Shathol’Synとは、新たな皇帝が選出された後、敗れた4人のアマーの継承者が行う自殺の儀式である。この伝統は、新皇帝とかつてのライバル達との間の衝突の危険性を最小限にするために、モラル・リフォーム後に生まれた。この伝統が破られたのは過去に二回のみである。
起源
モラル・リフォーム以前、アマー皇帝は使徒評議会において同等の者達の中での首席だと考えられていた。皇帝は多かれ少なかれ権力の象徴的存在であり、使徒たちの中から他の使徒たちによって選ばれ、実際のところ、仲間たちと本質的に同じ世俗的な権力を行使していた。モラル・リフォームはこれを変化させた。皇帝の手により多くの宗教的、世俗的権力を委ねることで、名実ともに帝国の指導者としたのである。使徒評議会に取って代わった枢密院は、皇帝に従属し、他の継承者達で構成された。
皇帝が亡くなった際に、敗北した継承者達が新たな皇帝の権力に対する脅威となることはすぐに判明した。敗北者の支持者達は、不正を訴え、選考過程の仔細について異議を唱えたり、新たな皇帝に対抗して自分たちの選んだ者を押しつけようとしたりする可能性があった。対立は帝国内の争いを引き起こすものでしかなく、最悪の場合、完全な内戦状態を引き起こすかもしれなかった。
多くの解決策が提案されたが、すべてに欠点があった。そしてArdishapur家の当主が最終的に提案したのが自殺の儀式だった。古く、当時は不明確であった聖典を引き合いに出し、自殺には宗教的な前例があり、すべての問題を見事に解決するであろうと。敗者は自ら完全な幕引きを図ることになり、彼らの死は、新しい継承者達が自らの基盤を強固にするのと同じように、皇帝にもその権力を強固にする時間を与えることになるだろうと。
枢密院は、この思い切った解決策こそが、帝国が新皇帝と共に自壊する危険を避ける唯一の方法であることに同意した。
伝統の破壊
Shathol’Synのしきたりは過去に二度破られた。一度目はクーニッド家の継承者であるGarkeh Khanidによるもので、Heideran Kadorが皇帝に選出された時のことだ。Garkehは最近になってクーニッド家の継承者となったばかりで、若く野心的な男性であった。有力な継承者であり、皇帝の選出にあたり有力視されていた。彼は敗北した時、自殺を拒否し、こう言った。
私は自分の仕事が終わってもいないのに、自らを滅ぼすことを命じられることはない。あなたがたは私から何も……少なくとも私の人生を奪うことなどできない。
Garkehは自殺する代わりに、自分がクーニッド王国の王、クーニッド二世であると宣言し、帝国から脱退した。Shathol’Synは、まさにこういった事態を避けるためのものであったが、Heideran VIIや新たな継承者たちは自分の立場を強化することに忙しく、反撃もできないままであったため、戦いはほとんど発生しなかった。後に帝国が侵攻したものの、その時にはすでに王国は守りを固めており、征服することは事実上不可能な状態となっていた。
二度目はYC110年、Jamyl Sarumによるものであった。YC105年の継承の試練でDoriam Kor-Azorに敗れた後、死亡したと考えられていたが、Jamylは侵略してきたElder Fleetに対する防衛軍を率いるために死から舞い戻った。JamylはDoriam IIの戴冠の後、自身の艦を自爆させ、自殺したと思われていた。Jamylは「Sacred Flesh(聖なる肉体)」の教義のため、自分のクローンを作ることは禁じられていた。謎の超凶器を手中に収め、広く人気を博したことで、他の人々が彼女に異議を唱えることは困難なものとなる中、Sarum家は彼女の帰還を奇跡だと宣言した。最終的に、彼女は女帝として戴冠し、神学評議会により不正の疑いも晴らされた。帝国内では依然としてJamylが異端者であり、女帝になったことは間違いだと信じる者もいるが、報復を怖れそのような人たちは口を閉ざしている。
参考文献
- Amarr Succession – アマーの継承(Lore)
- Amarr Succession – アマーの継承(Chronicles)
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EVE Universe – Lore – Shathol’Syn
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