MMORPG EVE Onlineの情報。初心者向け情報、プレイ日記やニュース、そして国家・人物・歴史・社会・文化・経済・物語などのバックストーリー翻訳。
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Amarr – アマー

管理人より

この文献は2021年11月、EVE Universe開設時にFiction(Lore)に追加された、各勢力ごとの包括的記述のひとつです。項目ごとにさらに詳しく書かれたコンテンツもありますが、アマーに関する概要、歴史、政治、文化、教育、民族、重要人物まで網羅されている、国家の概要を掴むための必読書となっています。

Index


アマー帝国

アマー帝国は、アマー皇帝が統治する厳格に階層化された権威主義的な帝国国家である。ニューエデンの帝国の中で最も古く、かつ最大のものでもある。この巨大な神権政治社会は、広く奴隷労働という基盤によって支えられている。そのほとんどはミンマター系の人々だが、その長い歴史を通じて帝国に抑圧されてきた、いくつか他の国からも集められている。アマー星系にある彼らの母星は、古代にAthraと名付けられたが、宇宙へ進出する中でアマー・プライムと改名された。

アマーの文化として、部外者が奴隷と呼ぶものは、実際には契約によって結ばれた者がアマーの信仰を完全に受け入れるための精神的な道のりの一歩に過ぎないという基本的な信条を堅持している。アマーの市民は熱心で勤勉な人が多く、幼い頃から自分たちの宗教の道徳的優位性と神の恵みを受け継いできたということを深く確信している。彼らが、無知な人々を自分たちの信仰に取り込むために必要だと思われることを何でもすぐに実行するのはそれが原因である。

この見解を貫くために、帝国は何世紀にもわたって「Reclaiming(大教化活動)」と呼ばれる作戦を展開してきた。これは不信心者に対する聖戦である。歴史的に見て、不幸にもこの戦いに敗れた者達は帝国によって奴隷化されてきた。この奴隷制は名目上、非アマー人が教化された信者としてアマー社会に自由に参加できるようになるその日までの贖罪のために作られたものである。しかし、実際には、一般的にホルダーと呼ばれる、奴隷の所有者達は、単に口先だけでこの伝統的な義務を果たし、結局利益のため、奴隷達を残酷な労働の果てに死に追いやっているのである。

ホルダー達は、それぞれ何十万人もの人々の命を支配する特権を与えられたエリートであり、自分たちが適切と考える方法で、平民を多かれ少なかれ自由に支配することができる。気まぐれな暴君もいれば、節度と正義をもって支配する者もいる。それぞれの領地での圧倒的な権力と、古風な官僚制度により、ホルダー間の政治的な相互関係は、細かく編まれた網というよりも、もつれた糸のようなものとなっている。ライバル関係、政略結婚、陰湿な二重取引などによって、利益や陰謀の不可解な結び目を生み出しているのだ。

歴史

アマーの景色
アマーの景色

起源

アマー文明は、ニューエデン最古の文明であり、何千年も前に惑星Athraに入植した人々にその起源を辿ることができる。EVEゲートの崩壊後、Assimia大陸から追放された彼らは、「Gheinok the First」として知られる預言者に率いられ、最終的には「アマー」と呼ばれる島に定住した。将軍達が互いに血なまぐさい争いを繰り広げ、教会が信仰を絶やさぬように奮闘する中、彼らは何世紀にもわたってそこで細々と暮らしていたのだ。

この将軍たちの中から伝説の初代皇帝、Amash-Akuraが誕生した。彼は、剣と聖典を手に征服を進め、西暦16470年には島全域を支配下に納め、アマー帝国を建国した。彼は法を成文化し、世襲の貴族階級であるホルダーを設け、帝国を統治する宗教団体である「使徒評議会」を設立した。

Reclaiming(リクレイミング・大教化活動)

アマー人は4000年近くにわたって、自分たちの島の外に進出できず、またそうしようともせず、停滞していた。この状態は西暦20022年、商人であるUdorian人の船が上陸したことで急変した。Udorian人は当初、交易に熱心であったが、アマー人の生活様式を脅かす理想をもたらした。皇帝は彼らに奴隷となるよう命じ、全世界を帝国のものとするための聖戦「Reclaiming」の開始を宣言した。

戦争初期の頃、アマー人は長い間Udorian人と戦ってきた遊牧民族を発見した。熱心でやる気のある改宗者を見つけたアマー人は、彼らにKhanid(「小領主」もしくは「小貴族」を意味する)と名付け、より大規模ではあるが分裂状態にあるUdorian国に対抗するための突撃兵や重歩兵として彼らを雇った。

Udorian諸国はひとつ、またひとつと陥落し、最後の抵抗もむなしく西暦20371年までにアマー人に隷属した。アマー帝国は今や、アマー島とAssimia、Ves-Udor、Cas-Udorの大陸を支配していた。とうとう、彼らは危険な海を横断してKathis大陸を発見することに成功したが、原住民たちには帝国の容赦ない進軍を止める力はなかった。

西暦20544年、Athraにおける最後の独立国が帝国に降伏した。勝利した皇帝は、制覇を祝って惑星をアマーと改名した。何百万人もの奴隷が、裕福なホルダー達の下で酷使された。彼らは奴隷達に神の救いを与えつつ酷使した。

宇宙への進出

アマー人は、征服で得た戦利品を科学、芸術、哲学につぎ込んだ。そして彼らは西暦20572年、人類を初めて宇宙に送り込み、惑星外への進出を開始した。その後もゆっくりと拡大を続け、アマー人はTamirothの海洋世界で微生物を発見した。彼らは西暦20725年、そこに恒常的なコロニーを建設した。

西暦21134年、アマー人はスターゲートの残骸に遭遇した。古代の構造物はもはや機能していなかったが、彼らはそれをリバースエンジニアリングし、まったく新しいスターゲートを建設することに成功した。
それを開通させるには、近くのHedion星系に対のゲートを建設するための資材を満載したコールドスリープ艦を送らなければならなかった。艦は53年後に目的地に到着した。異国の太陽が彼らの前途を照らす中、目覚めた労働者たちはスターゲートを建設し、アマーに信号を送り返した。そして西暦21290年、ゲートは稼働し始めたのだった。

