Sarum PrimeはSarum家の首都星系である。Domainリージョンにあり、アマー星系から1ジャンプの位置にあり、Kor-Azor Primeと並んで継承家の首都星系の中で最もアマーのホームワールドに近い。この星系には7つの惑星がある。3つの温暖惑星、1つの巨大ガス惑星、1つの溶岩惑星、1つの嵐惑星、1つの荒地惑星である。帝国において非常に重要な星系だ。
発見と探索
Sarum星系は古代からアマー人には知られていた。この星系の恒星は、望遠鏡を使わなくてもアマー・プライムからぼんやりと見ることができる。何千年にもわたって、この恒星はSarum家の星だと考えられてきた。約3千年前、この恒星は短い期間光度が増し、約1年間空でより明るく輝いた。この光度増加は、Sarum家に一連の幸運が起こった時期と一致していたため、この星は幸運の兆しを示すと考えられた。
この星系はアマー帝国の所在地からは物理的に遠かったため、アマーの探検家がこの星系に到達するためには、ジャンプゲートの再発見からしばらくの時間がかかった。しかし、Sarum家はその探索と植民地化を切望していたため、迅速な遠征を強く求めた。最初に到着した探検家たちはSarum家に忠誠を誓っており、人類が居住できる素晴らしい3つの惑星を持つ星系であることを報告した。
Sarum家はすぐさま使徒評議会に対し、この星系についての権限を申請し、それは承認された。一家は直ちに第3惑星を首都とすることを宣言し、植民地化を開始した。彼らはそこから徐々に星系全体に勢力を拡大し、最終的には3つの陸性惑星すべてに大都市を、他方、科学的、経済的目的のため他の惑星にも小規模な居住地を建設していった。
YC105年まで、CONCORDはこの星系をローセキュリティ星系だと考えていた。Doriam IIの戴冠の後、Jamyl SarumがShathol’Synを実行した際、Sarum家の治安部隊がこのシステムに集結し、その直後にハイセキュリティ星系として再分類された。
太陽
「Sarumの星」として知られるこの星系の太陽は、(訳注:スペクトル分類)M0Vクラスの赤色矮星である。表面温度は3124K(訳注:K=ケルビン、約2,850℃)、赤道半径は412000kmである。老年期の恒星ではあるが、そのスペクトル分類から、今後何十億年にもわたって安定し続けるだろうと予想されている。(訳注:原文ではスペクトル分類M0Vとされているが、現地観測によるとM2Vクラスとなっている)
約3千年前、この恒星は短期間光度を増した。それは約1年間続いた。このような急激な光度の変化は、赤色矮星では非常にまれであり、再び同様の時期に入るという証拠もない。温帯の3惑星すべての地質学的記録によれば、この短期間に大量絶滅が起こったことが示唆されている。この急激な光度増加の原因については、多くの説が唱えられているものの、いまだ解明されていない。
内惑星
Sarum Prime 第1惑星
この星系の第1惑星は小さな溶岩性の世界である。この惑星は自転と公転がSarumの星と同期しているため、片側が常に太陽の方を向いている。それにもかかわらず、この惑星には表面全体を熱するだけの十分な大気がある。極端に高温であるため、この惑星はこの星系の中で最後に居住、開拓されることとなった。
今日では、この惑星は主に科学的な関心を集めており、いくつかの小規模な研究ステーションが地表に点在している。これらのステーションには恒常的に人が居住しているが、チームは定期的にローテーションされている。さらに、いくつかの惑星採掘拠点が存在し、ベースメタル(卑金属)やサスペンデッドプラズマなど惑星上の少量の資源を採取している。
Sarum Prime 第2惑星
暖かい温暖惑星であるSarum Prime第2惑星は、当初植民地化に適していないと考えられていた。平均気温は300K(約27℃)で、特定の赤道地域では最高360K(約87℃)に達することもある。また、この惑星の多くの地域は非常に湿度が高く、大抵は人が住むのには非常に不快な環境である。太陽に近いため、周回速度がとても速く、季節的な変動もほとんどない。
しかし、Mekhios(第2惑星)の開拓後、Sarum Prime第2惑星は最も植民地化しやすい惑星だと考えられていた。この惑星は依然としてこの星系の中で2番目に人口が多い惑星であり、帝国の中でも人口が多い惑星のひとつである。この惑星は主に農業地帯であり、Sarum星系における穀物の主産地となっている。ここには、熱と豊富な雨を利用して急速かつ永続的に成長する数種類のアマー小麦がある。
植民地化以前は、この惑星には高度な生物圏があった。人類の植民地化により、多くの陸生種が絶滅に追いやられ、さらに多くの種は動物園や個人のコレクションにのみ存在するばかりである。豊かな海には様々な水生生物が生息しており、そのうちのいくつかは商業的に漁獲されている。
Elder War(エルダー戦争)中、この惑星はInsorum(訳注:化学物質の名称)爆撃の標的となった。しかし、Jamyl Sarumの介入により、損害は迅速に抑制された。
Mekhios(Sarum Prime 第3惑星)
