日のカルダリ連合で最も一般的な精神的伝統である。単に「The Way」とも呼ばれるこの宗教は、アニミズムと祖先崇拝を融合させたものであり、主に国内やその他の地域に住むシバー人ディティス人によって実践されている。しかし、ガレンテ連邦では周期的に流行る程度のものであり、ガレンテの若者が反乱のシンボルとしてこれを使用することもある。このような行為は神への冒涜であり無礼であると考えられているが、ほとんどのカルダリ人は単に “ガレンテ人は所詮ガレンテ人である “と割り切る傾向にある。

The Maker – 創造主

The Wayの教えでは宇宙は形のない「The Maker(創造主)」によって創られたもので、全能の力で世界とそこに存在するすべてのものを造ったとしている。信者は「創造主」が混沌とした状態の世界を創造し、その後混沌を鎮め、秩序を創り出すために宇宙に存在する自然の力とそれを満たすものに精霊を吹き込んだと考えている。

The Way信者にとって、世界とは鉄を打つように価値のあるものを鍛え、価値のないものを淘汰するための試練なのだ。この考え方は、カルダリ・プライムが不完全なテラフォーミングによってかろうじて居住可能な状態であったという困難な過去の名残であろう。この宇宙観は、少なくとも部外者に対して競争的であったり冷淡であったりするカルダリ人によく見られる性質を形成することとなった。

しかし、The Makerはこの信仰の日常的な実践にはほとんど関与していない。The Makerは世界の出来事の「触媒」と見なされているが、ほとんど関与せず遠くから見ているだけである。唯一、The Makerが持ち出されることがあるとすれば、運命を試す儀式、例えばTea Maker Ceremonyのように誰に価値があり、そして価値がないかを見極めるためのテストが行われる場合だ。もちろん、実際には強さを測るためのものであり、必要がなければこの儀式に同意する人はほとんどいないが、基本的に儀式的な自殺を強要する世界観を理解することは重要である。

自然の精霊

The Wayは自然の精霊についても述べるが、その中でも最も重要なのは「Winds(風)」であり、特にカルダリの民間伝承に最も顕著に登場する「Cold Wind(冷たい風)」である。

これら自然の精霊は通常、慈悲深いと考えられているが、彼らは常に先を見通す広い視野を持つと描かれている。「風」と他の精霊たちはThe Makerの目的に仕えるものであり、カルダリを秩序の道へと導く。これらの精霊は崇拝を求めず、むしろ誇り高い親の役割を果たしているが、親に対するのと同様に、彼らに愛情と敬意を示さないカルダリは哀れである。しかしどの精霊も人として描かれることはない。それは大きな無礼を意味するからだ。カルダリにとって、精霊をただの人として描くことは神への冒涜であり、それを行った者は自分を精霊と同じレベルだと考えていることを意味する。

カルダリの口承や文書には文字通り何百もの精霊が登場するが、ここでは最も一般的なものをいくつか紹介する。ほとんどがカルダリ・プライムの特徴と密接に関連しているが、カルダリはそれらを特定の世界に限定して考えているわけではないことに留意することが重要である。――Cold Windはニュー・カルダリ・プライムにも吹くのだ。

Cold Wind – 冷たい風

Cold Windは風のはじまりであり、他のすべての風の親であると考えられている。

すべての「風」はそれぞれの領域を持つもののCold Windはそのどこにでも存在する。Cold Windは、カルダリ・プライムの凍てつくような空気をすべて擬人化したものであり、カルダリの冬の穏やかな朝の風のようにさわやかで澄んだ空気であり、小さな村を地図上から吹き飛ばすほどの勢いで氷河から吹き付ける激しい風でもある。他のすべての「風」は彼を仰ぎ見、共にカルダリを形作っている。

カルダリにとってCold Windは常に身近な存在であり、彼らの祖先に知識の種を吹き込んだ者である。彼は彼らが初めてこの世界に来たときに歓迎し、その創造の物語を語った。すべての精霊の中で、彼はThe Makerの意志に最も近い存在であり、彼の価値ある者への愛と価値ない者への失望は比類のないものである。