内部分裂

スターゲート技術の再発見により、アマー人は元々の星団を越えて勢力を拡大したが、それにつれて、民衆を統制する能力も低下していった。このような状況下で、Sani Sabikとして知られる古代のカルトが復活し、蔓延することを許してしまった。これら血の崇拝者たちは何世代にもわたってアマー宗教の影に潜み、常に駆逐されてきたが、数十年で元に戻ってしまった。
この時、彼らの一団は帝国当局から逃れ、当時としては遠く離れていたArazコンステレーションに逃げ込み、そこで「Takmahl」として知られる、短命に終わることとなる王国を建国した。Takmahl自体はもはや存在せず、その後の運命も知られていないままだが、多くの人は彼らが今日恐れられている組織、Blood Raiders(ブラッドレイダース)の起源であると信じている。

さらに、皇帝Zaragram IIに関する失敗例もあった。当初、公正で敬虔であったZaragramは徐々に自らを神の化身だと考えるようになっていった。彼は自分に権力を集中させる布告を幾度も発令し、国家の宗教を自分を中心としたカルトに変貌させていった。
妄想が頂点に達したZaragram IIは、Sasta星系に、自分が世俗の乱れから離れて暮らすための「City of God(神の街)」を建設することを命じた。彼はそこの宮殿に初めて訪れた際に、St. Tetrimonとして聖人に列せられることとなる彼の甥に暗殺された。使徒評議会がZaragramがもたらした変化を一掃するまでには何年もかかったし、実際、拭い去ることができなかったこともいくらかあった。

ファースト・コンタクト

西暦21423年、アマー人はEalur星系へのスターゲートを開通させた。そこで彼らは第6惑星に原始的な人間が生息していることを発見した。アマー人は他の惑星に人類が存在することに動揺したが、皇帝は彼らを「Reclaim」することを命じた。彼らはほとんど困難もなく即座に奴隷にされ、過去1000年の間に大幅に減少した奴隷の在庫を補うこととなった。

宇宙で孤独な存在ではないことが明らかになり、アマー人は急速に勢力を拡大しようと熱狂した。ホルダー達の間では奴隷を熱望する動きが再燃し、奴隷を探すために新たなスターゲートをどんどん建設していった。しかし、この急激な行動から得られたものはほとんどなく、今では忘れられているAmdonishやJakrinのような小規模な人種がいくつか見つかっただけだった。

モラル・リフォーム(道徳的改革)

西暦21870年、新皇帝Heideran Vが戴冠した。当時、皇帝は依然として使徒評議会における同等の者の中で第一の存在だと考えられていた。Heideran Vは野心的であり、Zaragramのもたらしたいくつかの変化がそのままだということに気づいた。このことでパワーバランスは彼に有利なように働き、彼は「モラル・リフォーム(道徳的改革)」の開始を宣言した。それは皇帝が帝国における政治的、宗教的な支配者であることを疑いなきものとすべく、教典を書き換えることを意図したものであった。

使徒評議会は反乱を起こしたが、Heideranは最大かつ最強である5つのホルダー家と同盟を結んでいた。彼自身の一族は高貴で権威あるKador家であり、多くの皇帝を輩出してきた。Kor-Azor家は、急速に台頭し始めた野心的な新興勢力であった。宗教的な原理主義者であるArdishapur家は、過去何世紀にもわたって衰退の途を辿ってきたが、熱心に再起を図っていた。好戦的なSarum家は、その階級の中でも最も優れた将軍を何人か輩出していた。そして、支配する人々にちなんで名付けられたKhanid家は帝国の中でも最高の精鋭部隊を有していた。

血なまぐさい内戦で帝国は分裂し、何百万人もの人々が死亡した。何十年にもわたって続いた戦乱が終わったのは、西暦21930年のことであり、Heideranとその軍が勝利した。Heideranと同盟関係にあった5つの一族が、その中から未来の皇帝が選ばれる継承者一族となり、皇帝と共に枢密院を組織して帝国を統治し、一方Theology Council(神学評議会)が聖典を管理することとなった。

Ni-Kunni(ニクンニ人)とMinmatar(ミンマター人)

奴隷のストックは、モラル・リフォームとそれに続く再建よって大きな打撃を受けた。帝国にとって幸運なことに、西暦22103年にNi-Kunni(ニクンニ人)が発見された。厳しい不毛の地で暮らすニクンニ人から見るとアマー人は征服者であると同時に救世主のようでもあったのだ。

それからわずか250年後、アマー人は宇宙に進出している別の種族、ミンマター人の存在を示す最初の兆候を発見した。彼らはミンマター宙域周辺でいくつかの調査を行い、この新しい種族が技術的に自分たちよりも大きく劣っていると判断した。

西暦22480年、皇帝Damius IIはミンマターの完全制圧を命じた。アマー海軍が防衛施設とインフラを容赦なく破壊する一方、6隻の奴隷船がミンマターの母星系であるPator星系の人々が居住する惑星にそれぞれ着陸した。3つの惑星では人口がすっかり失われ、2つの惑星では人口が半減した。母星であるMatarだけは著しく抵抗した。いわゆる「Day of Darkness(暗黒の日)」が終わった時には、何億人ものミンマター人が奴隷にされていた。

アマーは、Nefantar部族(後にAmmatarとして知られるようになった)の協力者の援助を受け、ミンマターへの攻撃を続けた。西暦22485年までに、帝国はミンマター人を完全に制圧した。しかし、小規模な集団のいくつかはなんとか脱出し、帝国をずっと悩ませることになるレジスタンスを組織した。

もはや揺るがすものはなし

アマー帝国は西暦23058年にジャンプドライブを開発し、大型艦がスターゲートを建設せずに即座に星系から星系へと移動することが可能となった。その後の急激な勢力拡大により、彼らは迅速に他の宇宙進出している国々と接触するようになった。

西暦23180年、彼らはガレンテ連邦とのファースト・コンタクトを確立した。ガレンテ連邦は民主的な自由主義国家であり、アマー人の神権政治と奴隷制の習慣とは相容れないものだった。しかし、両国共に相手を攻撃するにはあまりにも強大であることが明らかになり、不安定な休戦状態へと落ち着いた。その後まもなく、アマー帝国は、ガレンテとの激しい戦争を繰り広げていたカルダリ連合と遭遇した。

