CX-3と往く巡礼の旅 その12 - 西国十九番・洛陽四番 革堂 行願寺

どうもこんにちは。

今回は西国・洛陽の両三十三所に名を連ねる行願寺、通称革堂(こうどう)さんにお参りいたしました。火災などで場所は転々としてきたものの、創建より千年以上の歴史を持ち、中世には下京の六角堂に対して上京の革堂といわれ,人々の信仰を背景に,町堂として町組集合結束の場所となっていたという、由緒正しくも身近な存在でもあるお寺さんです。

革堂 行願寺ってこんなお寺さん

その他公式サイト記載の参加霊場

霊麀山行願寺と号する天台宗の寺院で、西国三十三所観音霊場の第十九番札所です。

寛弘元年(1004)に行円上人によって、一条小川(上京区)に創建されました。子を孕んだ母鹿を射止めてしまったことを悔いた上人が、常にその皮をまとって鹿を憐れみ、人々から皮聖と呼ばれていたことから、革堂と呼ばれるようになりました。

以後、人々からの厚い信仰を受け、町堂として大いに栄えたが、度々の災火により寺地を転々とし、宝永五年(1708)の大火の後、当地に移されました。

現在の本堂は、文化十二年(1815)に建てられたもので、堂内には行円上人の作と伝えられる本尊千手観音像を安置しています。

境内には、都七福神巡りの一つになっている寿老神堂をはじめ、愛染堂、鎮宅霊符神堂、加茂明神塔などがあります。

革堂について - 革堂行願寺公式サイトより

正式名称

霊麀山 行願寺(れいゆうざん ぎょうがんじ)

宗派

天台宗

御本尊

千手観世音菩薩

御詠歌

花を見ていまは望みも革堂の 庭の千草(ちぐさ)も盛りなるらん

札所本尊真言

おん ばざら たらま きりく そわか

詳しくはコチラ↓

ロケーション&CX-3的オススメ度

住所 : 京都市中京区寺町通竹屋町上ル行願寺門前町17
(下の地図の西国の19番、洛陽の4番です。拡大してご覧ください。左上のでインデックスが表示されます)

CX-3で訪問オススメ指数 : 70%

見ての通り京都御所の近くで、コインパーキングはそれなりにあり、料金的にもそれほど高くはありません。西国三十三所の巡礼で伺うなら基本的にクルマが便利でしょう。洛陽の巡礼でも御所沿いに三つの札所が並んでいますが、コインパーキングに駐めっぱなしでまとめて参拝してもそれほど高額にはならないと思います。

公共交通機関を使うなら京阪の神宮丸太町駅が最寄りですが、ひとつ北の出町柳で降りて、洛陽の札所を廬山寺~護浄院~革堂と巡っても良いでしょう。

市バスだったら河原町丸太町の停留所をキーに検索すれば多くの路線があると思います。座れないことも多いと思いますけどね。

まあいつものことですが、洛陽三十三所の札所は京都市内の比較的中心寄りにありますので、どこでも公共交通機関で無理なく行けます。ただ、このあたりは上述の通り駐車料金もお手頃ですし、あまり観光客でごった返すというほどの場所でもなく、市内中心部の割にはクルマでも便利だと言える部類だと思います。

訪問記

というわけで、5月下旬、小雨が降る日に参拝してきました。CX-3で……はなく、会社から自転車です。だって会社から自転車で10分くらいで丁度いいんだもの。

場所は秀吉の時代に整備され、たくさんの寺が集められたことで有名な寺町通り沿いです。でも、最も多くの寺が密集している四条~御池よりも北のこの辺はそれほどお寺だらけというわけではありません。ちなみに四条~御池は多くの観光客が訪れるアーケードの商店街にもなっていますが、その点でもこのあたりは風情が異なり、お店は並んでいるものの比較的落ち着いていて、古美術商なども点在していてのんびり散策するのにちょうど良い雰囲気です。

有名な一保堂茶舗の京都本店もこの並びにありますよ。

寺町通り沿いに山門があります
寺町通り沿いに山門があります

というわけで、山門をくぐります。

山門のまっすぐ奥に立派な本堂があります。大きな提灯が印象的ですが……この景色は、頂法寺六角堂と似ていますね。ほらね↓

そういえば、革堂も六角堂も民衆が集まる町堂として有名です。中世には「下京の六角堂」「上京の革堂」ともいわれ,民衆の信仰を集めつつ、町堂として町組集合結束の場所となっていたようです。上で書いたとおり、革堂は何度も移転しているものの、やはり似た雰囲気を持つ両寺だと思います。

俗っぽく言いますが、洛陽三十三所のお寺さんの中では格別の雰囲気です。やはり西国三十三所に名を連ねるお寺さんというのはちょっと違いますねぇ。ちなみに、洛陽の中で西国三十三所にも選ばれているのは、革堂の他、六角堂、清水寺、六波羅蜜寺、今熊野観音寺のみです。

本堂は1815年に再建されたものらしいですが、とても重厚な造りで、かつ巡礼札所らしい奉納額が彩りを添えており、建造物としてとても見応えがあります。御本尊は秘仏であるため直接拝見することはできませんがお前立ちの千手観音像を拝むことができます。

上の写真で猫グッズが販売されているものがありますが、このお寺、猫寺として有名なようで、これらグッズの売り上げが猫の餌代などとして使われているようです。ちなみに以前訪問した因幡堂も猫寺でしたね。どちらも京都市の市街地ど真ん中にあります。もしかすると、野良猫が生きにくいからこそこのような「猫寺」が必要になったのかもしれませんね。

大きな本堂ですが、街中のお寺ですので敷地自体はそれほど広々という感じではありませんが、他にもお堂などありますし、なぜか居心地がよい空間で、小雨模様の天気ながら結構のんびりさせていただきました。

あと、思ったのが……なんだかこのお寺さん。屋根がやたら立派なんですよ。ちょっと見てください。

気のせい……?

もっとも大寺院などではこのくらいは珍しくないと思いますが、街中のささやかなお寺の割にやたら重厚さを感じる屋根だなぁと思って、しばらく見入ってしまいました。

御朱印

本堂脇の受付で直書きでいただきました。

ありがとうございます。

さいごに

この日は小雨交じりの天気だったこともあり、比較的人は少なかったです。巡礼札所らしくいかにも人が集う場所という雰囲気が漂う空間でしたので、また気候の良いときに行ってみようと思います。

このように人が集う「町堂」として栄えたお寺をお参りしていて感じるのは、今ってこういう場所……ないよね? ということ。目的があって人が集まる場所はいくらでもありますが、なんとなく町の人が集まってくるという空間って、今の時代見当たらないなぁと思うのですがいかがでしょうね?

まあ、現代人はそういうのを求めていないと言われるとそうかもしれませんけれど。

とにかく、何度でもふと立ち寄りたくなる。そんな魅力がある革堂さんでした。

それではまた。

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