Mountain Wind – 山の風

Mountain Windは空と大地の監視者であり、世界の高峰を旋回しながら、見つけた情報を他の精霊に伝えている。寡黙な観察者ではあるが、彼が話すと他の精霊は耳を傾ける。カルダリ人も同様に彼の声を聞こうとする。彼は些細なことであっても無駄なことは語らないのだ。

ガレンテとの接触直後に書かれたカルダリの民話では、彼が新しい訪問者についての最初の警告を発している。

「彼らは風を服従させるために来た」

Mountain Windは学者や歴史家の守護神としても描かれており、彼が最も力を発揮できる場だとカルダリ人が信じている山にちなんで名付けられたKaalakiota Corporationにとっては特に重要な存在である。

Storm Wind – 暴風

Storm Windは、怒れるCold Windを除けば「風」の中でも最も激しいものだが、山々の頂で踊ってみたり、Mountain Windをからかってみたりするような遊び心も持っている。

Storm Windは、山の高い所で降る豪雨であり、みぞれに変わるときにはパチパチと音を立て、稲妻の閃光とともに雷鳴が轟き、そしてオゾンの匂いがする。

Storm Windは、人と人、人と自然との戦いの力であり、最強の鋼を鍛えるための灼熱の鍛冶場でもある。Storm Windはカルダリ軍にとって特に重要であり、軍の葬儀はStorm Windに捧げるため、しばしば悪天候の最中に行われる。

Wind of the West – 西風

Wind of the Westはカルダリ・プライムのGreat Western Seaからやってくる。カルダリ人が暮らす地に雨を運ぶ風とみなされている。

Wind of the Westの存在は、霧や穏やかな雨、そして潮の香りがする空気の中に見ることができる。水の守護者であり、船乗りたちやRaata帝国の西海岸一帯で崇拝されていた。カルダリの民間伝承では、Wind of the Westはカルダリ人に航海術を教えただけでなく、貿易の方法も教えたとされており、現代のカルダリ人の心の中ではCold Windに次ぐ存在となっている。

Heart of the Forest – 森の心

Heart of the Forestは、力強いKreshの木や、緑豊かに育つものの精霊である。

「風」は彼女を守るが、しばしばより大きな苦難を避けるために一時的な苦痛を彼女にもたらすこともある。彼女はカルダリ人にとって偉大な供給者であり、彼女の木は彼らの家となり彼らを暖め、彼女の獲物は彼らの腹を満たし、衣服となる。また彼女の葉や枝は彼らを敵から隠してくれる。彼女は資源を賢く利用する。森の中のすべてのものには、どんなに小さなものでも存在する意味があるのだ。
Heart of the Forestは、Cold Windを除けば、おそらく精霊の中で最もよく知られた教師であるが、彼女は誰かに直接何かを教えることはほとんどなく、手本を示して教えることを好む。彼女はカルダリ人の家庭に関する信仰の中でも重要な存在であり、彼らが建物、特に家に木を使う傾向がある理由の一つでもある。

祖先の精霊

自然の精霊に加えて、The Wayでは祖先の精霊も大いに崇拝すべきものとされている。祖先の精霊は、個人や家族の闘争や業績に関する物語や信仰の中でより顕著に登場する傾向がある。ほとんどのカルダリの家には祖先を祀る小さな祠があり、そこでお香を焚いて祖先に導きを求めたり、自分たちの努力を見守ってくれるように祈ることが多い。祠には、最近亡くなった人、特に傑出した愛する人の写真が飾られることが多い。絵画が好まれるが、写真やホログラフもよく見られる。

祖先の精霊は、より具体的な関心事のために祈られるのが一般的である。過去には、豊作、戦闘での幸運、愛する人の健康がその目的だったが、今日ではこれらと同様に、カルダリ人が仕事の成果や上司に自分の功績を認めてもらうために祈るのことも一般的となっている。しかし、この種の祈りは、祖先の精霊に直接解決を求めるのではなく、自分で目的を達成できるように、祖先に力や知識を貸してほしいと願うものである。