最後に、西暦23191年、彼らはジョヴ人と遭遇した。初期のコンタクトは限定的なものだったが、アマー人はこれをジョヴ人の弱さの表れだと受け止めた。新たな奴隷を求めていたアマー人は、ジョヴ人を容易い標的だと考え、侵攻計画を宣言した。

アマー・ジョヴ戦争

アマー人は、ジョヴ領であるVak’Atioth星系を侵略すべく約200隻からなる単一の艦隊を派遣した。アマー人は戦いが一方的なものになると確信していた。慌てたジョヴ人を瞬く間に制圧し、奴隷化できると思っていたのである。

その予想に反し、戦争を相手を皆殺しにするという結果に持ち込んだのはジョヴ人だった。彼らの小型で敏捷性に優れたフリゲート艦が、鈍重なアマー戦艦を釘付けにしている間に、ジョヴの母艦の巨大なドゥームズデイ兵器が帝国軍を一掃した。そのバトル・ドクトリン(戦闘教義)により、アマー人は全滅するまで戦場を離れることが出来なかったのだ。

ミンマターの反乱

流血はあったが、負けたわけではなかった。アマーはジョヴに対して2度目の攻撃の準備に取りかかっていた。そんな時だった。帝国中の奴隷たちが反乱に立ち上がったのである。ミンマター人の反逆者、ガレンテの支持者たち、そして小規模なジョヴ人のエージェント達の後ろ盾もあり、ミンマターの反乱軍はアマーの反撃前に迅速に勝利することができたのだ。

この大規模な一斉蜂起は、アマー人の想像を絶するものであった。最初の数日で、何百万人ものアマー人が、ホルダーも一般市民も一様に虐殺された。そして数ヶ月経過する頃には、アマー人はミンマター宙域から追い出されてしまった。アマーは皇帝Heideran VIIの命令により、広大な領地を反乱軍に明け渡し、そして、反乱軍はミンマター共和国を建国した。

Doriam IIの治世

YC105年、3百年にわたる統治の後、Heideran VIIはTurit病に倒れた。サクセッション・トライアル(継承の試練)が行われたが、新たに登場したカプセラ階級を代表する継承者が参加するのは初めてだった。そして、パイロットであるEclipticumが支援するDoriam Kor-Azorが勝利したのだった。

Doriam IIは、新たな継承者間の議論を取り持ったり、ミンマター共和国に対して融和的な姿勢を取り、帝国内に波風を巻き起こした。しかし、YC107年、Sani Sabikの分派であるBlood Raiders(ブラッドレイダーズ)は、狂ったOmir Sarikusaの指揮の下、帝国に対して恐るべき行動をとり始めた。DoriamはBlood Raidersに宣戦布告し、数ヶ月も経たないうちに帝国は彼らをBleak Landsから追放した。しかし勝利も束の間、その年の7月4日にDoriamは正体不明の襲撃者によって暗殺されたのである。

Karsoth Interregnum

このような短期間に二人の皇帝を失ったことは、帝国内ではほぼ前例のないことだった。Sarum家はまだ、烈火のようなJamyl Sarumの後継者を指名していなかった。若く野心的な他の継承者たちは、サクセッション・トライアルを開始して自らの命を危険にさらすことには消極的だった。

代わりに、コートチェンバレンのDochuta Karsothが権力を掌握した。多くに知られてはいなかったが、かつて敬虔な信者であったKarsothは、長年の勤めの中でひねくれた皮肉屋になっており、腐敗したSani Sabikの信仰に完全に身を委ねていた。ホルダー同士が気まぐれに戦い、ミンマターの反乱軍は無法地帯である帝国辺縁部を攻撃し、Aritcio Kor-Azorのような継承者たちは圧政を行っていた。それをKarsothは嬉々として眺めていたのだ。

エルダーの侵攻

Starkmanir族は、Ardishapur家が犯した虐殺行為のあと絶滅してしまったと長い間考えられてきたが、YC110年、遠く離れた奴隷コロニーで一団が生存しているのが発見された。Karsothは表無にはミンマター人を安心させつつ、秘密裏に彼らの処刑を命じた。

その暗殺者たちが攻撃する前に、伝説的な長老が率いるミンマターの艦隊(エルダーフリート)が侵攻した。彼らは奴隷を制圧するために使われるVitocというドラッグの解毒剤であるInsorum(インソラム)を配備して、複数の奴隷コロニーを攻撃し、帝国を混乱に陥れた。アマー海軍が繰り返し撃退される中、解放された奴隷たちも突如として反乱を起こした。

アマーが陥落しそうになったまさにその時、Jamyl Sarumは死から舞い戻り、反撃の指揮を執った。彼女は出所不明の強力な超兵器を操り、エルダーフリートを壊滅させ、共和国に退却させてしまった。

Jamyl 1世の治世

Doriam IIが亡くなったあと自殺したにもかかわらず、Jamylは、帝国の救世主となるべく神の手により復活したと主張した。継承者たちは彼女がクローニングされたこと――アマーの継承者にとっては重罪である――は知っていたが、Yonis Ardishapur以外は彼女に対して膝をついた。しかし、その彼も結局渋々ながらJamylの戴冠に同意することとなった。

Jamylの治世の下で、帝国は以前の栄光の多くを取り戻した。彼女は、改心したAritcio Kor-Azorを帝国首相とし、ライバルのYonis ArdishapurにElder艦隊による破壊を修復するよう命じた。彼女は計算ずくで、何百万人ものミンマター人奴隷をひとつの布告で解放し、大量の改宗者を共和国に送り込んだ。そして彼らは共和国で不和の種を蒔き始めた。クーニッド王国の援助を得て、彼女はKarsothを捕らえて処刑し、クーニッド2世との和解につなげた。

彼女はまた、Templarプロジェクトの一環として、初めてのクローン兵士の製造を監督していた。彼らの状態が不安定であることが判明すると、他の国々にそれに関する警告を発したが、誰もそのアドバイスに従わなかったため、彼ら自身が損害を被ることとなった。

今日、この帝国はおそらくニューエデンの中で最も強い国であり、最大の人口、最も安定した経済、そして最大の領土を持っている。しかし、ミンマターは帝国に対して戦争を遂行し、一方では継承者達が自分の力を蓄えようと画策している。

