現在のところ、話題になった割に浸透してない感が強烈なGoogle Buzz。
なぜでしょう?
思うに、バズは前評判ではTwitterの対抗馬的な扱いをされていたと思うのですが、いざ使おうとしてみるとなんだか取っつきにくい。
140文字という制約を逆手にとって非常に取っつきやすいサービスとなっているTwitterに比べて、とかく敷居が高く感じてしまうのですね。
さらにそこへもってきて、知らないうちに本名や居場所が公開されてしまっていた! なんてことが報道されたりしたモノですから、より一層手を出しづらい雰囲気が……。
要は、事前報道が「Twitter的な気軽なソーシャルメディア」というイメージを作ってしまったけれど、実体が全く違った、というところにバズの第一のつまずきがあるのではないかということです。
でも、それは裏を返せば「バズはTwitterとは違うのだよ!」という風にも考えることが出来るということかも知れない。
というように、とりあえず前向きにとらえることにして、今回はまず「Googleバズって結局なんなの?」と題してお送りします。
大前提
- Googleバズは「Gmailの追加機能」なので、Gmailユーザー間のコミュニケーション手段だということ(もちろん未知のアカウントを検索してフォローできることはTwitterと同じ)
- 投稿の公開範囲を、投稿ごとに選択することができる
- Twitter、Flickr、PicasaWeb、GoogleReaderや、その他のブログなどでの自分の動きをバズに反映させることができる
- でも、現時点では、バズでの動きを他サービスに反映させることは出来ない(開発中?)
- 発言は基本的にタイムライン順となるが、発言に対するコメントはその発言にくっついて表示される(ブログ記事に対するコメントみたいな感じ)
- 文字数制限は無し
- 画像、リンクも掲載可能
- 画像はローカルからアップロードするか、Picasawebのアルバムから選択して掲載する。ローカルからアップロードしたものは、Picasaにも自動的にアップロードされる
- Youtubeリンクを貼ると、バズ上での再生が可能な形になる
だから
- まずGmailアカウントは必須なので、メール機能を求めていないユーザーに対する敷居はやっぱり高い
- Gmailアカウントを持ってる知り合いとメールのやりとり以外の密なコミュニケーションが可能
- フォローしている相手のWeb上での行動をまとめてチェックして、それに対してバズ上でチェックすることができる
- 発言と、それに対するコメントがまとまっているので、とにかく時系列オンリーのTwitterよりもフォーラム的に機能しやすい
- 文字数制限がないので、他のブログなどから来た記事をバズ上で全文閲覧して、コメントをつけることができる
- バズ上の投稿が他サービスに反映されるようにならないと、バズ上から情報発信するよりも、いろんなところで発信した情報をバズ上に集積する方がメインになってしまいがち
- Google関連のサービスとの親和性はさすがに高い(Picasa、Youtubeなど)が、その分他サービスをメインに使っているユーザーにとっては不満が残る
結局のところ
Googleのサービスを全般に使いこなせるレベルの人でないとあまり楽しくないかも知れないが、Google至上主義の人には非常に魅力的なのか?
少なくとも、ネット初心者にお勧めできるものではないが、文字数制限もなく、他サービスで発信した情報も単にリンクを取得するのではなく、記事を丸ごと取り込めるので、情報の密度はTwitterよりもずいぶん高いように思う。
ただ、ネット初心者にお勧めしにくいということは、バズを使おうという人は何らかの他のサービスをすでに利用していると考えるべきで、そうするとバズ上で投稿した情報が他のサービスに反映させられないということは非常に痛い。
だって、他にブログやらTwitterやらやってるのに、バズで投稿した情報はバズのみで完結してしまうのだから、それならはじめから他のサービスを使って投稿して、その情報をバズに引っ張ってくることになるのは当然なのです。
また、メール機能と一体化しており、投稿範囲も投稿ごとに選択できることから、特定のグループ内でのコミュニケーションツールとしては優れているようにも思える。
要するに、一対一の非公開でのメールのやりとりと、SNSのコミュニティ的機能を統合した運用が可能……なのだが、現状ではみんなでGmailを使っている団体、コミュニティということ自体あまり想像できないのがネックである。
普通のWebコミュニティならそもそもメアドを公開しないことがスタンダードにもなってきているし、リアル知り合いの集まりでも、メールをGmailに統一しているってのは考えづらいし、会社などの団体なら独自ドメインを使っているだろうし。
とにかく、まずは様々なサービスを利用している一般ユーザーが、バズから情報発信できるようにならなければどうしようもない感じではあります。
が、サービスは進化するもの。
しかもGoogleであります。
進化を信じて、当面は追っかけていこうと思いまする。