Sarum家の創始者にちなんで名付けられたMekhiosはこの星系の中で最初に植民地化された惑星であった。独特の大気組成を持ち、宇宙からはほとんどメタリック調に見え、海は銀色、陸は金色といった具合である。このことから、Sarum家はこの惑星を首都とし、植民地化することとなったのである。
平均すると、この惑星は第2惑星よりも数度暖かい。しかし、温度変化の幅は惑星全体的に広く、極端に高い気温になることは少なく、湿度も低く、人間の居住性としてははるかに快適である。この惑星の軌道周期は比較的短く、暑くて乾燥した夏と暖かくて湿った春のふたつの季節がある。
Sarum家領の首都であるこの惑星は、帝国の中で最も人口が多い惑星のひとつである。今日では、この惑星は主に観光と貿易の拠点として機能しており、星団中の富裕層が高額のアマー製品を購入したり、手の込んだアマーオペラを見たり、有名な芸術作品を見ることができる場所となっている。何人かの著名なアーティストはMekhiosのことを自分たちのホームと呼んでいる。
この惑星の生物圏は非常に進化しており、あと数百万年も発展を続ければ、いつか知能を進化させるかもしれないと科学者達が考えるような、準知的生命体が生息している。この惑星は第2惑星ほど、工業・農業面で開発されていないため、 生態系は健全でほぼ安定しているが、いくつかのやむを得ない絶滅も起こっている。
YC110年6月10日、Mekhiosの戦いが惑星の軌道上で発生し、ミンマター軍が地上を強襲し、奴隷達を解放した。Jamyl Sarumが指揮した反撃により、当初の損害は甚大だったものの、抑えられた。しかし、この戦いにより、惑星の軌道上には大量のがれきが残された。その多くは現在でも安定軌道上に残っているが、大気圏に突入して広範な破壊を引き起こしたものもある。
外惑星
Sarum Prime 第4惑星
小型で寒冷な巨大ガス惑星であるSarum Prime第4惑星は、この星系における希ガスの主要供給源である。特に核融合反応に用いるヘリウム3が採取されている。多くの巨大ガス惑星とは異なり、この惑星はくすんだ色で、ほとんどが灰色の濃淡で構成されているが、極地ではいくらかサーモンカラーも見られる。
この惑星は巨大ガス惑星としては小型であり、そのため科学的に多少の関心を持たれている。惑星をモニターするために、大気圏上層に浮かぶいくつかの研究ステーションが存在する。これらのステーションはほとんど無人型ながらも、小規模なチームをひと月サポートできるだけの資材が搭載されている。この惑星のガス採取プラントは、プロセスの多くが自動化されているため、少数の人員で運営されている。
Sarum Prime 第5惑星
寒冷で嵐性の気候であるSarum Prime第5惑星は、気流の乱れた厚い大気に覆われている。それにもかかわらず、この惑星にはいくつかのシールドで保護された都市があるが、温暖惑星ほどの人口はない。これらの都市は主に金属やその他の貴重な化合物を豊富に含有する鉱床周辺に広がっており、これらの資源を採掘する採掘企業を支援している。
厚い雲に覆われているため、住民が直射日光を目にするのはまれなことだが、大気放電による稲光が、常に吹き荒れる嵐の中で一度に何時間も空を照らし続けることがある。そのため、多くの訪問者が睡眠妨害とバイオリズムの乱れから、数日も経つと病気になってしまうこともある。
この惑星には原始的ではあるが、かなり多様な生物圏があり、それは主に嵐によって生み出されたエネルギーに依存する微生物である。しかし、多細胞生物が発生することはなさそうである。
Sarum Prime第6惑星
陸性惑星と海洋惑星の境界線上に属するSarum Prime第6惑星には大きな陸地がない。その代わりに、大きな海があり、小さな大陸や群島が点在している。そのため、惑星の人口は限られている。陸地の多くには人が住んでおり、海底都市もいくつか存在するが、星系内の他の2つの温暖惑星に比べると人口ははるかに少なく、帝国内の惑星の人口リストでも上位にはランクされていない。
海には多くの水生生物が生息しているため、この惑星の主要産業は漁業である。これらの多くは食用として漁獲されるが、いくつかの種は医療用としても重要な役割を持っている。ある種の軟体動物は、強力な鎮痛薬に精製することができる毒を排出する。
注目すべきは、この惑星には21個の月があることだが、これは陸性惑星としては珍しいことである。月の大きさは、小惑星サイズ(第5衛星、半径173km)から一部の惑星よりも大きなもの(第16衛星、半径3968 km)まで様々である。これらの月の相互作用は、非常に複雑な潮汐の原因となっている。
Sarum Prime 第7惑星
星系の外れにある荒地性惑星であるSarum Prime第7惑星は、特に興味を引かれない惑星だ。いくらかの鉱物資源があり、いくつかの小規模な採掘コロニーが誘致されている。その軌道も他の惑星から遠く離れているため、星系内の貿易においても特に重要ではない。
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EVE Universe – Lore – Sarum Prime
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