政治構造

アマー帝国は、封建的な神権君主制であり、アマーの継承者として知られる皇帝の権威に服する王たちが統治する五つの属国によって構成された単一国家と表現するのが最も適切であろう。彼らはアマー皇帝の中央当局に服従する。継承者の下には「ホルダー」と呼ばれる領主たちがおり、様々な惑星、月、宇宙ステーション、コロニー、大陸、その他の所有物の支配者として君臨している。

Amarr ritual
Amarrの儀式

皇帝

アマー皇帝は、アマー政治において多くの役割を果たしている。彼はアマー国家の君主であり、アマー宗教の指導者でもある。彼の主な職務は、帝国の聖なる法である「Scripture(聖典)」の執行者としての仕事である。また、新しい法律の制定と公布に対して絶大な影響力を持っている。その内容は広範囲に及ぶこともあれば、極めて限定された範囲にとどまることもある。皇帝が語ることは即ち神の声であり、必要に応じて聖典の内容を取り消したり自らの地位を高める内容を強調することもある。

皇帝は法的に帝国における最高位の裁判所でもあり、継承者達による下級裁判所が定めたいかなる裁定をも覆すことができる。過去、皇帝は公開法廷を開催していたが、帝国が成長するにつれ、この慣習は受け入れられなくなった。今日では、皇帝は帝国自体が損害を与えられた場合など、極端な場合にのみ判決を下すようになっている。

理論的には、皇帝の支配は絶対的なものであるが、実務上では皇帝が影響力を持つのは、自ら臨席する時のみというのが一般的である。その代わりに、彼は多くの役人、家臣、政府機関に命令の実行を任せている。皇帝は部下の意向に反する決定を下すことはできるが、それは危険なことである。皇帝は、秩序を損なわないように、いくつもの対立する派閥の意向について慎重にバランスを取らなければならないのである。

皇帝が死亡すると、その後継者は5つの王家の継承者の中から選ばれる。継承者達は「Succession Trials(継承の試練)」と呼ばれる儀式を受け、勝者は戴冠すると自分の一族から離れることになる。敗者は皆「Shathol’Syn」として知られる自殺の儀式を行わなければならない。理論的には、これは敗者が新しい皇帝の支配に異議を唱えることを防ぐためのものである。

継承者

アマーの継承者達は、枢密院の常任である5つの王家のトップである。その王家とはArdishapur、Kador、Kor-Azor、Sarum、Tash-Murkonの一族である。継承者はしばしば属国の王や王子と比較される。

継承者は、より限定的なものではあるが、ある意味皇帝と似た役割を持つ。彼らは平和を守り、帝国の法律を執行する責任がある。また、社会全体の利益のために、もしくは全くの気まぐれで、より限定的またはより広範な独自法を制定することもある。さらに、税金を徴収し、貿易を監督し、家臣達の判事や陪審員でもある。
ある意味で、彼らは皇帝よりも束縛されていないと言える。領地が細分化されており、組織的な反体制派がめったに発生しないからだ。しかし、継承者による広範にわたる権力濫用は、歴史的に深刻な影響を与えてきた。

訳注 : この文献を翻訳した2022年6月時点では、Khanid家も皇位継承家に復帰しており6つの王家から継承者が指名されています。

枢密院

枢密院は、法的に帝国の統治機関であるが、実際にはメンバー達の政争の場となっている。枢密院は、皇帝、5人の継承者、帝国首相、コートチェンバレン、神学評議会の執事長、クーニッド家の代表、5つの帝国省庁の長、そして帝国海軍の大提督で構成されている。枢密院は皇帝、継承者、チェンバレンが出席する「非公開会議」と呼ばれる非公式の会議を開催する。全員が出席する本会議が開催されるのは稀なことである。

会議はほとんどの場合、それぞれの方針に基づき、様々な派閥に分かれて争っている。皇帝はそれぞれの利益を慎重に調整し、どの派閥に対しても怒らせすぎないようにしなければならない。会議がすべての陣営に敗北感を抱かせて終了しなかったなら、皇帝はまずい仕事をしたいうことだと、しばしば揶揄される。

ホルダー

ホルダー階級は、継承者階級の下に位置し、多種多様で複雑なヒエラルキーを構成している。継承者は小さな皇帝であるが、ホルダーは小さい継承者である。彼らは、自分たちの影響力の及ぶ範囲に限られてはいるものの、多岐にわたり同様の権力を持っている。しかし、大多数のホルダーは継承者よりも統治に直接携わっており、より日常的な仕事に対する責を担っている。

三つの基本的な序列が存在するが、これらはおおまかなものであり、リージョンや星系によっても異なることがある。頂点にはコンステレーション全体や星系の集まりを管轄下に置くホルダー達がおり、その下には個々の星系を管理するホルダー達がいる。最後が惑星のホルダーだが、その名前にもかかわらず所有しているのは、単一の大陸や都市、あるいは宇宙ステーションでしかないこともある。
もちろん、すべての領土が平等であるとは限らない。豊かで人口の多い都市のホルダーは、Aridiaの行き止まりにある荒涼とした惑星を三つ所有するホルダーよりも、より良い暮らしをしているかもしれない。

帝国裁判所

帝国にはふたつの独立した帝国全体を管轄する裁判所がある。それらは概して「帝国裁判所」と呼ばれ、「神学評議会」と「民事裁判所」で構成されている。神学評議会はこのふたつの中で圧倒的に権力と権威のある存在である。これは、一般的に考えられている以上に帝国の広範囲に及ぶ宗教犯罪に対処するためである。民事裁判所は世俗的な問題のみを扱っており、影響力と権力共に限定的である。

実際のところ、民事裁判所は平民、軽犯罪、地方条例の違反を扱うのが常である。神学評議会は、聖典によって禁じられたあらゆる犯罪に対処している。殺人や異端者に関するものから窃盗や姦淫に至るまで、広範かつ潜在的な犯罪をもカバーしている。また、神学評議会は、市民裁判所とホルダーや継承者による裁判所の上訴裁判所としても機能している。

帝国の要職

この二つの官職は、しばしば皇帝の左右の手と呼ばれる。両者はしばしば混同され、権力を求めて互いに踏みつけ合う傾向がある。一方が優位に立つと、結果として他方が弱体化してしまうこともしばしばである。
現在、帝国首相のポストがより強い権力を握っている。継承者であるAritcio Kor-Azorが就いている帝国首相の官職は帝国の主要な省庁を監督することで、帝国の巨大な官僚機構を管理している。さらに帝国首相は帝国における第二位の法執行機関でもあり、皇帝にのみ従うものである。

