「The Reclaiming(リクレイミング・大教化活動)」とは、アマー帝国によるニューエデン中の他種族の計画的征服と、奴隷化を指す言葉である。これはアマー信仰の中核的な教義のひとつであり、アマー帝国を強大な権力と影響力を持つ存在に導いた原動力であるが、同時に星団における計り知れない憎しみ、不信感、そして破壊の原因となっている。
定義
学者たちの間では、信心深いアマー人自身でさえも「Reclaiming」の本質についてはいまだに議論があるところだ。多くのアマー人にとって「Reclaiming」は神によってアマーの人々に与えられた神聖な義務であり、迷える者や失われた者、信仰心に欠ける者を神の恵みの元に連れ戻すことを彼らに課すものである。決して躊躇せず、いささかの罪悪感も見せず、現世において神の仕事を為し続けることは、アマー人に課せられた責任なのだ。
他のアマー人、特に宗教に対してよりシニカルな見方をする人々にとっては、Reclaimingとは単にアマーが覇権を握るための仕組みに過ぎない。献身と信仰によって神の寵愛を受けるアマー帝国は、他者を征服し、自分たちの思うがままに利用することを正当化している。少数の種族は、絞り尽くすまで働かせるただの家畜に過ぎない。
ほとんどの部外者にとって、Reclaimingは帝国が他者を抑圧し、搾取するために使われる卑劣な教義に過ぎない。それは他の種族よりアマー人が優越することを証明するものではなく、むしろ道徳的に破綻していることの証だと考えている。彼らの目には、Reclaimingを永久にやめない限り、帝国は良くて無力化の上での孤立化、最悪の場合、完全に壊滅されるに値する存在だと映っている。
歴史
起源
Udorian人がAthraのアマー島に上陸した直後の西暦20078年に、Reclaimingが開始された。アマー社会に外来の要素が取り入れられたことで急速な変化が起こり、宗教指導者たちは、より開放的なUdorian文化によって権力を奪われないよう、すべての外部要素を抑圧しなければならないと認識するようになった。
アマー人は、他の文化や宗教を異端であり、神の恵みに反するものだとの烙印を押し「Reclaiming」を開始した。新興国家であったアマー帝国は、豊かで影響力のあるUdorian人に比べ、人口においても資力においても劣っていたが、宗教的熱狂によってまとまっていた。一方、Udorian人は様々な国家に分裂しており、その多くは互いに大きな不信感を抱いていた。
クーニッド人との遭遇
Reclaimingの最初の転機となったのは、アマー人が初めてクーニッドの人々と遭遇した時であった。好戦的で、たくましく、そして先進的なUdorian人に対して長い間憎しみを抱いていたクーニッド人は、この征討に参加するチャンスに飛びついた。また、彼らは瞬く間にアマーの宗教に改宗して熱狂的な信仰心を示し、心から神に奉仕することを約束した。
クーニッド人の助けを借りて、アマー人は実質的に異なる国であったUdorian諸国を計画的に征服し、奴隷化していった。西暦20371年までに、Udorian人は完全に併合され、アマー人はAthraの忘れられた他の文明に目を向けるようになった。この惑星を征服するのに200年もかからず、アマー人は後にこの惑星をアマー・プライムと改名した。
宇宙における征服
征服の機会がなくなるにつれ、Reclaimingへの熱は醒めていった。アマー人は宇宙飛行技術を再発見すると、自分たちの星系にほぼ機能するスターゲートを設置した。これをアマー帝国が銀河全体を探査し、征服すべきであるという神からの合図だと考え、Reclaimingは新たな情熱をもって再開された。
しばらくして、彼らはEalur人と遭遇した。これはアマー人が併合した多くの原始文明の最初のものだった。征服されたこのような種族の多くは、歴史に足跡を残すには小規模すぎたりマイナーすぎて、永久に奴隷以上の何の価値もない存在だと見なされたり、その民族性がほとんど無くなるほどに交配が重ねられ、忘れ去られてしまった。そのような種族のひとつが、ニクンニ人のホームワールドであるMishi IVで暮らしていた。ニクンニ人が覚えられている一方、この種族は完全に破壊され、多くの人々との混血種に過ぎなくなってしまった。保存する価値があると見なされた文化や言語を持つ人々は、年老いた学者だけが読むことができるような埃を被った古文書の中に残された。
ニクンニ人は約1000年前に征服されたが、その後すぐ、より数が多いミンマター人が比較的早く発見されたこともあり、ほとんどの場合奴隷としての地位の延長を免れた。
ミンマター人
西暦22480年、皇帝Damius IIIの指揮の下、アマー人は惑星マターを皮切りに、ミンマターへの侵攻と征服を開始した。アマーは6隻の奴隷船をPator星系のそれぞれ別の惑星に送り込み、素早く何億人もの人々を確保した。同時に彼らは、誰も抵抗したり逃げたりできないように、見つけ次第すべての宇宙船やインフラを破壊した。その優れた技術により、アマーはミンマターを短期間で制圧することができたのだ。
ガレンテやその他の帝国
何千年にもわたって、アマー人はReclaimingを進める上で重大な脅威に直面したことはなかったが、それは西暦23180年、アマーが初めてガレンテと遭遇したときに変わった。連邦は帝国よりも小規模ではあったが、経済力や軍事力においてアマーに匹敵した。さらに、自由を愛するガレンテ人は、アマー人が長く慈悲深く正しいことだと公言してきたものすべてに憤慨していたのだ。
そのすぐ後に、アマーは建国されたばかりのカルダリ連合やジョヴ帝国とも遭遇した。カルダリはガレンテとのトラブルに巻き込まれていたので、帝国は彼らを征服せずに、連邦軍の注意を引きつかせておく方が都合がよいと考えた。
