CX-3と往く巡礼の旅 その14 - 洛陽五番 新長谷寺(真如堂)

どうもこんにちは。

前回の巡礼記事は2024年10月、東向観音寺さんの記事でした。

もう飽きたのか?

いえいえ、ゆっくりですが続けております。ただ記事を書いていなかっただけ……。とはいえ、参拝自体も昨年秋あたりから今年の春までは新規の札所巡りは出来ていませんでした。行きやすい札所に再び訪れたり、巡礼関係無しでのお参りはあったのですが。行きやすいところから先に回ってしまっていたり仕事が忙しかったり冬は寒かったりと言い訳はありますが、結局言い訳です。信心が足りませぬ。

最近また巡礼を再開していますが、とりあえずは記事を書けていなかった札所の記事を書いていこうと思います。

というわけで、今回は新長谷寺(しんはせでら)さんです。タイトルに(真如堂)とありますが、これは新長谷寺が真如堂の境内にあるということです。ちなみに「真如堂」は通称で、正式には「真正極楽寺」といいます。

新長谷寺自体はお堂がひとつのこじんまりとしたお寺さんですが、真如堂は広い敷地に多くのお堂、庭園、文化財が揃いつつ、インバウンドのさなかでも比較的閑かさを楽しめる穴場ですよ。

新長谷寺ってこんなお寺さん

新長谷寺

陽成天皇(八七七~八八四)の御世、越前守藤原高房卿が、西国に赴く途中、一人の漁師が大亀を殺そうとしているところを、助けてやりました。翌朝航海中に、海が荒れ、子供が海に転落しました。救助不能な 荒波の中、昨日の大亀が子供を背中に乗せて救出し無事でした。

時を経て、その子が中納言藤原山蔭卿となり、妻と一子の家庭を築きますが、妻が病死し、後妻を迎えます。後妻は自分の子の出産後、先妻の子が疎ましくなり、太宰府長官赴任の船旅中、その子を海に突き落とします。悲嘆にくれた山蔭卿がその子を探していると、以前自分を助けてくれた大亀が、その子をも救ってくれました

山蔭卿は、二度までも厄難を救ってくれた大亀は観音様のご加護だと感謝し、長谷寺十一面観音像を模造 し、春日仏師による八尺の大像を前立として、吉田神楽岡の麓の邸宅に 新長谷寺を建立しました。

明治の廃仏毀釈の時、真如堂境内 に移転されました。

新長谷寺 - 洛陽三十三所観音霊場巡礼公式サイト

この新長谷寺は真如堂の境内に佇む小さなお堂ですが、真如堂自体歴史を辿ると900年代の創建から1717年に現在の本堂が再建されるまで、何度も移転したり燃えたり、なかなかの紆余曲折を経てきたお寺のようです。

正式名称

新長谷寺(しんはせでら)

宗派

天台宗

御本尊

十一面観音

御詠歌

いくたびも まいるこころは はせいでら やまもちかいも ふかきたにかわ

札所本尊真言

おん まか きゃろにか そわか(十一面観音ご真言)

詳しくはコチラ↓

ロケーション&CX-3的オススメ度

住所 : 京都府京都市左京区浄土寺真如町82
(下の地図の5番です。拡大してご覧ください。左上のでインデックスが表示されます)

CX-3で訪問オススメ指数 : 80%

京都市岡崎といえば、京都市美術館、平安神宮、動物園、そして南禅寺など市内でも有数の観光地密集地帯です。まさにそのあたりに位置する新長谷寺……ですが、微妙に北に外れていますので、比較的観光客の往き来も少なく、落ち着いてお参りできるロケーションです。インバウンド軍団のメインターゲットからも外れている感じなのでなお良しです。

で、この岡崎へ電車で行くとすると観光地が集まっている地域の南側を東西に走る地下鉄東西線で東山駅か蹴上駅で降りるのが最寄りとなりますが、真如堂は北の外れですので微妙に駅から遠い。

岡崎周辺
真如堂-岡崎マップ

上の地図で地図から微妙に外れた蹴上駅から真如堂まで最短ルートで約2km。歩ける距離ではあるのですが、観光で来ているなら寺社巡りだとしてもとりあえずは平安神宮と南禅寺に行って次のスポットへ……というのが一般的になってしまいそうな微妙な距離感です。(岡崎周辺で一日過ごすなら別ですけどね)

また、ここ岡崎も市バスはたくさん通っていますからバスで行くことも可能ですが、やはり最近観光地あたりを通る市バスはインバウンド軍団でやたら混んでいる時があるのであまりオススメはしたくない。