コートチェンバレンは、皇帝の第一の相談役であり、腹心である。彼は皇帝の全面的な権威をもって語り、皇帝が不在の場合も同様に重要な存在であると考えられている。コートチェンバレンはこのように皇帝の代理人として機能しており、実質的に皇帝が同時にふたつの場所でその権威を行使することを可能にしているのである。

帝国の省庁

最終的に、帝国の官僚機構はいくつかの省庁によって監督されている。これらの省庁はすべて高度に政治的であり、最も狡猾な継承者と同じようにいとも容易く策略に手を染める。どの省庁も、特に平民に対しては強大な権力と影響力を行使する。Amarr Civil Service(アマー行政府)は、帝国最大の雇用主であり、より日常的な統治業務に携わる。許可の発行、帝国アーカイブの管理、公共施設の維持管理、政府のインフラの監督を担当している。

アマー貿易登録局は、帝国の財政を監督している。帝国内のすべての商取引――少なくとも合法的に行われたもの――を監視し、皇帝の税金を徴収する。帝国の経済を扱っているため、すべての省庁の中で恐らく最も重要な存在であろう。管理省は最近、帝国による探査活動が大幅に鈍化し、厳しい状況に置かれているが、帝国の天然資源の所有権を掌握し続けており、資源採掘のための契約を様々なホルダー達に分配している。

Ministry of Internal Order(帝権保安省)は、帝国第一の情報機関であり、警察でもある。神学評議会と協力して、異端者を根絶し、平和を維持するために活動している。また、異国へのスパイ活動も行うが、他の帝国の情報局に比べると、その能力は低いと考えられている。
最後に、Ministry of War(戦略省)は、星団最大の海軍であるImperial Navy(帝国海軍)を含む帝国軍の全部門を監督する。伝統的に文官により構成されてきたが、Jamyl Iの統治下で省はより軍事的になり、現在では帝国軍の中央司令部として機能している。

宗教と文化

おそらく、アマー人の最も顕著な文化的特徴(そして、彼らを非難する人々が最もよく引き合いに出すことのひとつ)は、他の文化の影響を受けることを明確に拒絶するという点である。ほとんどの一般論と同様に、これは完全に正確というわけではないが、完全に間違っているわけでもない。帝国の文化的な産物は膨大なものではあるが、住民やその他いくつかの国家体質が見せる側面と同様に、テーマの独創性やスタイルの創造性よりも、量や統一性に重点が置かれているのである。

宗教

アマーの大聖堂エントランス
アマーの大聖堂エントランス

アマーの宗教は厳格で独善的であり、個人がより大きな利益(ほぼ例外なく「神」もしくは「帝国」と表現されている)に奉仕することにほとんど重きを置いている。その信条は「聖典」と総称される一連の書物に記されている。ほぼ計り知れないほどに膨大な聖なる記述にあふれた「聖典」は、宗教や帝国の偉大なメカニズムに関連するすべてのものを不変のものとして遺そうとするアマー人の試みである。聖典は基本的な社会契約であると同時に、歴史的な行動規範、技術の飛躍的進歩、紡がれてきた神話など、さまざまな事柄の保管庫である。これらの文書は何世紀にもわたって帝国の神学者たちによって維持・更新されてきたが、アマー社会の起源を辿るような文書も含まれている。この教義の最も明確な特徴、そして幾度となく繰り返し言い表されていることは、アマー人が神に選ばれし民であり、神の名の下に宇宙を支配することを運命づけられた種族であると断言していることだ。

聖典に曰く。はるか昔、堕落した罪深い人類には大きな災害が降りかかった。この暗黒の時代において、アマー人だけが信仰を守り、最悪の苦難を免れたのだった。すると神はアマー人に、すべての創造物が神の祭壇に崇拝するようになるまで、神の名の下に世界を征服するよう命じたのである。この使命が、あらゆる面でアマー人を駆り立てるものとなっている。アマー島の原住民の子孫(真正アマー人と呼ばれる)は、アマー社会の他の人々から崇拝され、信仰における聖なる模範とみなされている。他の血統は永遠に祖先の罪よって穢された存在であり、どれだけ敬虔でも、どれだけ熱心で誠実であっても、真正アマー人の穢れなき魂の純粋さに敵うものではないのだ。差別は、必ずしもあからさまなものではないにせよ、帝国で生きる上での真実であり、自然なものとして受け入れられている。不純な者は、常に理想である真正アマー人を目指すことはできるだろうが、そこに達する時は永遠に訪れないだろう。

文化

宗教的な図像が、時代を超えてアマーの主要な芸術活動のほとんどにおける出発点となってきたことは、その偏在性からも間違いない。彫刻は圧倒的に一般的な芸術の形式で、子どもたちや奴隷のような最も取るに足らないものから、聖人や天使たちのような最も偉大なものまでサイズ的にも重要度的にも様々なものが人物彫刻として表現されている。アマー人が居住する世界において、自然の流れとして様式や素材にばらつきがあるものの、芸術史家たちは、それでもなお、各惑星の文化のデザインやモチーフに、全般的に顕著な類似性があることを見出している。彫刻の他では、アマーの文化的作品は絵画と演劇が大部分を占めている。彼らの絵画は、伝統的な油彩絵の具と同時に、現代的な淡い色彩の絵の具や豊かな質感を表現する素材も使われる傾向にあるが、やはり現代性はここまでである。様式と内容の両面で、聖典による考え方が最優先されるのである。

帝国において聖典を厳格に視覚化した芸術が強く好まれ、創作文学が嫌われるのは、国のトップに直接起因しているというのが、文化学者の間での通説だ。――芸術や美というものは、すでに言葉として記録されている真実を視覚的に描写することにあるのであって、別の言葉で言い換えようとすることではない。このような考え方が何百年にもわたって皇帝によって大衆に植え付けられてきたのだ。実際、そのような文学的試みは無駄であるばかりか、むしろ見苦しい、あるいは冒涜的でさえあるというのが、一般的な感覚のようだ。

