iPhone手書きメモアプリの中でも一進一退の攻防を繰り広げる二大巨頭が「FastFinga」と「SpeedText」でございます。
それぞれのアプリのレビュー自体は色々色々ございますので、このレビューではもう少し突っ込んでわたしの具体的な用途と絡めて分析してみたいと思います。
私見による両者の特徴をひと言で
FastFinga
- 高機能が売り(画像添付、Twitter対応、線のタイプや色の豊富さ、アイコンの豊富さ)
SpeedText
- 手軽さとなめらか書き味が売り
って簡単すぎますね。
では本題に入ります。
手書き入力の機能について比較する
わたしはずっとFastFingaを使っていましたが、評判を聞きつけてSpeedTextを使ってみたのです。
その際のファーストインプレッションは「書き味がなめらか!!」ということでした。
実際は知りませんが、コチラの入力に対して線をなめらかにする補正がかかっている感じです。
これは気持ちがいい。
これを使ってから改めてFastFingaを使うと線のごつごつ具合を強く感じてしまいます。
しかし、FastFingaも入力した文字がメモ本体に反映されてしまうと不自然さは感じません。
むしろ俺の文字ってかんじです。
そんなわけで、SpeedTextの書き味の良さは理解しつつも、そこは決め手にはならないなっと。
その他手書き入力機能について
FastFinga | SpeedText | |
使用ポジション | 横画面のみ | 縦横可能 |
入力文字の自動反映 | 設定により可能 | デフォルト |
入力文字の手動反映 | デフォルト | 不可 *1 |
線の太さ設定 | あり | なし |
描画色の設定 | あり | なし |
一度に入力可能な範囲 | <==>ボタンで 連続入力可能 |
入力Padの範囲内 |
スペースの入力 *2 | デフォルトでは入力ごとにスペースが入るが、設定により親指ボタンに割り当て可能 | 入力ごとにスペースが入るが、Pad上のボタンを押すことでスペースをなくすことが可能 |
絵文字 | かなり豊富 | 種類は少ないが絵文字での検索が可能 |
*1 : 画鋲型ボタンを押すことで、入力文字がすぐに反映しないようにできますが、入力ごとにその操作が必要になりますので「手動反映」というよりは「ポーズ機能」的なものだと判断します。
*2 : スペースの間隔は両アプリ共に設定可能ですので、ゼロにすることも可能。
要は、デフォルトならば、SpeedTextはどんどん自動的に入力文字が反映していくのに対して、FastFingaは好きなだけ入力(スペースがなくなっても<==>ボタンでPadをスライドして一気に入力できる)してから手動で確定させるというスタイルなわけです。
で、わたしとしては……
- 基本、自動入力の方が使いやすい
- でも、文章が細かく細切れになるのも気持ち悪いので一気に入力したい
- 変なところにスペースが入るのはイヤだ
そうなりますと、方向性は固まってきます。
SpeedTextでは、自動入力ですが、入力はPadに収まる範囲でぶつ切りになり、なおかつそこにいちいち空白が入ってしまうことになるのです。
解くに問題なのは、空白は基本設定で「なし」にも出来ますが、そうすると今度は空白の入れようがありませんのでこれも困るし、通常設定のままでPad上のボタンを押すことで前回入力文字との間に空白が入らないようにすることは出来るものの、入力の度に(即ち、数文字書く度に)その操作が必要になりますので、かなり煩雑です。
そこで、FastFingaで下記のように設定しました。
まずは指を離すと自動反映するように設定
※ 自動にするのなら、真ん中の「指を離してX秒後」で良いのですが、そうすると親指ボタンが消えてしまいます。
次に単語間隔(入力ごとに入る自動空白)をゼロにします
そして、親指ボタンにスペース機能を割り当てる。
これで、自動反映で、スペースも任意の位置に綺麗に入り、しかも素早く画面スライドのボタンを押すことで分を一気に入力することも出来る、(個人的に)完璧なインターフェイスの完成です。
こうして、入力関係についてはSpeedTextの書き味の良さにもかかわらずFastFingaに軍配が上がりました。
一覧・検索・整理機能について比較する
リストの見やすさではSpeedTextの方が上でしょうか?
![]() |
![]() |
※ 左がSpeedText、右がFastFinga
※ FastFingaについて、赤丸のところのボタンを押すとタグ設定画面へ、赤矢印のボタンを押すとタグによる絞り込み画面になります。
FastFingaはサムネイルが大きいのはよいのですが、やはり一覧性には欠けるといわざるを得ません。
その点SpeedTextは一覧性に優れており、入力日も目立つようになっていますので、分かり易いです。
検索機能はどうでしょう?
SpeedTextは文中に挿入したアイコンで検索することが出来ます。
FastFingaはタグによる管理、検索が可能です。
SpeedTextでも複数のアイコンを入れることは出来ますし、FastFingaのタグも自分でどんどん追加して複数指定することが出来ますので、どっこいどっこいといったところでしょうか?
仕事用などで間違いのない分類をするにはタグ管理の方が優れているような気もします。
ただし、この手のアプリでガンガン文章を書いて管理したい人には大切なポイントだと思われますが、わたしのように、外出中などにさっとメモをとる用途に使っている人にとってはあまり重視しなくてもよいかも知れません。
というのも、後々まで残していく必要のあるメモは、別の(手書きではない)メモアプリなり、スケジューラーなり、紙の手帳なりにあとでちゃんと控えますし、手書きメモのままで残すにしても、画像変換した上でEvernoteに渡すなり、メール添付で自分のPC宛に送付してしまったりしますので……。
ということは!!
仕事中などのとっさの場合のメモ取り用途に使うわたしとしては……
- 入力系 – Fastfinga 勝利 (重要度 5)
- 一覧機能 – SpeedText 勝利 (重要度 3 : たくさんのメモを書きためないから)
- 検索・整理機能 – FastFinga 辛勝 (重要度2 : たくさんのメモを書きためないから)
というわけで……FastFingaの勝利です!!
ただし、これらのアプリでたくさんのメモを整理する人にとっては、一覧機能が重要になってくると思いますので、逆転することも当然あると思いますし、とにかくなめらかな書き味にハマってしまってSpeedTextを選択するのもアリだと思います。
っていうか、両者共にさらに進化しそうな感じですので、この記事が役に立たなくなる日もきっと遠くないことと思われます。
そう思うと哀しくなってきましたので、今日はこの辺で。
One thought on “FastFinga と SpeedText を比べてみる”