探偵リヒトの事件簿03 「ちいさな棘」 -A Small Spine-

2008年3月20日 初版
2011年3月27日 復刻版

緑本4冊 + まえがき・あとがき・登場人物表 各1冊 + 当探偵事務所・BOOK SHOPルーン
価格 : 上記のセットで 4,000gp
※ 緑本は一冊100ページ

Table of Contents

あらすじ

神の泉の恵みを受け、古くから伝統的な暮らしを続けるBrunnen Village ― 泉の村 ―での、水路建設を巡る騒動。ついに建設賛成派の者からと見られる脅迫状が村長の元へ届けられる。

毎朝泉の水で満たされる町の水汲み場へ毒を混入するという卑劣な脅迫。その犯人を見つけ出すためにLichtは村へ向かうが、既に事件は起こってしまっていた。

ふたりの屈強な傭兵の見張る中、突如として毒を帯びた水。

この謎を解かずして、犯人を見つけ出すことは不可能。LichtとNaominはこの謎に立ち向かうが……。

立ち読み! – プロローグ&Chapter1を読む –

解説

探偵リヒトの事件簿の第3作です。

今回こそ短編に! という意気込みで執筆を開始したものの、やはりというか、あんまり短くなりませんでした。そのくせ、短くするために、謎を単純にと意識したところだけは功を奏してしまったようです。

謎は簡単です。だからちょっとだけスパイスを振りかけてみました。

最近の推理小説というのは、とかく「心理的トリック」がもてはやされます。ですが、マジックで例えても、現実には多くのマジシャンの使うトリックは、多分に機械的トリックを用いたものです。機械的トリックというのは、タネを知ってしまうと、強烈につまらないものに思えてしまうのが欠点ですが、逆にそんなたいそうな機械的トリックを使うなんてアンフェアだ、という観客の心理の裏をついた、心理的トリックだとも言えなくはありません。

なぜこんな文章がいきなりこんなところにでてきたでしょうね?

何はともあれ、お楽しみいただければよいのですが……。

なお、できれば1作目から読んでいただいた方が楽しめるとは思いますが、物語としては独立しておりますので1作目を読まれていない方もご安心ください。
前回に引き続き、登場人物表も赤本でご用意いたしました。読むときは、本編の横にこの本を広げておいていただくと、わかりやすいのではないかと思います。