当然、どこででも起こるような、このような傾向をできる限り破壊することを使命とする崇高な芸術運動が生まれてきた。これらの運動のほとんどは周辺の世界で生じたもので、数年おきに発生し、芸術界に深く根ざした画一主義に反抗的な態度を示し、結局はアマーの文化的惰性に飲み込まれてしまうのだ。政府は介入する必要すらない。このような運動のほとんどは、数千年の伝統の重みにより静かに、そしてゆっくりと鎮められるのだ。

Athra(現在はアマー・プライムとして知られる惑星)における入植初期の頃から、宗教はアマー人にとって最も重要なものであった。EVEゲートが閉ざされた後、信仰は彼らの諸派を結びつけておくための社会的な接着剤となった。その後、彼らが道徳的な確信をもって、拡大し、本格的な帝国として開花できたのは、彼らの信仰のおかげだったのだ。

社会

信仰はアマー社会に大きな階層をもたらし、真正アマー人が上位に君臨し、征服された人々はより下層の市民と見なされている。最上位にはホルダーと聖職者がいて、貴族の下には平民がいる。彼らは神から授けられた支配権は持っていないものの、法的には自由だと考えられている。しかし、自由ではあっても、生まれたカーストが何であれ、厳格に定められたその天井を越えることはほとんどないだろう。彼らは世界における自分の立場を受け入れ、上位に至る機会はほとんどないということを理解しなければならない。下層の者が時折、裕福な商人になったり、戦争の英雄として尊敬を集めたりすることはあっても、特権階級に生まれついた者から真の尊敬や賞賛の目で見られることは決してないと諦めなければならないのである。

最後に来るのが奴隷である。帝国における奴隷制は広範な職業をカバーしている。多くの奴隷は田畑や鉱山で働く未熟練労働者であるが、かなりの人数が、平民でもめったになれないような役割を果たすべく、彼らの主人によって訓練されている。最も知的で才能のある奴隷は、より高度な教育を受け、科学者、研究者、会計士、さらには軍事専門家として働いている。また、行政や教会の下級事務員を務める者もいる。しかし、職業にかかわらず、すべての奴隷について言えること。――彼らは自分が奴隷であり、主人の気まぐれに左右され、いつ売買されてもおかしくない存在であるということを決して忘れてはならないのだ。

アマー帝国における教育

帝国における人生は、誕生時に大きく左右される。ホルダーの子どもは健康な食事と最高の教育を与えられ、何不自由のない暮らしを送ることができるだろう。極めて優れた子どもたちはさておき、平民はあらゆる面でそれ以下のものでなんとかしなければならない。食事は可もなく不可もなく、教師もまともではあるが目を見張るものはなく、配給と予算の必要性を認識することになるだろう。奴隷の子どもは、主人のために懸命に労働する人生になるだろうが、その最も優秀で聡明な者は高等教育を受けるために選抜されたり、親から離れさせられてKameirasと呼ばれる奴隷兵士として教化されることもある。

いずれにせよ、帝国で生まれた者すべてにはある共通点がある。それは絶え間ない信仰の強化、他のすべての者達の上に真正アマー人と領主たちが君臨するということが自然の摂理として備わっていること、そして継承者たちや皇帝に対するたゆまぬ忠誠心である。教会は、彼らが生まれた(名前が訓練を受けた聖職者によってBook of Records[記録の書]に記録された)その日から、亡くなる日(別の聖職者がその書の彼らの項目を締めくくる)までその人生の中に常に在り続けるだろう。日々の礼拝と献身がすべての者に求められていて、それに従わない少数の人々は、異端者、罪人として敬遠される。

そのような中でも、ホルダーの子供たちは比較的楽に過ごすことができる。彼らの祖先たちはその血の敬虔さを証明したのだ。彼らはひざまずいて祈ることに時間を費やすよりも、支配する方法を学ぶことを課せられる。。家庭教師は、経済、弁説、外交、そして戦争について教える。領主のお気に入りの後継者は最高のものを与えられる。そうではない兄弟たちは聖職者になったり、海軍に入隊したり、もしくは弁護士、医者や奴隷商人などの高貴な職に就くこともあるようだ。若い男女ともに、政治的な同盟関係を確保したり、称号を獲得したり、あるいはビジネス上の取引を成立させるために、他の一族と結婚することもある。

平民の子供たちは一般的に、両親の足跡をたどる。長男は通常この点に関して最も束縛されており、ビジネスを継承したり、家族の商売を学ぶように育てられている。その兄弟たちは、より大きな商売のために雇われることもあるが、シンプルな商売をしている家族の場合は、自由に世界へ出て自分の道を探求することができる。平民は、貴族が嫌う商売、特に手作業を伴う職に就くことが多い。

最後に、奴隷が宗教的なこと以外の教育を受けることはめったにない。若い頃に優れた才能を示し、所有者から選ばれた者だけが、自分の仕事をするための必要最低限の知識以上のものを学ぶことを望みうる。奴隷の子としての生活は厳しく、単調なものではあるが、危険であることはめったにない。なぜなら、子どもは所有者にとって価値のある商品だからである。そのような側面から、奴隷の子は、自分が若い内に両親から引き離され、お金のためというよりも未来の労働者としての用途を持つ他のホルダーに売り払われるかもしれないと気付くのだ。

血統

真正アマー人

敬虔ではあるが頑固で、カリスマ性はあるが傲慢な真正アマー人は、帝国の支配的な血統であり、そのために嫌悪されているが、尊敬もされている。外国人は真正アマー人のことを、私利私欲のために宗教を口実にして、平民や奴隷を踏みにじる奴隷制に凝り固まった人々に過ぎないと見なすこともしばしばだ。それが正しい場合もあるものの、真正アマー人は非情に信心深く、同胞の安全と幸せ以上のことは何も望んでいないのだ。もちろんそれは彼らの神とアマー帝国の栄光の下での話だが。

多くの真正アマー人は、自分の血統は他のすべての人々よりも精神的優位性を有すると考えている。これは聖典に裏付けられたものだ。聖典により真正アマー人は神に選ばれし民と呼ばれ、全宇宙をReclaimingし、すべての人々をひとつの宗教の下にいざなうことが義務づけられているのだ。この信仰は、真正アマー人の生活のほぼ全般に浸透しており、他の血統、特にアマー人以外のことに対処する際に問題となることが多い。