となるとここはCX-3(クルマ)の出番です。

観光エリアには市営駐車場や普通のコインパーキングがたくさんありますし、京都市中心部のようなヤクザな価格設定でもないのであんしんです。(市営の岡崎公園駐車場で平日昼間は30分300円。別に大して安くもないけれど)しかし、週末や観光シーズンにはエリア内でやたら混む道があるので注意です。(南禅寺周辺の道は特に注意)

巡礼にターゲットを絞るなら真如堂前のコインパーキングがオススメです。(30分200円。ただし観光シーズン別料金あり)また、真如堂の南どなりにある金戒光明寺前のコインパーキングでも良いかもしれません。こちらは記事執筆時点の情報では60分400円となっています。金戒光明寺も洛陽三十三所の札所ですのであわせて巡拝するなら30分以上はかかるでしょうからそんなに問題ではないですし、コチラの方が岡崎の観光エリアに多少は足を伸ばしやすいかも。

ただし、上記ふたつのパーキングは大通り沿いではなく、山門がある裏側の細い通り沿いにありますので、事前に地図を調べておいた方が良いと思います。細い通りだといってもCX-3なら楽々です!(いや別に大きいクルマでも大丈夫だけどね)

そんなわけで、巡礼に的を絞るならクルマが断然オススメです!

訪問記

お伺いしたのは昨年6月です。上で書いたとおり洛陽6番の金戒光明寺も隣にあるのですが、時間的制約(仕事中)からこの時は真如堂内の新長谷寺のみの巡拝となりました。

真如堂前のコインパーキングにCX-3を駐め、山門へ。怪しい雲行きながらなんとか持ちこたえていますが、人は少なかったですねぇ。春秋、特に紅葉のシーズンは多少混雑するようですが、それでも清水や嵐山なんかとは違ってゆったり参拝できるようですよ。

真如堂山門
真如堂山門

参道も広く閑かで、澄んだ心で歩みを進めることができます。

真如堂境内の参道
境内の参道

参道の右手には三重塔が。

三重塔
三重塔

本堂はやはり立派です。

本堂御本尊は「うなずきの阿弥陀」と呼ばれる阿弥陀如来さまで、重要文化財です。毎年11月にご開帳されるとのこと。今回の目的は新長谷寺の十一面観音ですが、本堂の御本尊を拝んでから。

この本堂の奥に有料となりますが、書院や庭を拝観することも出来るようです。また、境内には他にも色々なお堂があり、なんでこんなに空いているんだろうと不思議に思うくらい立派なお寺さんです。

しかし。

この日のワタシはとにかく時間がない。

本堂から北側に迂回して山門に戻る途中に目的の新長谷寺がありました。

新長谷寺
新長谷寺
新長谷寺
新長谷寺その2

ホントにこぢんまりとしたお堂です。

間違いではありません。提灯にも新長谷寺って書いてるし、ほら ↓

洛陽五番!!
誰がなんと言おうと洛陽五番!!

まあこういうのもイイかな、と近づきますが、扉のところはガラス?プラスチック?(忘れた)があって反射で中が見えません。秘仏で見られないのはともかく、光の反射で中が見えないってのは悲しいじゃないか……と思っていたら、自動で内部の灯りがつきました……節電???w

とにかく拍子抜けするくらいバッチリ中の様子が見えます。

十一面観音像
十一面観音像

十一面観音の最も大きな特徴は、名前の通り頭上に並ぶお顔ですが、左手に花瓶を掲げ、下げた右手に数珠を持っているのが特徴とされるところ、この観音様の右手には錫杖が。これは長谷寺の十一面観音の特徴だそうで「長谷寺式十一面観音」と呼ばれるそうです。この新長谷寺の十一面観音は長谷寺のそれを模造したものと言い伝えられていますからこの様式になっているのでしょうね。

御朱印

本来は参拝を終えてからいただくものですが、こちらでは本堂受付でいただけるようになっていたため、本堂参拝後、新長谷寺に行く前に頂戴いたしました。だから時間がなかったんだってば。

新長谷寺 御朱印
新長谷寺 御朱印

ありがとうございます。

さいごに

やはり洛陽三十三所の札所は無理矢理感が……とも感じるところですが、それもワタシが観光客的な目で見てしまっているからかもしれません。ここ、新長谷寺にも歴史あり。

真如堂全体としてみれば京都観光の目玉……にはならないかもしれませんが、程よく広い境内に奇をてらうことのない素朴な堂塔が並ぶ光景は、清浄な空気の中で穏やかな心をもって参拝するのにとても良い場所だと思います。

CX-3で訪問オススメ指数も高いですし、京都にお越しの際は巡礼を抜きにしても立ち寄られる価値はあると思います。

ワタシもまたちゃんと時間に余裕がある時に、お隣の金戒光明寺とあわせてあらためてゆっくりと参拝させていただきたいと思います。……京都市内だとついつい仕事中の空き時間によろうと思っちゃうのが良くないんだよ。わかってる。

それではまた。

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