寺院と聖職者

カルダリ人が建てる独立した寺院や神殿のほとんどは、ひとつ以上の自然の精霊を崇拝するためのもので、通常はその精霊が大きな影響力を持つと考えられている場所に建てられる。そのほとんどは精霊たちに対してとても開放的で、高い柱が中庭を取り囲み、さらにその周りには精巧に刈り込まれたトピアリーガーデンがあることが多い。

どんなに小さな町や村でも、近くに少なくとも1つの神殿があり、The Wayの僧侶と呼ばれる一人のスチュワードが世話をしている。スチュワードの間に組織された教会やヒエラルキーはなく、基本的にはそれぞれの寺院や神殿が独自に運営し、どのような応募者を受け入れるかを決めている。大規模な神殿以外では、ほとんどのスチュワードはその仕事の他に何らかの仕事をしている。

しかしカルダリ宙域で最大のThe Wayの神殿は、ニューカルダリ・プライムにあるLandfall Shrine(ランドフォール神殿)である。主に祖先の霊を崇拝するためのものであり、カルダリ人にとっては最重要なものである。

350年以上前、この惑星に最初に到達したKaalakiotaのコロニー船の着陸地点に建てられたLandfall Shrineは、庭園、寺院、大規模な共同墓地からなる広大な複合施設で、12,000人以上のカルダリ国家の無名の英雄たちが埋葬されている。この神社は国の基金によって支えられている唯一の神社であり、ほとんどのカルダリ人は、The Way信者でなくとも一生のうちに少なくとも一度はこの神殿を訪れる。

Way信仰は福音伝道的な宗教ではなく、ほとんどのカルダリ人はそれを単に宇宙の事実として受け止めており、広めるべき真理ではないと考えている。ほとんどのカルダリ人の非信者に対する一般的な態度は、Way信仰はいずれにせよカルダリ人自身を中心としたものであるため、信者でない者が好きな神々を信じるのは彼らの権利であるというものである。

アチュラ人とそれよりも程度の低いインタキ人は、同じ事実に対して異なる理解を持っていると考えられており、それがカルダリが両者を国家に組み込むことに熱心だった理由の1つである。

無神論者のカルダリ人は珍しくなく、特に軽蔑されることもないが、多くの人は真の信仰というよりは純粋に文化的伝統からWay信仰的な行動をしているものである。

死について

Way信者にとって死は肉体から純粋に精神的なものへの移行を意味している。人が死ぬとき、彼は家族の家と心の中にとどまり、彼らに助言を与え、彼らに力を与えている。

運命の時が来れば、死を避けるためにできることはほとんどないとThe Wayは説いている。これはカルダリ人が医療を受けることを妨げるものではないが、結局のところ「風」はカルダリ人に薬を使わせるつもりがなければ薬を与えることはなかっただろう。それは彼らに人生についての運命論的な見方を与えている。これは死が恐れるべきものではなく、避けられないものとして一般的に受け入れられていることに見て取れる。多くのカルダリ人は、アマー人の天国の如き牧歌的な死後の世界の概念を、いささか馬鹿げていると感じている。

火葬はWay信者(そしてほとんどの非宗教的なカルダリ人でさえも)が用いる唯一の埋葬方法であり、遺体を燃やすことで精神が新しい存在に完全にコミットすることを促すという信仰に基づく。火葬ができない場合(遺体が失われていたり、手が届かない場合)には、葦や紙、木で作られた実物大の像を代わりに燃やし、ネクロポリスに埋葬する。

他の多くの宗教的伝統とは異なり、先祖の灰を家に置いておくことは、かつての肉体で霊を愚弄するようなものであり、不敬なことだと考えられている。


この文章は下記原典を翻訳したものです。原典の著作権はCCPに帰属します。

原典 EVE Fiction – Caldari spirituality

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