クーニッド人

奴隷として扱われる屈辱をほとんど免れてきた唯一の血統であるクーニッド人は、Reclaimingの初期の頃から真正アマー人に忠実に仕えてきた。元々アマーのホームワールドにおける遊牧民であった彼らは、Udorian人との戦争において、突撃隊や重歩兵隊として初期の帝国に参加し、大きな称賛と敬意を勝ち取った。アマー人は彼らにKhanid(クーニッド)の名を与えた。これは古い方言で「小領主」を意味するもので、クーニッド人この呼び方を全面的に受け入れてきたのである。

彼らはその熱狂的な性質でよく知られており、他のアマー人の多くが彼らのことを威圧的だと感じるほどである。しかし、クーニッド人は実に忠実であり、信仰を守ることに熱心である。彼らは数えきれぬほど真正アマー人の敬意を獲得し、帝国内において実質的に対等の地位を維持してきた。多くのクーニッド人が、ホルダーの地位にまで上り詰めてきたが、これは他の真正アマー人ではない血統の者には事実上叶わぬことであり、アマー社会のあらゆる階層で、真正アマー人以上にとは言わないまでも、彼らと同等に成功しているのが見てとれる。

ニクンニ人

帝国の中で、広範な自由を獲得している数少ない奴隷種族のひとつであるニクンニ人は、元々不毛の地であるMishi星系第4惑星(Mishi IV)の出身である。アマーが征服した時、ニクンニ人は進んで奴隷制を受け入れたが、それは快適ではないホームワールドでの生活に比べて悪いものではなかったのである。結果的に、ニクンニ人は他のどの種族よりも早く、奴隷の地位から抜け出したことで知られている。 (クーニッド人の大多数はそもそも奴隷化されていないため)

ニクンニ人はアマー社会の中で中間層を占めている。ホルダーになっているのはほんの少数の小さな一族だけに過ぎないが、彼らはとても多くの裕福な商人やビジネスマンを抱えていて、その規模から想像できる以上の影響力を有している。ニクンニ人のビジネスは帝国の多くの地域で栄えており、いくつかの産業は彼らの独創性と洞察力をバックボーンとして成り立っている。しかし、多くのニクンニ人は、貧しいままであり、貧困ライン付近で暮らしている。ニクンニ人に対する差別は厳しいものではないが、土地に根付いてしまっていて、彼らが真正アマー人やクーニッド人に比べて出世するのが困難だと感じることもしばしばである。

その他の血統

何十億人ものミンマター人が、奴隷として、あるいは奴隷の子孫として帝国内で暮らしている。奴隷ではないミンマター人は、アマー人からの強い差別や不信感の対象となることが多く、特にエルダーフリートによる侵攻後、その傾向が顕著である。ほとんどの自由なミンマター人は社会の最下層に位置し、生き延びるために必死だが、一部の進取の気性に富む人や敬虔な人は、立派な生活を営んでいる。しかし、数世紀も経過し、古い偏見が薄れてゆくにつれて、ミンマター人は帝国内で徐々に力をつけていくだろうと多くの人は予測している。

Ealur人

Ealur人は他のどの種族よりも長きにわたって奴隷にされてきたが、いまだに奴隷のままである。帝国は彼らを長い間奴隷として扱ってきたので、ほとんどのアマー人は彼らに自由を与えても生き延びることはできないと考えている。何千年も前にアマー人が発見した時の穏やかな性質からは大きく変化し、現代のEalur人はタフで適応性がある。彼らの中で自由な者はとても少なく、偏見と機会不足から孤独で退屈な生活を送る傾向がある。

Udorian人

Udorian人の文化は、クーニッド人や真正アマー人と同じアマー・プライムに由来するものである。Udorian人は西暦20022年にアマー島に到着し、停滞していたアマー社会を急激な変化に駆り立てた。その後、彼らはAthran Reclaiming(訳注:惑星AthraにおけるReclaiming。Athraはアマー・プライムの元の名前)により同化された。彼らは完全に統合されてから長い時を経ており、今やUdorian人の王家を有するまでに至っている。伝統主義者たちの一部は、真正アマー人とUdorian人の間にいくらかの社会的・宗教的な差異が残っていると主張したがるが、社会にも物理的にも両者間の違いはとっくの昔に消滅している。

特筆すべき者

訳注 : 以下の文章で触れられる人物について。この文献を翻訳した2022年6月時点において、Jamyl Iは襲撃により死亡し、その後行われたSuccession TrialsによってCatiz Tash-Murkonは女帝となり、敗れたAritcio Kor-Azor、Yonis Ardishapur、Uriam Kador、Merimeth SarumはShathol’Synの儀式で命を絶ちました。(なお、Khanid家の継承者であるGarkeh Khanidも同様です)

女帝Jamyl I

この女帝は身近な人々からは愛され、敵から怖れ、嫌われ、そして国民からは崇拝されている。軍国主義的な性格が強いSarum家に生まれたJamylは、若い頃から帝国社会のトップに立つべく教育された。Heideran VIIの後継者となるだろうと確信していたが、「継承の試練」においてDoriam Kor-Azorに敗れ、宗教法に従って自殺した。しかし、帝国がエルダーフリートによる暗黒期を迎えた時、Jamylは奇跡的に死の世界から帰還し、アマー帝国を反撃に導いた。神の再生を体現する者としてあまねく称賛されたJamylは、ヒロインとして帝国の王座に君臨した。

Jamylが台頭した秘密については、ほとんど知られていない。彼女の復活は神の御業ではなく、クローンによるものである。それは王室の肉を受けて生まれた者にとって重大な罪である。それに加えて、このクローニングは計画通りに行われなかった。その過程のどこかで、外部の情報機関が彼女の心に侵入したのだ。「Other」と呼ばれるそれは、常にJamylを苦しめ、弱っている時に心身を乗っ取ってしまうこともある。

公の場で見られるJamylの人格がどれだけOtherに奪われていたのかは彼女自身以外の誰にも決してわからない。そして、Otherが帝国を破滅に導くのか、それとも偉大さを保たせるのかは、まだわからない。

Aritcio Kor-Azor

前帝Doriam IIの唯一の息子であるAritcio Kor-Azorは、初期の頃は気まぐれでサディスティックな暴君として知られていた。彼の父親は、その欠点を知らずに彼をKor-Azor家の後継者と指名し、危うく一族を破滅させるところだった。短い治世の中で、Aritcioは神聖な大聖堂を著しく汚し、恥ずかしげも無くガリスタスから奴隷を買い入れ、部下に対して恣意的で不当な刑罰を科し、家臣たちが互いに戦争を繰り広げているのを嬉々として眺めていた。