しかし、ジョヴ人は魅力的な標的であるように思われた。西暦23216年、Vak’Atioth星系において、アマーはジョヴ帝国に侵攻した。アマーは迅速に征服できると考えていたが、小規模ながらも技術的に優れるジョヴの艦隊に屈辱的敗北を喫した。軍事的に血まみれになり、精神的に動揺していた帝国は、より慎重な攻撃を計画していたが、それは、ガレンテやジョヴの工作員の助けを借りたミンマター人の一斉蜂起によって頓挫した。
Reclaimingの衰退
それ以来、Reclaimingはほぼ停止した。ガレンテ連邦とミンマター共和国が反対しており、アマーは過去2世紀において大幅な拡大を見送ってきた。その終焉への第一歩は、23210年に締結されたガレンテ・アマー自由貿易協定であった。帝国は進んでYulai Accord(ユーライ協定)を締結し、Yoiul会議でCONCORDを設立し、他の種族との和平的立場に立ったのである。
Heideran VIIの下、帝国は他の帝国に対してより受動的で懐柔的な態度をとった。彼の後継者であるDoriam IIも、この姿勢を貫き、星団に平和と繁栄をもたらす意思があることを宣言した。さらには共和国への善意を示すものとして、1万5000人以上のミンマター人の奴隷を解放した。
多くの人はJamyl IがReclaimingを断固として再開するだろうと考えていたし、彼女の戴冠式でのスピーチもこの事を裏付けるものだった。しかし、数ヶ月後、彼女は、少なくとも9世代にわたって奴隷にされていたり、宗教的・学術的な仕事に携わっていたミンマター人全員を直ちに解放すると発表し、星団中の市民たちを驚かせた。彼女が最初に発表した新たなReclaimingというものがどれほど本気だったのか、あるいは彼女が女帝として定着するまでの間、帝国内のより軍事的傾向が強い層をなだめておくためのプロパガンダとして使われたのか、それは不明である。
彼女の宣言以来、帝国内ではReclaimingを再燃させようとする持続的な動きは見られていない。The 24th Imperial Crusade(第24帝国十字軍)は、他の様々な部隊と同様に名目上Reclaimingのために戦っているということになっているが、普段は直接の奴隷獲得以外の問題に焦点を当てている。――例えば、第24隊が代理として戦った、ローセクの支配権を巡る戦争のように。
宗教的正当性
「Book of Reclaiming」(奪還の書)と呼ばれる教典そのものが存在するほど、Reclaimingは長い間アマーの教典によって正当化されてきた。「Book of Reclaiming」には、はるか昔、すべての人類は神の恵みの下で団結していたと記されている。しかし、人類は退廃的で罪深いものとなり、大きな堕落に苦しんだ。このような暗黒の時代の中、敬虔な信仰心を守り続け、神の寵愛を受け続けてきたのはアマー人のみであった。神は彼らを世界の正当な支配者とし、アマー皇帝の統率力をもって、全宇宙の堕落した人々を征服し、彼らを神の恵みの下に連れ戻すよう命じたのだ。
Reclaimingの真の目的については、神学者の間で依然として意見の相違がある。アマー人は永遠に支配者であり、他のすべての人々を永遠に支配下に置くべきだと考える者もいる。より伝統的で確立されたホルダーの一族は、このような見解を持っていることが多い。これは多くの部外者がReclaimingに対して抱いている見方でもあり、一般的にReclaimingを批判する第一の点となっている。
しかし、ここ数十年の間に広く支持されるようになった、これに反対する見解は、アマー人の真の目的は他の種族を自分たちのレベルにまで引き上げることにあるというものだ。クーニッド人に示す敬意、Udorian人であるTash-Murkon家がアマー皇族に名を連ねているという事実、ニクンニ人がほぼ全面的に自由であること、アマター人が優遇されていること、そして最近になって多くのミンマター人が解放されたことなどを挙げて、奴隷制は救いの道を与えるものだとアマーは主張しているのだ。Reclaimingは神聖な義務だと考えられており、アマー市民は他の種族に教え、アマー信仰に導くよう神から求められているのである。従って、奴隷制は神を受け入れることを拒否したことに対する償いの苦行として必要である。
仕組み
Reclaimingは、主に征服と奴隷化をもって実行される。アマーのホームワールドにいたUdorian人やクーニッド人を皮切りに、他の種族も軍事的に征服され、文化を奪われ、何世代にもわたって隷従することを強制された。
アマー人は、征服を円滑に進めるため、しばしば奴隷化された種族内の協力者に頼っている。アマーの信仰に自ら進んで改宗した者は、奴隷であることを免除され、帝国内で優遇されることも多い。
ホルダーは、Reclaimingの主な受益者であり、広大な領地で働かせるための安価な奴隷労働者を得ることができる。しかし、現代の領主は、奴隷の道徳的・宗教的なガイド役を務め、最終的には奴隷を解放し、アマー社会の一員へと導くことが求められいる。帝国には奴隷への虐待に対し、そのような行為を証明することの困難さから、厳格な法はない。しかし、反乱に悩まされていたり、信仰心に欠ける奴隷を所有しているホルダーは、概して仲間から軽蔑されている。
個々のホルダーは、奴隷が自らの信仰と帝国への忠誠を証明したと思うなら、いつでも彼やその家族を解放することができる。自分が帝国への信仰と忠誠心を証明したと感じるならば、いつでも奴隷とその家族を解放することができる。さらに、王位継承者や皇帝自身が、特定の世代や職業の奴隷を解放する法令を制定することもある。
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EVE Universe – Lore – Reclaiming
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