このような茶番が次第にエスカレートし、彼の臣下は公然と彼に反抗するようになった。その言葉が皇帝より優位に立つとされる、神学評議会の一部門であるThe Speakers of Truth(真実の語り手)が、彼の恐怖政治を終わらせた。「語り手」はAritcioに、自らが犯した罪の数だけ自分の肉を剥ぎ取り、何度も再生させるという恐ろしい罰を下したのだ。

その経験がAritcioを大きく変えた。ひどいやり方は影を潜め、その代わりに、信心深く思慮深い、国民のために最善を尽くそうとする人物となった。噂によれば、彼は領内を渡り歩き、平民に対してもホルダーに対しても同じように過ちを正し、その際自分が何者であるかを明かさないことさえあったという。その功績を称え、女帝Jamyl Iは彼を帝国首相に任命し、帝国全土に法を施行するよう命じた。

Yonis Ardishapur

Ardishapur家の王位継承者であるYonisは、女帝Jamyl Iに激しく対立する立場を取っている。彼は非常に保守的で宗教的な人物であり、聖書に強くこだわっている。そして、この女帝は皇帝の王座を悪用し、死に値する狂った犯罪者だと信じている。しかし、彼は政治的には賢明であり、自分自身で女帝を打ち負かすことは決してできないということを充分わかっている。その代わり、水面下で権力と影響力を蓄積し、帝国に損害を与えずにできる場合には、常に女帝に対抗している。

Elder Invasion(エルダーフリートによる侵攻)の後、Yonisは、自身の領土をより良くするため、学校や教会、その他のインフラを建設する公共事業プロジェクトに資金を投入した。より大きくなる彼の勢力を抑えるため、女帝は彼に、アマー人に協力したミンマター人の子孫たちが住む帝国の属国、Ammatar Mandate(アマターマンデート)の支配権を与えた。多くの人は、真正アマー人至上主義者として知られるYonisが新たな領民を抑圧し、疎外するものだと期待していた。しかし、彼は公共事業計画を続行し、破壊されていたマンデートを文化と信仰の拠点として再建してしまった。最近では、Yonisは帝国中で一連の講演活動を行い、アマー人であろうとなかろうと、すべての血統の者に対し、聖典に厳格に従うよう説いている。彼の情熱的ではあるが非暴力的な話術によって、彼は帝国における多くの崇拝者を獲得している。しかし、彼はなおも秘密裏に策謀を巡らせ、女帝を失脚させることができる日を待ち続けているのだ。

Catiz Tash-Murkon

星団の中で最も裕福な女性であるCatizは、裕福で影響力のあるTash-Murkon家の継承者である。Udorianの家系ゆえに、帝国内の多くのより保守的な層と対立することとなったが、彼女はそれを乗り越え、女帝Jamyl Iに引き立てられるまでになったのである。Catizは、帝国内で経済的に最も強大なリージョンを支配しており、クーニッド王国とカルダリ連合との貿易協定の仲介役となっている。

鋭敏な商才を持っていたCatizは、若くして家族から離れ、独立した採掘者として一から自分のビジネスを確立し、最終的に莫大な個人資産を築いた。それ以来、彼女はニューエデンの誰よりも帝国経済について熟知していることを幾度となく証明し、帝国のより進歩的なホルダーや商人の多くから尊敬され、称賛されている。

Catizは、クーニッド王国を帝国に復帰させた功労者であり、このことは女帝にとって彼女に対する大きな借りである。しかし、Catizはいまだ、自分の富と影響力を蓄えること以上の野心は見せていない。

Uriam Kador

かつて帝国の中で最も気高い精神を持つひとりだと考えられていたUriam Kadorは、最近になって帝国政治における人気を失いつつある。他のどの継承者一族よりも多くの皇帝を輩出してきた重鎮であるKador家の継承者として、Uriamはその卓越した伝統を継承し続けることが期待されていた。初期の頃は、そうしているように思われた。カリスマ的でハンサムな継承者は、祖先であるHeideran VIIの平和と進歩という理想を体現した詩人、哲学者として認知されていたのだ。

しかし、その後、彼は自身に大きな不幸をもたらすこととなる一連の過ちを犯した。最近では、自分の一族の艦隊を利用して、ガレンテ連邦リージョンであるSolitudeに対して、謂れのない、無許可の侵攻を開始した。この侵攻は、連邦海軍がErebus級タイタンを戦場に投入したことで鎮圧された。激怒した女帝Jamyl Iは、Kador家から私有艦隊を奪い、連邦がUriamに匿われている反逆者を奪還するための報復攻撃を開始することを認めた。

この愚行により、Uriamは最も親密な味方であったYonis Ardishapurを失った。Yonisは彼のことを評判ほどの才能も無い愚か者だと見なすようになったのだ。それ以来、Uriamはボロボロになった影響力を取り戻そうと悪戦苦闘しているが、彼のことを信頼して女帝の怒りを買おうとする者はほとんどいない。

Merimeth Sarum

女帝の甥であるMerimethは、すべての継承者の中で最も若く、新しい継承者である。Jamylが(訳注:自殺から)帰還するまで数年待たされ、Merimethは自分自身を証明する機会をほとんど得ていない。それにもかかわらず、彼は知的で抜け目がなく、高い志と、前進するためならなんでもしようという意欲を持つ人物として知られている。

MerimethはかつてMinistry of Internal Order(帝権保安省)のエージェントであったため、アマーの情報機関との深いつながりを有している。彼は、ライバルたちに対して優位に立つためならこの関係を躊躇無く利用することを証明している。また、特に他国に対して攻撃的であるというSarum家の伝統にも倣っており、ミンマターに対する「Reclaiming」の全面的な再開を勧める代弁者となることも多い。

しかし、Merimethの若さと経験不足は、しばしば彼にとって不利なものとして働く。他の継承者たちは早々に彼を無視しており、彼の叔母である女帝Jamyl Iでさえも彼にはほとんど好意を示さない。Merimethを理解している人なら、彼がそのような無礼さに長い間我慢してはいないだろうことを知っている。唯一の問題は、彼が行動を起こすのがいつなのかということだけだ。


参考文献


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EVE Universe – Lore – Amarr
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